ウインズ後楽園はJR水道橋駅と東京ドームシティに直結する2階がメインフロアにあたる。軽食をとれるスペースがあり、喫煙所も馬券発売所も備えている。ここから5階へ直通のエスカレータがあり、2階と5階に人が集まりやすい構造だ。このエスカレータは右側を駆けあがっても、駆け下りてもならない。歩いて上がろうものなら、必ず警備員から...
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主にネットメディア『SPAIA』、競馬雑誌『優駿』などに寄稿。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ、新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』(星海社新書)
勝木 淳の記事一覧
中山競馬場に通うようになり、四半世紀以上が経った。自宅からもっとも近いJRAの競馬場だったので、もっぱら中央の競馬観戦は中山。東京は今もちょっとした遠征気分だ。馬主エリアにも潜入した。といっても、知り合いの馬主に頼んで、連れていってもらったわけで、決して潜りこんだわけではない。当然、普段ウロウロする2階との空間感の違い...
「札幌記念をGⅠに」 名伯楽・伊藤雄二は調教師時代、何度もそんな主張を口にしている。もちろん、自身が夏の北海道滞在を楽しみにしていたという面もあるが、やはり本州より涼しい北海道で長距離輸送をせずに出走できる環境は、馬にとって負担が少ない。馬優先を貫く伊藤雄二が北海道を愛した理由はここにある。いかに馬が気分よく、心身とも...
2021年8月22日、雨の小倉に希望の光が降り注いだ。 熊本で生まれたヨカヨカが北九州記念を勝った。熊本産初のJRA重賞勝利。フィリーズレビュー、葵S2着と惜しい競馬が続いていた。あと一歩。されどその一歩が遠い。1.06.4で駆け抜けた小倉CBC賞でさえ5着。どんなに懸命に走っても手が届かない。重賞タイトルは重く、ヨカ...
きっかけは2000年安田記念だった。前年暮れの香港スプリントを勝ったフェアリーキングプローンが10番人気の低評価を覆し、優勝。これを機に香港勢の日本遠征が活発になった。日本の競馬ファンにとって、競馬は1年365日全国どこかで開催されているシーズンオフなき競技だが、世界の競馬にはオフシーズンなるものが存在する。香港では4...
競馬には色々な格言、定石というものがある。スローペースなら先行馬。ハイペースなら差し警戒。そんな展開読みから導く優位な位置取りもそのひとつ。そして、展開、つまり流れを読むのは競馬において非常に大切だ。騎手のコメントには「緩い馬場で走りにくそうだった」「もう少し流れてくれれば」といった馬場や流れを敗因に挙げる場合が多い。...
声に出して噛まずに読みたい馬名といえば、元祖はこの馬のような気がする。 「ディアデラノビア」 そして、2002年生まれのディアデラノビアの名は20年以上経っても、必ずと言って良いほどPOGなどで耳にする。つまりは名牝系のひとつということだ。牝系とは奥深さが魅力。脈々とつながっていく一本のラインをたどることは歴史を旅する...
藤岡康太騎手の訃報に際し、謹んでお悔やみ申し上げます。 ウマフリ代表の緒方さんから連絡がきて、私は康太騎手が亡くなったことを知った。先日は高知の塚本雄大騎手の訃報に触れたばかり。なにもそんなに次々と若い命を現世から連れ去らなくてもいいのに。順番が違う。正直、追悼記事を書くかどうか、少し迷った。私のもとにはいくつか似たよ...
20世紀最後の一年、西暦2000年は私にとって苦い一年として海馬に刻まれている。年月を重ね、萎縮が進んだであろう私の海馬は、ウマフリの原稿依頼をきっかけに当時の自分を蘇らせた。 2000年3月、私は大学を出た。中学時代からそこそこの成績を収め、現役で大学に進み、なんとなくとぼとぼと歩み、人生の分岐点を迎えた。大学までは...
「もしも織田信長が本能寺から脱出していれば」 秀吉による豊臣の世は来なかったかもしれない。であれば、今日の大阪の街並みは違った景色になっていただろう。下水を町境とし、下水を挟んで背中合わせに町が整備された背割下水(通称太閤下水)など大阪は東京にはない折り目がある。直線と直角が大好きだった秀吉の痕跡はいたるところにある。...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]夏を越して走りが洗練されたアーバンシックが菊の大輪を戴冠!~2024年・菊花賞~