混戦必至の重賞競走、マーメイドステークス(G3)。
毎年軽斤量馬が活躍するレースで、実績のある人気馬が期待を裏切り、条件馬が激走する……そのような特徴を持つ重賞です。

今年は、前年度エリザベス女王杯4着のセンテリュオや、連覇を狙うサラスといった実績馬と、条件馬ながら近走のレース内容が光るエアジーンなどが参戦しました。

レース概況

ゲートが開くと、藤田菜七子騎手騎乗のナルハヤがハナを切ります。それに続く形でサマーセントが2番手、マルシュロレーヌが3番手で続きます。
人気を集めたエアジーンは後方11番手、センテリュオは12番手にポジショニング。

ナルハヤ・サマーセント・マルシュロレーヌの先行勢3頭が後続を離して引っ張る形でレースは進み、前半1000mのラップは1分0秒8。平均ペースでレースは流れ、逃げるナルハヤがマイペースに持ち込みます。

そのまま隊列は変わらず、直線へ。
内馬場有利の馬場傾向を活かして、ナルハヤが粘りこみをサマーセントが抑え込みをはかります。後続の馬も仕掛けますが、2頭との差はなかなか詰まりません。

残り200mを切り、粘りこむナルハヤをサマーセントが捉え、先頭に躍り出ます。
そこに猛追をかけるのが、内をうまく立ち回って鋭い脚で追い上げてきたセンテリュオ。

最終的には、サマーセントがそのまま先頭でゴールを駆け抜け見事勝利。2着には、サマーセントから3/4差で猛追をみせたセンテリュオが入線。3着には、こちらも内をうまく立ち回って最後にナルハヤを交わしたリュヌルージュが入り、逃げて粘り込みを図ったナルハヤが4着。
1番人気のエアジーンは、直線で外から力強い脚で追い上げるも5着までとなりました。

各馬短評

1着:サマーセント(7番人気)

3勝クラスでは3戦して3着が最高でしたが、今回は先行から軽斤量・内有利な馬場を活かして見事勝利。
この馬の個性である「器用さ」がしっかりと活かされました。
また、その個性を生かした酒井騎手の好騎乗も光りました。今回は条件に恵まれた感がありますので、次走が試金石の一戦といえます。その走りに期待します。

2着:センテリュオ(2番人気)

脚を溜めて、直線では内をうまく突いて2着。
良馬場の方がよい馬ですし、決して道悪馬場が得意なわけではありません。
さらに斤量も最重量ですし、そのような条件下で2着を確保した点は、改めて能力の高さを示しました。

3着:リュヌルージュ(3番人気)

直線ではジリジリと伸びて3着を確保。前走福島牝馬ステークス8着から巻き返しました。
中山牝馬ステークス2着の走りなど、明らかに道悪で時計がかかる方が得意な馬で、今後も条件が揃えば重賞でも狙いたい馬です。

5着:エアジーン(1番人気)

3コーナーから4コーナーにかけての推進力がなく、追い通しで大外を回すことに。
内有利な馬場で、直線では大外から一頭だけ違う脚をみせて5着に入線。
不器用な脚質と進路取りの影響が大きく出た印象です。直線が長いコース等、伸びのびと走れるコースで見直したい一頭です。

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