「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末の新馬戦を勝ち上がった馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線で活躍する名馬や、古馬になって活躍する名馬が、きっと現れるはずです。
今週は、どのような期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?
8月15日(土)
新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,600m・1:37.0
イルシーヴパンサー
牡馬(1番人気)
父:ハーツクライ
母:イルシーヴキャット
母父:キングカメハメハ
生産牧場:追分ファーム(安平町)
所属:久保田貴士厩舎(美浦)
鞍上:横山典弘騎手
横山典弘騎手に導かれ、1番人気のイルシーヴパンサーがデビュー勝ちです。
道中はインコースでじっくり我慢を覚えさせる先を見据えた競馬をした上で、直線に向くと何度も前が塞がる中しっかりと反応して伸びてきました。タイムはほどほどでしたが、その点は一切気にしなくてよいほどに良い内容でした。
父ハーツクライ×母父キングカメハメハの配合は字面通り長距離向きですが、代表馬ラーゴブルーをはじめダート路線でもしっかり走れる産駒がでています。今後、どの路線にいっても楽しみな存在です。
新潟6R メイクデビュー新潟(牝馬限定)・芝1,400m・1:23.2
タイガーリリー
牝馬(6番人気)
父:キズナ
母:ケイエスホノカ
母父:アフリート
生産牧場:高柳隆男さん(日高町)
所属:尾関知人厩舎(美浦)
鞍上:杉原誠人騎手
インコースから抜け出す、味のある勝ち方でした。
道中はしっかりと我慢し、直線に向くと進路を探す場面もありましたがジョッキーの意図するままに伸びてくれました。母父アフリートの馬場適性がうまく出ているように見えますし、ダートでも見てみたい一頭です。
小倉5R メイクデビュー小倉(九州産馬限定)・芝1,200m・1:09.8
ルクシオン
牝馬(1番人気)
父:エイシンフラッシュ
母:ヘヴンリーヴォイス
母父:アグネスタキオン
生産牧場:ストームファームコーポレーション(熊本県)
所属:河内洋厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手
後続を3馬身離し危なげなく勝ち上がりましたが、今日は能力だけで勝った様に見えます。
血統的にはむしろ1,800m以上に適性があるように思えるのですが、どうでしょうか。
レース内容は終始他馬の厳しいマークにあいながら、まるで自身のペースだけを守って走ったかのような大人な競馬での完勝でしたし、騎手もほぼ追っていないわけですから今日は力が違いました。次走も「ひまわり賞」か「小倉2歳S」と短い所になるかと思いますが、今日の様な競馬が出来るのならば面白い戦いができるのではないでしょうか。
小倉6R メイクデビュー小倉(牝馬限定)・芝1,200m・1:08.4
テンハッピーローズ
牝馬(7番人気)
父:エピファネイア
母:フェタールローズ
母父:タニノギムレット
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:高柳大輔厩舎(栗東)
鞍上:福永祐一騎手
直線で手綱をおさえ、窮屈な競馬になりながら素晴らしい末脚で新馬勝ちです。この馬もトレンドの「父エピファネイア産駒でのサンデーサイレンスの奇跡の血量」になります。
開幕週で前が止まらない超高速馬場のなか、ラスト200mで再加速すると素晴らしい末脚で先行勢をまとめて交わしました。現状では1,400mくらいまでは十分に守備範囲でしょうし、マイルまでも乗り方次第で楽しみです。次走で同じようなキレ味が出せるようならば、上の舞台でも十分戦える存在になりそうです。
札幌5R メイクデビュー札幌(牝馬限定)・芝1,500m・1:31.5
エイボンクリフ
牝馬(1番人気)
父:ハービンジャー
母:ローズマンブリッジ
母父:ディープインパクト
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:庄野靖志厩舎(栗東)
鞍上:C.ルメール騎手
少頭数の競馬となりましたが、粘って粘って逃げ切り勝ちを果たしました。
父ハービンジャー×母父ディープインパクトの産駒としては、ハッピーアワー(2019年ファルコンステークス優勝)や、2,000m以上で好走しているケイティクレバー・ヒンドゥタイムズなど幅広いタイプがでています。
レース内容は、直線に向くとルメール騎手が追い出し、ゴール前で迫られましたがしっかりと勝ち切るもの。
現状では1,400mくらいが良いかなと個人的には映りましたが、次走以降のレースで再評価が必要な一頭だと思います。
8月16日(日)
新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,800m・1:49.0
ヴェイルネヴュラ
牡馬(1番人気)
父:ロードカナロア
母:リングネブラ
母父:ハーツクライ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:大竹正博厩舎(美浦)
鞍上:福永祐一騎手
また父ロードカナロア×母父ハーツクライから楽しみな馬が現れました。
この配合はこのレースで13頭がデビューし9頭(69.2%)が勝ち上がり、重賞馬が3頭も現れています。
レース内容は馬込みで進路を探し前が開くまで追い出しを我慢せざるを得ない状況であったり、追い出されてからもフラフラする等、今日は能力だけで勝ち上がった印象です。まだまだ成長途上だと思いますが、一瞬のキレ味に光るモノがありました。もう一度、直線の長い競馬場での走りを見て再評価したい一頭です。
小倉5R メイクデビュー小倉(九州産馬限定)・芝1,200m・1:10.2
カシノレオ
牡馬(1番人気)
父:エスケンデレヤ
母:カシノインカローズ
母父:キングヘイロー
生産牧場:柏木務さん(鹿児島県)
所属:鈴木孝志厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手
このメンバーでは、一つ頭が抜けている内容でした。
非常に激しい先行争いでも怯むことなくハナを主張し、逃げ切った事に意味があります。
父エスケンデレヤからはジャパンダートダービー2着のダイメイコリーダ等が輩出されています。
小倉6R メイクデビュー小倉・芝1,200m・1:09.2
ウインスーリール
牝馬(3番人気)
父:ヴィクトワールピサ
母:ノーモアクライ
母父:Cozzene
生産牧場:山際牧場(新ひだか町)
所属:西園正都厩舎(栗東)
鞍上:国分優作騎手
好調の一口馬主クラブ「ウイン」から、また1頭勝ち上がりを果たしました。
先手を奪うと開幕週の馬場を味方につけ最後まで止まる事無くデビュー勝ち。
今日のレースでは追い出してからも綺麗なストライドでの走りを見せましたし、完勝と言っても良いでしょう。逃げるだけでなく、先行しても良さがでそうですので、距離の幅はまだまだ広がりそうに思います。
札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,800m・1:53.0
キングストンボーイ
牡馬(1番人気)
父:ドゥラメンテ
母:ダイワメジャー
母父:フォーティナイナー
生産牧場:田上徹さん(新ひだか町)
所属:藤沢和雄厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手
先日引退した皐月賞馬エポカドーロの半弟が、ここでデビュー勝ちです。
今日は少頭数で超スローペースの中、直線だけの競馬となりましたが右へ左へとヨレながらも「キレ味があるな」と感じさせる内容で勝ち切りました。直線に入る前もいかにも新馬らしい走りでしたし、今日は能力だけで勝ち切った試金石の一戦だったという事でしょう。
これから先、頭数が増えた競馬で再評価が必要な1頭だと思いますが、楽しみな存在です。