「名馬」を語る モーリス~遅れて咲いた、メジロの大輪~ 2020年5月17日 人がやれていることができず、失敗を繰り返しながら成功する。人生はトライ&エラー。ハナから成功するような人はほんのひと握りであり、大抵の場合、挑戦しては失敗し、そこから学んだことを次の挑戦に生かす。それでも、別の問題で失敗する。生き続けている以上、トライ&エラーは終わらない。 だが、その繰り返しはいつか必ず実を結ぶ。大事... 勝木 淳
「名馬」を語る 万能こそ、最大の武器〜落語でふりかえる、種牡馬・シンボリクリスエス〜 2020年1月19日 とあるところで、八兵衛さんと五郎兵衛さんが立ち話。 五「よお、はっつあん、この前はあんたのかかぁには世話になったな。よろしく言っておいてくれよ。ところでよ、POGの指名、なににすんのよ」 八「おお、ごろちゃん、それなんだけどよ、これにしようかと思ってさ」 五「おっ、どれどれ。あーそいつはいけねぇや」 八「なんでだよ」 ... 勝木 淳
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]第36回フェアリーS(GⅢ)~寒風にも負けず~ 2020年1月16日 船橋市古作は下総台地が立ち上がるところにある。 JR西船橋駅より南は東京湾に面した低地が広がるが、反対側の北は分厚い関東ローム層が作る台地になる。松戸へと広がる下総台地と湾口部の低地との境界上に立地するのが中山競馬場。南北に立つスタンドに対し馬場は東側、パドックは西側にあり、冬は下総台地の北西からなめるように吹く風に馬... 勝木 淳
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]第58回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)~京都巧者の新たなる面~ 2020年1月8日 1月のハンデ戦、京都金杯。 しかし、ここを飛躍のきっかけとして、のちにG1ホースになる馬もいる。 例えば、芝2000mで行われ、名称も「金杯・西」と呼ばれていた時代の、1988年。 タマモクロスが直線の短い京都内回りで、ラストで14頭をごぼう抜きした。 タマモクロスはその後、天皇賞春秋連覇や宝塚記念制覇を達成し、その年... 勝木 淳
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]第36回ホープフルステークス(GⅠ)~よろこびの歌~ 2019年12月30日 ベートーヴェン作曲の交響曲第9番、通称「第九」は彼が最後に作曲した交響曲である。シラーの詞「歓喜に寄す」に曲をつけるという構想は彼が20代前半のころに抱いたものといわれており、その作曲家人生の原点であり集大成であったとされる。第九の第4楽章は「よろこびの歌」として世界中で年の終わりを告げる風物詩となっている。その起源は... 勝木 淳
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]第64回有馬記念(GⅠ)~夢の第11レース~ 2019年12月24日 有馬記念になると、Sのことを思い出す。 もう10年以上前のこと。Sとはアルバイト先だったコンビニエンスストアで出会った。私より年はかなり下で、当時大学生だったSは単位が順調で授業がないときは私が働く日勤のシフトに入ることがあった。 あの頃、有馬記念が近くなると、コンビニでは有馬記念優勝馬のフィギュアが入った玩具菓子が売... 勝木 淳
「名馬」を語る シンボリクリスエス〜21世紀に継ぐ伝統の『シンボリ』〜 2019年12月21日 緑・白襷・袖赤一本輪。 多くのオールドファンは、この勝負服を目にすると、ちょっとだけ背筋が伸びる思いを抱く。 登録者はシンボリ牧場。 野平祐二騎手とともに日本馬としてはじめて凱旋門賞に出走したスピードシンボリ、その野平調教師が手がけた気高き皇帝シンボリルドルフは岡部幸雄騎手を背に、日本競馬史上はじめて無敗でクラシック三... 勝木 淳
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]第71回朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)~5度目の2着~ 2019年12月18日 日本競馬界に七不思議があるとするならば、武豊騎手の朝日杯未勝利は確実にその一つに数えられるだろう。 JRAのGⅠ77勝、記録が追いかけてくるようなレジェンドをして勝てないGⅠ、それが朝日杯フューチュリティステークスだ。 武豊騎手は94年スキーキャプテン、95年エイシンガイモン、98年エイシンキャメロン、15年エアスピネ... 勝木 淳
「名勝負」を語る [平成名勝負]絵になる男〜2011年有馬記念・オルフェーヴル~ 2019年12月17日 2011年は、忘れてはいけない年だ。 3月11日に起こった東日本大震災は、多くの人の運命を狂わせ、日本人の価値観すらを地の底から覆した。 そんな忘れてはいけない年の競馬を締めくくったのは、オルフェーヴルと池添謙一騎手だった。 有馬記念が終わった直後、中山競馬場には雪が舞いはじめていた。 オルフェーヴルとは、フランス語で... 勝木 淳
「名勝負」を語る [平成名勝負]たった一度の好機をつかめ〜2007年朝日杯フューチュリティステークス・ゴスホークケン~ 2019年12月14日 大川慶次郎氏が、日本競馬に『展開』という概念を持ち込んでから、長い年月が過ぎた。 展開やレースの流れというものは、わずかコンマ何秒の世界で大きく変わり、それはコースや距離、馬場状態など様々な要素の上に成り立っている、予測の難しい複雑かつ繊細なものだ。 常に自分の流れになるとは限らず──いや、自分の流れなど訪れること自体... 勝木 淳