「名馬」を語る アイドル性と実力の掛け算。思い出の白毛馬、ユキチャン 2025年8月11日 今でこそシラユキヒメ牝系はブチコからソダシ、ママコチャがあらわれ、GⅠ馬の牝系としてマルガの未来へとつながっているが、初期は白毛という毛色だけがクローズアップされ、ただ珍しい毛色の一族だった。見た目で人を判断してはならない。ルッキズムなる言葉もまだ浸透していなかったころ、普通と違う外見を持つものはただただ異形という扱い... 勝木 淳
「名馬」を語る 父パイロへ、そして自身の名へ、果たした「義」。ケンシンコウの現役時代を振り返る 2025年7月21日 ケンシンコウは2025年7月6日、約1年ぶりの出走になったジュライSで右前肢跛行のため競走中止となる。さらにそのまま引退し、種牡馬入りするという一報が飛び込んできた。8歳まで25戦し、4勝をあげ、重賞1勝という戦歴だった。 ケンシンコウの馬名の由来は、越後の龍と謳われた上杉謙信にある。謙信といえば、毘沙門天の化身ともい... 勝木 淳
ニュース・ブログ ニュースコラム ウインズの手練れたちも虜に。横山琉人騎手JRA通算100勝達成によせて 2025年7月4日 2025年6月28日福島6R新馬ダ1150mでセイカミナミホリエを勝利に導き、横山琉人騎手がJRA通算100勝を達成した。初騎乗は2021年3月6日中山1Rオリエンタルメラク14着。初勝利は同年4月10日中山1Rノアファンタジー。100勝まで約5年の道のりだった。 琉人騎手はウインズの手練れたちが愛する騎手の一人だ。な... 勝木 淳
「名勝負」を語る 魂は今も海峡を渡る風のなかに。トーセンスーリヤの函館記念 2025年6月27日 東京から北海道へ向かう交通手段はいくつかある。羽田から新千歳まで空路なら約90分、東京駅から北海道新幹線だと約4時間で新函館北斗へ到着する。馬産地は新千歳、札幌も新千歳、だが、函館なら新函館北斗。これが私の北海道旅。ちなみに函館~札幌間は函館本線の特急北斗号で約3時間50分。北海道は広い。訪れる目的によってそのアプロー... 勝木 淳
「名馬」を語る 蛇行する男と真っ直ぐ駆ける王者。名馬オジュウチョウサンを振り返る 2024年12月20日 人生の傍らに競馬があると、救われることがある。 不思議としんどい想い、手詰まり感に支配されたときだけは馬券が当たる。築地の世界に飛び込み、はじめての年末で泡を食っていたとき、有馬記念でダイワスカーレットから総流しをかけ、アドマイヤモナークが引っかかった。疲れ切って買い目を絞る気力がなかっただけだが、これが当たり馬券を引... 勝木 淳
「名勝負」を語る タケシ、22歳の秋。エフフォーリアと歩んだ秋の盾 2024年10月25日 ウインズ後楽園はJR水道橋駅と東京ドームシティに直結する2階がメインフロアにあたる。軽食をとれるスペースがあり、喫煙所も馬券発売所も備えている。ここから5階へ直通のエスカレータがあり、2階と5階に人が集まりやすい構造だ。このエスカレータは右側を駆けあがっても、駆け下りてもならない。歩いて上がろうものなら、必ず警備員から... 勝木 淳
「名勝負」を語る 目撃者なき衝撃。グランアレグリアのスプリンターズS 2024年9月28日 中山競馬場に通うようになり、四半世紀以上が経った。自宅からもっとも近いJRAの競馬場だったので、もっぱら中央の競馬観戦は中山。東京は今もちょっとした遠征気分だ。馬主エリアにも潜入した。といっても、知り合いの馬主に頼んで、連れていってもらったわけで、決して潜りこんだわけではない。当然、普段ウロウロする2階との空間感の違い... 勝木 淳
「名馬」を語る 北の大地のドリームレース。札幌記念の価値を高めたエアグルーヴ 2024年8月17日 「札幌記念をGⅠに」 名伯楽・伊藤雄二は調教師時代、何度もそんな主張を口にしている。もちろん、自身が夏の北海道滞在を楽しみにしていたという面もあるが、やはり本州より涼しい北海道で長距離輸送をせずに出走できる環境は、馬にとって負担が少ない。馬優先を貫く伊藤雄二が北海道を愛した理由はここにある。いかに馬が気分よく、心身とも... 勝木 淳
「名勝負」を語る 希望の光が放たれたゴール前。ヨカヨカの北九州記念 2024年6月30日 2021年8月22日、雨の小倉に希望の光が降り注いだ。 熊本で生まれたヨカヨカが北九州記念を勝った。熊本産初のJRA重賞勝利。フィリーズレビュー、葵S2着と惜しい競馬が続いていた。あと一歩。されどその一歩が遠い。1.06.4で駆け抜けた小倉CBC賞でさえ5着。どんなに懸命に走っても手が届かない。重賞タイトルは重く、ヨカ... 勝木 淳
「名勝負」を語る 国境を越えた限界突破。その闘志に国籍なし - 2005年アサクサデンエンの安田記念 2024年5月29日 きっかけは2000年安田記念だった。前年暮れの香港スプリントを勝ったフェアリーキングプローンが10番人気の低評価を覆し、優勝。これを機に香港勢の日本遠征が活発になった。日本の競馬ファンにとって、競馬は1年365日全国どこかで開催されているシーズンオフなき競技だが、世界の競馬にはオフシーズンなるものが存在する。香港では4... 勝木 淳