「名勝負」を語る 大衆も立ち向かいたくなる風格の予感。 - 2000年阪神大賞典・テイエムオペラオー 2023年3月13日 通算GⅠ7勝。4歳シーズン8戦8勝。 こんなプロフィールの馬は今後もう現れないかもしれない。これこそ伝説というもの。テイエムオペラオーを語る言葉は尽きることはない。そして、オペラオーを語る上でライバルの存在も忘れてはいけない。後半生のライバルがメイショウドトウならば、前半生のライバルはナリタトップロードだ。 天皇賞(春... 勝木 淳
それぞれの競馬愛 表参道から引退競走馬支援を。〜TCC JapanのBAFUNプロジェクトについて〜 2023年3月8日 人生は持ちつ持たれつ。孤独を受け入れ、たった一人でこの世界を歩み続けるのは容易くない。孤独を感じたとき、同時に押し寄せる途方もない絶望感は一人で生きる辛さを本能的に避けるためにある。 人馬の関係もまた同じ。持ちつ持たれつだ。日本人と馬との関係は5世紀ごろに始まったとされる。朝鮮半島を経由して馬はこの国に入ってきた。馬飼... 勝木 淳
それぞれの競馬愛 一歩も二歩も先を行く努力の人。福永祐一騎手の引退に寄せて。 2023年3月5日 JRA通算19497回目の騎乗にあたる2023年2月19日東京競馬第12レース大島特別。 福永祐一騎手はゲンパチプライドに騎乗し、5着。国内ラストライドを終えた。 JRA通算2636勝、国内外あわせGⅠ級は45勝。1999年桜花賞のプリモディーネから2022年マイルCS南部杯カフェファラオまで、輝かしい27年の騎手人生... 勝木 淳
「名勝負」を語る ゴールまで1ハロン。メイショウボーラーから福永騎手へ託されたバトン。 - 2005年フェブラリーS 2023年2月17日 逃げる馬になぜか心が動く。それもただ1頭で群れから離れ、孤独をひた走る逃げ馬に揺れる。 なぜ、そんなに孤独なのか。なぜ、独りぼっちの世界にいられるのか。群れで生活する馬にとって、仲間といることが安心であり、孤独であり続けるのは不安ではないのか。受け入れがたい独りぼっちに進んでなる理由はなんなんだ。私も独りは嫌いじゃない... 勝木 淳
「名馬」を語る ダービー馬になる難しさ、そして古馬との対決…。エフフォーリアの現役時代を振り返る。 2023年2月15日 2023年2月14日。 2日前の京都記念で心房細動を発症し、競走を中止したエフフォーリアの引退が発表された。11戦6勝、GⅠは皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念の3勝。すべて3歳シーズンであげたものだった。その年の年度代表馬は我々に希望と競走馬の繊細で複雑な部分を教えてくれた。 エフフォーリアのデビューは20年夏の札幌。そ... 勝木 淳
「名勝負」を語る 心優しきガルボがくれたプレゼント - 2012年・東京新聞杯 2023年2月3日 バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は日本ぐらいのものらしい。毎年2月にお菓子の売上が落ちることを憂い菓子店が企画したのがはじまりだという。ようは鰻の旬ではない夏に鰻を売ろうと企画した平賀源内的発想と同じだ。ついそんな冷めた面持ちになるのはバレンタインデーに縁遠き人生を送ってきたからゆえのこと。ひがみとひねくれ根性... 勝木 淳
インタビュー [対談]「馬グッズで幸せになれる馬がいるなら…」 - TCC Japan代表 山本高之氏・東映エージエンシー 矢尾板龍行氏 2023年1月19日 「一個人ができることには限界がある」 競馬場を去った競走馬の行く末について考える競馬ファンが増えているとはいえ、どこかでこの点に行き当たる。特別な成績はあげられずとも、夢中にさせてくれた馬はいる。だが、そんな馬の余生をお礼がわりに世話することも、支えることも見守りつづけることも、個人の力では簡単ではない。それでもなにか... 勝木 淳
「名勝負」を語る 男は最後の最後に静かに手綱を緩めた。 早田牧場の名を刻み続けたネヴァブションとAJCC。 2023年1月16日 「天栄」「シルク」「優駿SS」 競馬ファンにとってよく耳するこれらの言葉はその源流をたどると、早田牧場に行き着く。その終焉には必ずしもいいイメージはないが、その昔、競馬界に咲いた花だった事実は間違いない。早田牧場はブライアンズタイムを日本に導入し、同じく海外から連れてきたパシフィカスに交配し、三冠馬ナリタブライアンを生... 勝木 淳
「名馬」を語る [追悼]アグネスフライト - ダービーを勝つために生まれてきたような名馬の蹄跡を振り返る。 2023年1月12日 2023年1月11日。 アグネスフライトが老衰のため息を引きとった。26歳。最後は社台ファームで余生を送っていた。 「ダービーを勝つために生まれてきた」 そんな馬だった。 祖母は79年オークス馬アグネスレディー、母は90年桜花賞馬アグネスフローラ。史上初の親仔3代クラシック制覇を成し遂げた。翌年には全弟アグネスタキオン... 勝木 淳
「名勝負」を語る 振り返れば伝説だった。そんなこともある。 - 2011年シンザン記念・レッドデイヴィス 2023年1月9日 戦後初の三冠馬シンザンには「二足歩行で50m歩いた」「消えたシンザン」など伝説が多い。シンボリルドルフがあらわれる80年代まで「シンザンを超えろ」はホースマンたちの合言葉だった。 戦後競馬界の象徴たるシンザンの名を冠したのがシンザン記念。新春の関西圏を彩る名物重賞だ。3歳限定のマイル戦はクラシックを戦う器かどうかを試す... 勝木 淳