門別の夜空のもとで行われる、砂の才女の戦い・ブリーダーズゴールドカップ。今年は中央所属馬5頭、南関東所属が1頭、佐賀所属1頭を迎えた15頭で行われた。人気の面では圧倒的に中央馬に集まり、その中で1番人気に支持されたのは3歳馬レーヌブランシュだった。前走の関東オークスでは南関東の2冠馬アクアリーブルを振り切って重賞制覇を果たし、勢いに乗る3歳馬。重賞連勝を果たすかに注目が集まった。
続く2番人気は重賞3勝馬のプリンシアコメータ。3番人気も重賞馬マドラスチェックと屈強な古馬の重賞馬が3歳馬に襲い掛かるという構図となった。
レース概況
門別2000mは長い直線を目いっぱい使うコースレイアウトである。
レースが始まると好スタートを決めたマドラスチェックが迷わずハナを取る。続いてプリンシアコメータ、レーヌブランシュと人気の各馬が続いた。地方勢では佐賀のアンバラージュが4番手で追走。その後ろにもシネマソングスにメモリーコウとJRA勢がほぼ完全に先団を固めてしまう構図となった。
かなり速いペースとなり、馬群自体も縦に長いものとなる。地方勢には苦しいペースとなってしまい、3コーナー過ぎではJRA勢5頭が後続を突き放す展開となった。
4コーナーを迎えたところでプリンシアコメータが逃げるマドラスチェックを捕まえて先頭に立つ。その直後からレーヌブランシュが2番手へとあがり、前を追う。直線に入っても依然と粘るプリンシアコメータが先頭に。
2番手から追いすがるレーヌブランシュに、追い込んできたメモリーコウが迫るも、先頭にまでは及ばず。プリンシアコメータが1馬身半の差をつけて1着でゴールイン。斤量57キロを跳ね除け見事な重賞制覇を果たした。
各馬短評
1着 プリンシアコメータ (岩田康誠 2人気)
斤量57キロを跳ね除けた、見事な勝利であった。
レースでは2番手でマドラスチェックを見る形でレースを進め、3、4コーナーで岩田騎手が追い出しを開始しマドラスチェックをとらえた。
直線ではメモリーコウとレーヌブランシュに迫られたがしっかりと粘り切っての優勝。重賞4勝目はベテランらしい、味のある勝利であった。
2着 メモリーコウ (古川吉洋 4人気)
直線で怒涛の追い込みを見せ2着に入線した。道中では4、5番手を追走し、3コーナーから進出したJRA勢ではやや後方から直線に入った。
しかしそこからの伸びは鋭く、一度は先頭に迫ったレーヌブランシュをゴール前で差しきった。近走は中々勝ちきれないレースが続いているが、初の重賞制覇もそう遠いものではないだろう。
3着 レーヌブランシュ (松山弘平 1人気)
着順は3着ではあるものの、一度はプリンシアコメータに迫る「見せ場」を作りだした。
道中は3番手で折り合ってレースを展開。直線に入る前で先頭に迫り、直線ではしぶとい脚でプリンシアコメータに迫るもわずかに及ばずとなった。今回は勝利に届かなかったが、次世代を担うダートの名牝として今後も期待していきたい。
総評
門別で繰り広げられた牝馬の戦いは、7歳馬プリンシアコメータに軍配が上がった。比較的直線が長いコースである門別の2000mをしぶとい脚で駆け巡り、見事重賞4勝目をあげた。
57キロのハンデを跳ね除け、後続を振り切る姿はまだ第一線で活躍できるというアピールに足るもの。秋に行われる女王決定戦、そしてその先の桶狭間決戦に向けて、才女の戦いはまだ続いていく。