21世紀の在来牝系 2023年は競馬法制定から100年目にあたる。日本の洋式競馬のはじまりはもっと早く、江戸時代末期、薩摩藩士がイギリス人を殺傷した生麦事件の賠償の一環として、幕府は横浜の根岸にある高台に西洋式競馬場を建設した。これがのちの横浜競馬場だ。日本初の洋式競馬主催団体は大隈重信らが発起人となった日本レース倶楽...
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主にネットメディア『SPAIA』、競馬雑誌『優駿』などに寄稿。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ、新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』(星海社新書)
勝木 淳の記事一覧
2023年7月5日。川崎競馬場で行われたスパーキングレディーCは5歳牝馬レディバグが2番手から抜け出し、南関東代表スピーディキックの猛追をしのぎ、重賞初制覇を達成した。レースが終わった約20分後、X(旧ツイッター)にこんな投稿がされ、競馬ファンをざわつかせた。 https://twitter.com/miraculou...
馬の気持ちがくみとれるわけではないが、勝手に想像してみたりすることはある。ようは妄想に近い。パドックに出てイレ込むのは大勢の人間に囲まれてしまい、緊張して舞い上がっているのではないか。レースが始まる直前、ゲート裏で尿をたすのは、プレッシャーからの一種の逃避だったり、出すものは出して、すっきりした気分で本番に向かおうとい...
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの定番曲でもあるヨハン・シュトラウス二世作曲「美しく青きドナウ」はワルツの名曲として知られている。この曲の誕生には、ハプスブルク家が統治するオーストリア帝国がプロイセンとの戦争に敗北したという背景がある。当時、意気消沈していた国民を鼓舞する曲を作るよう、シュトラウス二世は依頼を受け...
2015年10月25日菊花賞 秋の傾く日差しの中、未知なる距離に挑む若駒たちが一団で駆け抜ける。その馬群のなか、キタサンブラックは懸命に前を追わないように気持ちを静めようと踏ん張っていた。この頃のキタサンブラックは前半で我慢する走りを教え込まれ、いわゆるオーソドックスな競馬を目指した。武豊騎手が表現する「1番手を走る」...
1998年10月26日横浜スタジアム。横浜ベイスターズ-西武ライオンズ 日本シリーズ第6戦 横浜ベイスターズが3勝2敗で日本一へ王手をかけていた。スタジアムに詰めかけた3万人のほとんどが横浜ベイスターズファンというある種、異様な空気だった。そんななか、0-0の緊迫したゲームは8回に動いた。8回表のピンチをこの年、ジャイ...
2023年5月30日12時40分、ナイスネイチャが35歳の生涯を閉じた。 青空のもとで静かに息を引きとり、そよ風に運ばれるように魂は天国へと導かれていった。 競走馬の余生について真剣に考えるようになって久しい。競馬場を去った競走馬はどこへ行くのか。我々競馬ファンがそのことについて想像力を巡らせるのは正しい。しかし、競馬...
取材で厩舎関係者の話に耳を傾けると、自分が知らなかったこと、勘違いしていたこと、わからなかったことに気づき、競馬は、外ラチの向こうとこちらで見える景色がまるで違うことを実感する。共通の体験がない私たちは向こう側を想像する術がなく、多くは勘違いだったりもする。外ラチは単なる白い柵ではない。見えない結界のようなものだ。だか...
NHKマイルCと日本ダービーという変則二冠という発想はマツクニローテとも呼ばれ、2000年代前半のトレンドでもあった。GⅠからGⅠへというローテは現在も主流だが、マツクニローテはそんな主流とは一線を画す。なにせ中2週で日本ダービーに挑むのだ。プリンシパルSと同じ間隔で、それも春のマイル王決定戦を戦っての中2週は今では考...
1999年の競馬について記憶をたどってみる。 最近、書籍の仕事でこうやって昔の競馬について調べる機会が増えた。この頃の私はいわゆる新米競馬ファン。単勝10倍の馬の勝利に「荒れましたね」なんて訳知り顔をしてしまう初心者であり、日曜日のメインレースだけ参加するようなライトな層に属していた。もちろん、記憶がないわけではないが...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]夏を越して走りが洗練されたアーバンシックが菊の大輪を戴冠!~2024年・菊花賞~
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[重賞回顧]秋晴れに輝く2つ目のティアラ 盤石の競馬で突き抜けたチェルヴィニアが二冠達成~2024年・秋華賞~
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[重賞回顧]春の悔し涙は歓喜の涙に。アクシデントを乗り越えたルガルと西村淳也騎手が、復活のGⅠ初制覇~2024年・スプリンターズS~
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[重賞回顧]いざ、菊の大輪へ 鮮やかに逃げ切ったメイショウタバルが復活の重賞2勝目!~2024年・神戸新聞杯~
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[重賞回顧]春の鬱憤を晴らす豪脚で突き抜けたアーバンシックが重賞初制覇~2024年・セントライト記念~
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