ブログ・手記 [連載・馬主は語る]これから絶対に良いことありますから(シーズン1-36) 2022年4月14日 2021年11月18日の朝、「014」から始まる番号からの着信履歴が僕の携帯に残っていました。日高の関係者からかなと思いつつ、忙しくて折り返しもできずにいると、今度は碧雲牧場の長谷川さんの携帯から電話がかかってきました。嫌な予感というか、良い予感はしなかったのですが、電話を受けると、「おはようございます!」と元気な声が... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]もし未来が分かっているとすれば(シーズン1-35) 2022年4月8日 キーチャンスを手に入れるチャンスを失ったことで燃え尽きたというか、もうしばらくはサラオクで馬を買おうとは思わないだろうなと感じていましたが、ある日から突然、サラオクで今どんな馬が取り引きされているのか気になり始めました。競り負けしたものの、あの時の高揚感が忘れられないのか、暇を持て余しているのか、それとも寂しさを紛らわ... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]ほんとうに、これだけの差。(シーズン1-34) 2022年3月31日 僕と全く同じことを考えていた人がいたようで、サラブレッドオークションの画面を更新してみるとrabikichi5さんが251万円で入札していました。入札金額を入力している瞬間にも入札額が上がっていくのがサラブレッドオークションの難しいところです。実際のセリ市であれば、価格が上がっていく周りの状況が分かりますので、知らない... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]サラブレッドオークション事務局からの号外(シーズン1-33) 2022年3月24日 僕がダートムーアの花婿選びに空想を膨らませていると、サラブレッドオークション事務局から号外のメールが届きました。サラオクのアカウントをつくっていると届くみたいですね。タイトルは「岩手競馬所属の即戦力3歳牡馬キーチャンス号が出品されます!」。どこかで聞いたことのある馬名だと思い、調べてみると、何となんと永田厩舎の管理馬で... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]母の父クロフネ(シーズン1-32) 2022年3月17日 ダートムーアの血統は、どうしても祖母のダイナカールであり、エアグルーヴの全妹に当たる母カーリーパッション、全兄のフラムドパシオンのインパクトが強く、もちろんそれが売りでもあるのですが、母の父クロフネという血統構成もまたストロングポイントのひとつです。ダートムーアを手に入れるずいぶん前から、「母父クロフネは良い」とあちこ... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]無口(シーズン1-31) 2022年3月10日 繫殖牝馬セールの余韻が冷めつつある中、碧雲牧場から荷物が届きました。「治郎丸さんにとって初めての繫殖牝馬ですから、記念に無口(むくち)を送りますね」とあらかじめ長谷川さんからメールが入っていたので、封を開ける前から中身は知っていました。それでも、実際にダートムーアが着けていた無口を手に取ると、重いような軽いような。そこ... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]僕はそこにいる(シーズン1-30) 2022年3月3日 すっかり解放感に包まれながら会場に戻ると、そろそろ未供用馬のセリが始まろうとしていました。僕が候補に挙げていた、アメリカンウェイクやエトワールがどのような評価を受けるのか、今後のためにも知っておきたいと思いました。50番のアメリカンウェイクが登場するとすぐに声が掛かり始めましたが、意外にも上がるペースが遅く、裏側から1... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]僕が僕を超えた瞬間(シーズン1-29) 2022年2月24日 ここから先の展開は、僕自身が僕を超えた瞬間でもあります。何秒間考えたのか覚えていませんが、「もうありませんか?」と振り下ろされようとしているハンマーを見つめながら、僕は「700万円」の手を挙げたのです。 700万円であれば何とか用意できるという計算や見栄もあったと思います。せっかく下村獣医や長谷川さんたちに付き合っても... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]真空地帯を逃さない(シーズン1-28) 2022年2月17日 ついにセリが始まりました。1番の繫殖牝馬が登場すると、あっという間に価格が上がっていき、1000万円の大台に乗りました。目の前で1000万円単位でやり取りが生まれている空間に入り込んでしまうと、もう普段の生活で使っているお金とは別の通貨が動いているような不思議な感覚に陥ります。10円安いお茶を求めて隣の自動販売機に移動... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]下見(シーズン1-27) 2022年2月10日 いよいよ決戦の日の朝。碧雲牧場の長谷川慈明さんが空港まで車で迎えに来てくれて、同乗させてもらいノーザンホースパークに向かいました。実は長谷川さんと会うのは2、3年ぶり。相変わらずの明るい性格で、まるで昨日も会っていたような雰囲気に。僕たちが馬の話をし出すと止まりません。車中も今日のセリのことでもちきりです。気がつくと、... 治郎丸敬之