「名馬」を語る 檜になった黄金の"あすなろ"。オルフェーヴル初年度産駒の皐月賞馬、エポカドーロ。 2023年4月16日 「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」 ──井上 靖. あすなろ物語(新潮文庫) (p.38). 新潮社から引用 2018年2月。雨の小倉競馬場。2歳500万下(現在の1勝クラス)特別戦、あすなろ賞。 偶然か必然か、レース名に冠せら... 枝林 応一
「名馬」を語る ステイフーリッシュ - 競走中止を乗り越え、世界の舞台へ。ステイゴールド晩年の代表産駒として、常識を超え続けた国際派。 2023年3月24日 Man knows so much and does so little.(人間は知りすぎるくらい知っているが、それを実行に移すことはあまりにも少ない)R.バックミンスター フラー(1895-1983) 第57回札幌記念。緩やかな3コーナー入り口でソダシが果敢に先頭に立つ。ブラストワンピースが逃すものかと後を追う。桜花... 枝林 応一
それぞれの競馬愛 あの日のふるえを、わすれない~ユーバーレーベン~ 2023年3月17日 2021年5月23日、15時44分。第82回優駿牝馬。 ステイゴールドとゆかりの馬たちをただひたすらに応援し続けている私。自室の片隅、PCの液晶画面にはSNSとJRAのHPを表示し、デスクの傍らに並べた応援馬ゆかりの5枚の馬券に願いを込めながら、私はもう一方の傍らに置いたスマホで競馬中継を見つめていた。83頭目(※)の... 枝林 応一
「名勝負」を語る [2019年・中山記念]ウインブライトによる連覇、そこから巣立った名馬たちの軌跡を振り返る。 2023年2月27日 春は中山。ようよう狭くなりゆく優駿への道、生き残りをかけて若駒たちは日々凌ぎを削り、おのおの道を究めし名伯楽たちは如月の暮れを以て厩の看板を静かに下ろし、めいめい大望を抱きし若人たちが弥生の明けとともに鞭一本で道なき道を切り拓かんと駆け出してゆく、早春。 時は2019年。 冬と春、結びと旅立ち、そして平成から次の時代へ... 枝林 応一
「名勝負」を語る 「最後」の舞台、授けられた翼 - 2007年中日新聞杯・サンライズマックス 2022年12月11日 冬が、来た。キン、と冷えた外気が、頬を刺す。首を竦める。用事を済ませてまっすぐ帰宅の途に就く。帰ったら息子とのプロレスごっこが待っている──。 2022年の冬も、雪の出脚が遅い。 昨冬も初雪は遅かったが、その分をじっくりため込んだ32秒台の末脚を爆発させたが如きドカ雪が幾度も襲い、街は止まった。そして中山の大生垣が如き... 枝林 応一
「名馬」を語る クロコスミア~名は体を表す~ 2022年11月12日 競馬ファンになると、競馬そのもの以外にも意図せず自然に身につく知識がたくさんあると、個人的には思っている。 例えば「的場」「南井」「池添」「御神本」「張田」そして「武」といった、なぜか競馬関係者に特に多いように思われる珍しい苗字があげられる。 そして、レース名に冠せられている「皿倉山」「開成山」「五頭連峰」といった地元... 枝林 応一
「名馬」を語る アルコセニョーラ - いつも笑顔をくれるタフなステイ牝馬 2022年9月10日 もう「アラフォー」を名乗れるタイムリミットが近づいてきた私。 最近はなんだか涙腺が緩みやすくなっているらしく、これも齢のせいか、と感じることが多い。 参観日で真っ直ぐ手を挙げて真剣に黒板を見据える子の姿にこみあげ、このご時世で久方ぶりに会った老父が急に小さくなったように見えてはこみあげ、TVロードショーで身軽になったラ... 枝林 応一
「名馬」を語る オーシャンブルー~七つの芝、七つの勲章~ 2022年8月23日 七つの海(ななつのうみ) the Seven Oceans南・北太平洋、南・北大西洋、インド洋、南極海(南大洋(なんたいよう))、北極海の七大洋をいう。(後略)出典小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) 2006年・菊花賞で英雄ディープインパクトに三冠を取らせまいと最後まで食い下がったアドマイヤジャパンが、穏やかな眼差し... 枝林 応一
「名馬」を語る アドマイヤリード - 唸る豪脚、迸る根性 2022年5月15日 2022年……すでにこの世を去ってから7年が経ったというのに、現役最年少が7歳世代だというのに、ステイゴールドの直仔が国内外で躍動。現役時代からステイゴールド一筋四半世紀になんなんとする(多くのステイゴールドファンの皆様の末席を汚させていただいている)私にとって、これは夢かと頬をつねり上げる日々である。 4月の中山グラ... 枝林 応一
「名馬」を語る マイネレーツェル~いくつもの逆境を越えて~ 2022年3月13日 『競馬の楽しさを、すべての人へ』をモットーとして、馬券予想を掲載せずに運営されている競馬ポータル『ウマフリ』をご覧の皆さんであれば、おそらくその多くがターフを、砂上を駆けるサラブレッド一頭一頭に尊敬と愛情あふれる温かい眼差しを投げかけていらっしゃることだろう。そして、そのお一人お一人に「推し馬」がいるに違いない。 ──... 枝林 応一