宝塚記念……それは春のG1開催を締めくくる伝統のグランプリレースだ。専用のファンファーレによって送り出される精鋭ぞろいの競走馬たちによって、いくつものドラマが生み出されてきた。 例えば、不慮の事故により数少ない世代しか残せなかった父の産駒の代表として、脚部不安を抱えながらも7歳で宝塚記念を勝利した、スズパレード。例えば...
鳥野紗々実
2019世代に魅せられて競馬を見るようになりました、しがない常人でございます。
競馬の楽しさ、面白さなどをお伝えできたらいいな、と思っております。
鳥野紗々実の記事一覧
四月。日に日に春の訪れを感じられるようになるこの月は、何かと新しいことが始まる時期でもある。 学生新入学や新学年、クラス替えなどもあるだろう。社会人であれば転職や転勤、新入社員が加わるような季節でもある。 競馬ももちろん例外ではない。暦によって例外はあるが、原則、この月から『牡馬・牝馬クラシック』が始まる。3歳馬たちに...
スポーツでは時々『復活劇』というものが話題になる。競馬ももちろん例外ではなく、古くはオグリキャップ引退・トウカイテイオー復活の有馬記念や近年ではマカヒキの京都大賞典、ステラヴェローチェの大阪城Sなど、復活劇を演じる馬というものはそれぞれの時代に存在する。今回はそんな復活劇を遂げた馬の1頭……2歳女王の座から長いトンネル...
1934年に「大障害特別」の名で実施された競走に端を発する、障害馬による暮れの大一番「中山大障害」。私が見た、初めての中山大障害は2017年のもの。アップトゥデイトの全身全霊を賭けた大逃げ策に、オジュウチョウサンが真っ向から食らいつく。まさに死闘とも呼べるこのレースに、大いに魅了された。 その時は、まさかこのレースに"...
2020年3月14日。スタンドにひとっこ一人いない、静寂に包まれた阪神競馬場。どこか物寂しいその空間に、レコードの赤い文字を刻みつけた馬がいた。彼の名前はオジュウチョウサン。絶対王者が帰還を告げた、2020年阪神スプリングジャンプについて今回は語らせて頂きたい。 阪神スプリングジャンプは、1999年から施行されている障...
「大団円」という言葉がある。演劇や小説について使用される言葉で、それらがめでたく収まる場面について指すものだ。だが、この言葉は、本の枠を飛び越えて芸能人やスポーツ選手、競走馬の引退の際に使われることもしばしばある。競走馬の引退に絞れば、アーモンドアイやキタサンブラックなどがその例に当てはまるのだろうか。 今回は、長年に...
1860年、現在の横浜市中区元町において競馬が開催された。1984年、中央競馬でグレード制が導入。 競走馬が駆け抜けてきた歴史の中で、数多のライバル対決が繰り広げられてきた。 さて、皆様は、競馬における「ライバル対決」といえば、どの勝負を思い浮かべるだろうか。 同世代のダービー馬と牝馬2冠馬が大接戦を繰り広げ、1.57...
北海道の夏は、短い。 2018年の夏の終わりに行われたその戦いは、短い夏に、鮮烈な印象を焼き付けた。 札幌2歳ステークス。札幌競馬場での、ひいては北海道での中央競馬開催を締めくくるものであり、ひと夏の終わりを告げる伝統の2歳重賞だ。初代勝馬のリュウズキが皐月賞・有馬記念を制したことに始まり、後にダービー馬となったロジユ...
2019年12月21日。ある牝馬の引退式が、冬空の阪神競馬場で行われた。G1一勝馬としては異例の引退式。 その主役の名は、レッツゴードンキだった。 今回は、多くのファンに愛され、大輪の花を咲かせた彼女の半生を改めて振り返ってみようと思う。 レッツゴードンキは2012年4月6日に、北海道の平取町にある清水牧場にて生を受け...
皆さんは「一頭の競走馬」に注目することがあるだろうか?そしてそのきっかけは、どんな瞬間だっただろうか? パドックやレースでの出会いであったり、現役時代追いかけていた馬の産駒や兄妹だったり……人によって、理由は様々だろう。 私がこの馬──スマートオーディンに注目したきっかけは「名前」だった。 スマートオーディンは、201...
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語り継がれし「名馬」たち
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