![[今週の競馬]東は安田記念を見据えた東京新聞杯、西は3歳登竜門のきさらぎ賞](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/02/202602013-scaled.jpeg)
3場開催は3週目に突入する。東京は先週、フェブラリーステークスの前哨戦となる根岸ステークスが行われたが、今週は安田記念などの芝マイルG1を目指す東京新聞杯が開催。過去10年の勝ち馬からは3頭がのちのG1ホースを輩出しており、今年の中距離路線を占ううえで重要な1戦だ。
また、京都ではクラシックのプレップレースであるきさらぎ賞が開催。東西のどちらもG1に直結してくる番組が組まれている。さらに小倉では日曜メインに小倉大賞典の前哨戦とも言える小倉日経賞が開催。最終週の名物レースがそろそろ見えてきた。
なお、東京新聞杯当日はアラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領が国賓として訪日されるため、10レースの初音ステークスがアラブ首長国連邦大統領国賓訪日記念ザーイド&ラシッド杯として開催される。
○東京新聞杯 目指すは安田記念かヴィクトリアマイルか 中距離戦線の一線級が集う
東京新聞杯(G3)
日曜東京11R 15:45発走
芝1600m(左)サラ系4歳以上 オープン 別定
本賞金 1着4100 2着1600 3着1000 4着620 5着410(万円)
■レースの歴史、位置付け
1951年に創設された「東京杯」が本競走の前身。2026年現在、大井競馬場で開催されているG2級競走の「東京盃」とは全く別物である。当初は東京芝2400mで施行されていた。第1回の勝者はセントライトの弟で、JRAの初代顕彰馬に選定されたトサミドリである。
現在の名称に改められたのは1966年で、現行条件となったのはグレード制が導入された1984年から。以降は安田記念を春の最大目標とするマイラーや、ここをステップにドバイなどへ向かう中距離馬の集うレースとして実施されている。
■前年のレース模様
前年のマイルチャンピオンシップ以来となるブレイディヴェーグが1番人気。彼女以外にもNHKマイルカップ馬シャンパンカラーや皐月賞馬ジオグリフなどのG1ホースを筆頭に、重賞戦線で好走を続けるボンドガールなどが出走し、好メンバーの集った1戦となった。
レースはスタートから逃げた最低人気のメイショウチタンがマイペースで飛ばし、直線に入ってもセーフティーリードを保っていた。あわや大波乱とか思われたところに後方待機のウォーターリヒトが急襲し、先行集団からメイショウチタンを交わしたボンドガールまでも一気に飲み込み差し切り勝ち。同馬を管理する河内洋師へ、定年前最後となる重賞タイトルをプレゼントした。

■今年の出走馬
前年の覇者ウォーターリヒトはもちろん、NHKマイルカップの勝ち馬シャンパンカラー、毎日王冠馬のエルトンバローズなど、ここまでマイル路線を盛り上げてきた実績馬が集結。さらに年明けの京都金杯を制したブエナオンダに、彼を2走前に下したミッキーゴージャスなども登録してきており、非常に濃いメンバーとなりそうだ。

また、絶好調の明け4歳勢から今週はマジックサンズとエンペラーズソードがスタンバイ。ここ2走、マジックサンズは着外に終わっているものの、3走前のNHKマイルカップでは後方2番手から2着に突っ込んだ豪脚を持つ。展開さえ向けば上位に台頭してきても不思議はない。
また、エンペラーズソードは条件戦を好位から勝ち切る強い競馬で2連勝。父は昨年このレースを制したウォーターリヒト同様ドレフォンだが、彼の産駒は府中芝マイルの特別戦では【6-1-2-10】と好相性を誇っている。2年連続、この血が東京新聞杯を制することになるか。

○きさらぎ賞 如月の淀に匂う春の陽気
きさらぎ賞(G3)
日曜京都11R 15:30発走
芝1800m(右)サラ系3歳 オープン 定量
本賞金 1着4100 2着1600 3着1000 4着620 5着410(万円)
■レースの歴史、位置付け
第1回が開催されたのは1961年で、1986年までは中京での施行が基本。さらに1969年までは砂馬場で開催されていた。砂馬場でのきさらぎ賞時代、勝利した9頭のうち2頭がクラシックホースに輝いたが、ダービー馬だけは誕生しなかった。
ところが芝条件に変わった初年度、勝ち馬タニノムーティエがいきなりダービー馬に。翌年も1着となったヒカルイマイがダービーを勝利したことで、一気に西の3歳馬にとっての登竜門となった。
現行の京都芝1800mでの開催が固定となったのは1991年からだが、以降もスペシャルウィーク、ナリタトップロード、ネオユニヴァースなどのクラシック競走勝ち馬を続々と送り出しており、すっかり名馬の輩出レースとして定着した。
ちなみに1995年の勝ち馬スキーキャプテンは、ここをステップに日本調教馬として初のケンタッキーダービー挑戦を敢行している。

■前年のレース模様
東京スポーツ杯2歳ステークスでのちのG1馬クロワデュノールの2着に好走したサトノシャイニングが1番人気。これに続いたのがショウヘイ、リンクスティップといった未勝利からの転戦組だった。
レースはジェットマグナムが800m通過46秒1というハイペースで引っ張り、直線は後方に控えていた馬たちの勝負に。1度は抜け出したリンクスティップが粘り切るかにも見えたが、外から仕掛けたサトノシャイニングが楽々と交わして先頭へ。粘るリンクスティップ、追うランスオブカオスを寄せ付けず、堂々とライバルの待つ皐月の舞台へ駒を進める快勝劇を飾った。

ちなみにこのレースの1~4着馬すべてが、このあとの2025年の3歳G1で掲示板以上の成績を残すというハイレベルなメンバー構成であった。
■今年の出走馬
前走の東京スポーツ杯2歳ステークスで勝ち馬パントルナイーフに迫ったゾロアストロが人気の中心となりそう。出遅れ癖がネックとはいえ、ここまでの4戦で記録した上り3ハロンは全てメンバー中3位以内。前走は32秒7という爆発的な瞬発力を見せており、ここでも能力は上位だろう。
しかし、彼以外にもセレクトセール史上2位の落札額で取引されたエムズビギンや、札幌2歳ステークス勝ちのあるショウナンガルフなども出走を表明。来週の共同通信杯もG1馬ロブチェンなどを擁する好メンバーが予想されているが、それに負けず劣らずのレースが期待できそうだ。

さらに、出走想定の10頭中7頭が社台・ノーザンファームの出身で、残るゴーイントゥスカイ、サトノアイボリー、ストームゲイルは日高地区出身の馬たち。本年の生産者リーディングでも独走を続けるノーザンファーム生産馬や、前年もマスカレードボールを筆頭に大活躍を見せた社台ファーム生産馬に、一矢報いてクラシック戦線に駒を進めることはできるだろうか。

先週は東西重賞共に1番人気が敗れ、小倉では歴代3連単の配当を塗り替える記録が樹立されるなど、波乱含みの1週間であった。想定外の出来事に寒さを感じた方もいそうだが、そういう時はレースの熱気で暖を取る、というのをおススメしたい。寒くなった体はもちろん、もし馬券が当たれば寒さはいつの間にか吹き飛ぶであろう。とはいえ、相変わらず強烈な寒波が日本列島には襲来しているため、引き続き体調管理には気を付けて週末を迎えたいところだ。
来週にはサウジカップを控え、その翌週はいよいよ中央G1のフェブラリーステークス。大レースが近い春の息吹と冬の寒さが混じり合ったこの季節特有の雰囲気を、今週も心ゆくまで楽しんでいきたい。
写真:かず、ぼん(@Jordan_Jorvon)、すずメ

