JBCとチャンピオンズCの狭間でメンバーがやや手薄になる傾向にある浦和記念。
しかし今年はジャパンダートダービーを制した3歳馬ダノンファラオ、前走の日本テレビ盃で重賞初制覇を飾って勢いに乗っているロードブレス、ダート重賞戦線で安定した成績を残している8歳馬ウェスタールンドの3頭に、デルマルーヴルを加えた4頭が人気を集める混戦模様となった。
地方所属馬では、春のブリリアントCと大井記念を連勝し、前走の日本テレビ盃では3着に好走したストライクイーグルが最上位の6番人気となっていた。
レース概況
向正面からスタートを切った11頭。外からヒストリーメイカーがハナに立つかと思ったが、最内からホッカイドウ競馬所属のリンノレジェンドが交わして主導権を握った。
1周目の正面スタンド前、人気勢の位置どりを見ていくと、4番手の外目にダノンファラオ、そのすぐ後ろにロードブレスとデルマルーヴルがマークするような形に。もう一頭の人気馬、ウェスタールンドは離れた最後方からレースを進める。
淡々とレースは流れていたが、再び向正面に入るとダノンファラオがジワッと3番手まで進出する。
それに追随するロードブレス、デルマルーヴル、ストライクイーグル。
そこへ最後方からウェスタールンドも中団まで捲っていったことで一気にペースアップ。最後の直線での攻防へと持ち込まれた。
堂々と早めに先頭に立ったダノンファラオ、その外から一気に襲いかかるウェスタールンド、さらに2頭の間を割ってきたロードブレスの3頭によってゴールまで続いた激しい追い比べの行方は──。
各馬短評
1着 ダノンファラオ
ゴール前は外の2頭に差を詰められたが、川田騎手の右ムチが2発、直後に肩ムチ1発が入るとダノンファラオはもうひと伸び。GⅠ馬の意地を見た気がした。
長く良い脚を使えるバテ比べに強いタイプなので、浦和2000mという舞台も合っていたが、能力の高さを改めて証明してみせた。
2着ロードブレス
最後はハナ差届かなかったが、三浦騎手が右の肩ムチを入れるたびに加速、特にラスト50mの伸びは目を見張るものがあった。
しかしどちらかと言えば、船橋や大井のように直線の長いコースでより持ち味が活きるタイプ。着実に力をつけているので、年末の大井といった、さらに大きな舞台でも活躍が期待できそうだ。
3着 ウェスタールンド
どうしてもスタートしてからの位置どりが悪くなってしまうので、浦和コースでは向正面から捲っていくレースしかできない。それだけに自分のレースに徹した結果の3着というだと言えるだろう。
写真:三木俊幸