![[旅打ち]香港競馬を楽しみ尽くしてきた。](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2025/01/シャティン・香港カップ直後.png)
香港国際競走やクイーンエリザベス2世カップなど、魅力あふれるレースが多数開催されている香港競馬。
私が初めて香港に出張で行ったのは、もう20年も前のことでした。魅力的な観光スポットが多い香港ですが、競馬が趣味の私は、出張の度に余暇の時間は観光そっちのけで競馬場を訪れました。また、ルーラーシップが香港遠征しクイーンエリザベス2世カップでGⅠ初優勝を遂げた2012年には香港に駐在し、毎週のようにハッピーバレーやシャティン競馬場に通っていたものです。
帰任後も度々出張や旅行で香港に行く機会はあったのですが、コロナの後は行けていませんでした。しかし、去年の12月、ジョッキーズチャンピオンと香港国際競走が開催される日にあわせて、久々に香港に行ってきました。今回はその道中をご紹介するとともに、香港競馬の楽しみ方をご紹介していきたいと思います。
まずは競馬場近くに予約してあったホテルまで向かいます。空港から市内へはバスで移動したのですが、翌日開催の『インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ』の看板が見え、否が応でも気分が盛り上がってきました。

ホテルに到着後、休憩もほどほどに、すぐに街に出ました。
競馬新聞を買いに行きましょう!

香港在住時代には、いつもこのようなニューススタンドで競馬新聞を買っていました。
昔を懐かしみつつ、物色です。

昔から使い慣れているのが、『新報馬簿』という冊子型の競馬新聞です。
まだ売っていて、良かった。ただ、定価が10香港ドル上がり、35香港ドルでした。
そういえば、路地を一本入ると、少し値引きして売っていたりもするのを思い出しました。
そこで、裏通りに入ってみると…
…ありました。3ドルの値引きです(笑)。

日本円にすると60円ほど安いだけとはいえ、値引きは嬉しいものです。
競馬新聞をゲットし、腹ごしらえしながら馬券検討しました。
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フォートレスヒル(炮台山)の場外馬券売り場のすぐ近くの食堂「黄金冰室」で昼のセットメニューから唐揚げとポテトフライ、アイスコーヒーを注文。
なんの根拠もないのですが、場外馬券売り場の近くの食堂は旨い、という謎のセオリーを持つ私。ここの唐揚げは外カリカリ、肉はジューシーで美味しかったです。
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この日開催されていたジョッキーズチャンピオンには、日本からも川田将雅騎手が参戦。抽選で当たった馬の近走成績はどうも芳しくないな…と、馬柱を見ながら残念な気持ちに。
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馬柱のレイアウトなどは昔と変わっておらず、読む上での理解は問題ないのですが、それと予想の難度はまた別の話です。
香港競馬は血統や騎手が馴染みが薄く、しかもほぼ全レースがハンディキャップレースの為予想難度は非常に高い!
予想が煮詰まったので、この後、以前通っていた場外馬券売り場に行ってみました。
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中に入ると隅のグッズ販売スペースにぬいぐるみが並んでいました。
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ぜひ、馬券を当ててなんとかゲットしたいところです。特に、ロマンチックウォリアーは今回の旅打ちのメインターゲット。
ぬいぐるみを見ていると、売り場のおばさんが話し掛けてくれました。
昔この売り場によく来ていたと言うと、「日本から川田将雅という騎手が来ますよ」と言うので、「知ってます」と答えました。
「明日は勝ちまくると思うよ」と言いたくなったのですが、ぐっと抑えました。(あまり騎乗馬に恵まれていない気がしましたので…)。
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さて、翌日の夜、まずは今回の旅打ちのメインイベント第一弾、『インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ』が開催されるハッピーバレー競馬場へ。
地下鉄と徒歩で行くのもいいのですが、トラムも雰囲気があって好きです。

トラム終点からは競馬場の外壁をぐるりと回り、スタンドの方向へ少し歩くと入り口に到着。

香港のリーディングジョッキー、ザカリー・パートンや、各国から招待された一流ジョッキーのパネルがお出迎え。




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ハッピーバレー競馬場のナイター競馬はいつも華やかですが、さすが年に一度の一流ジョッキーが腕を競う祭典だけあって、非常に混雑していました。

私は、ハッピーバレーの眩く輝くクリーム色のスタンド、夜空に浮かぶマンション群、鮮やかな芝生コース、というこのコントラストがとても好きです。

コースが近く迫力満点!
レースの合間には、DJショー、ミニライブ、そして参戦騎手紹介のセレモニーがありました。


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『インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ』ですが、4レースでの獲得ポイント数で競われ、この日は人気薄の馬もばんばん上位に持ってきたフランス代表のバルザローナ騎手が見事優勝しました。

川田騎手は未勝利に終わり、残念。応援馬券、買っていたのですが…。
日本から応援に来たと思われるファンから、「カワダさ〜ん!」という声も聞こえていました。
最終の第9レースを前に、私は競馬場を出て、外壁に沿って向正面側に回りました。実はハッピーバレーの壁は低いので、向正面のコース外側から観戦する事ができるのです。


こんな具合です。
私はいいカメラを持っていないのでろくな写真が撮れていませんが、同じ位置から望遠カメラで撮影している『撮影ガチ勢』の香港の方もいました。
今になって少し後悔しているのは、その方に話しかけて仲良くなっておけば良かったな、ということ。きっと、あの位置からたくさん美しい写真を撮っている筈。次回、チャンスがあったら話しかけてみたいです。
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前半のメインイベントが終わりました。
週末の『香港国際競争』まで余裕があるので、ハッピーバレー競馬場隣接の『香港競馬博物館』にも足を運びました。



香港競馬の歴史に興味がある方にはぜひお勧めしたいスポットです。
1846年のハッピーバレー競馬場建設から始まり、現在の隆盛をどのように築いたのか、香港競馬の歴史がパネル展示されています。
歴史パネルの他に、書籍、著名馬の剥製、骨格標本、昔のマークシート、レーシングプログラム、ジョッキークラブ会員バッジなど貴重な資料が並び、時が経つのを忘れてしまうほど楽しめます。
ギフトショップも併設されており、私はゴールデンシックスティーぬいぐるみ付きキャップを買ってしまいました。

また、ハッピーバレー競馬場は開催日以外は開放されており、向正面側にある入り口から地下道を通り内馬場に入る事ができます。
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博物館の歴史パネルにも説明があったのですが、香港競馬は売上の剰余金を慈善団体に寄付したり、地域の様々なプロジェクトに資金提供し、市民生活の向上に貢献してきたそうです。
競馬開催のない日には内馬場のジョギングコースやサッカーグラウンド、ホッケーグラウンドが市民の憩いの場になっており、香港市民にとって、競馬・競馬場は生活に潤いを与えてくれるものなのだろうなと感じながら散策しました。

日曜日、いよいよ『香港国際競走』の日となりました。
漢方茶で栄養補給、おやつにマッシュルームチキンパイを仕入れ出陣。


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シャティン競馬場の最寄駅は、「馬場駅」なのですが、隣駅の「火炭駅」から地元の競馬ファンに紛れて向かうのも気分が盛り上がります。



今や日本の競馬ファンにもお馴染みとも言えそうなシャティン競馬場は、ハッピーバレーと比べ広々としていて、日本の競馬場に雰囲気が近いと思います。

コースに近いこのシートはかなり居心地が良いです。
G1開催日というのに、意外と空席があり助かりました。個人的な印象ですが、香港の競馬ファンはそれほど場所取りに固執しない気がします。
また、コースからスタンドを通ってパドックまでの距離が近いのも嬉しいところ。
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かなり余裕を持って、香港ヴァーズ、香港スプリント、一つレースを開けて香港マイルと、パドックを見て、馬券を買い、レースも見晴らしの良いポジションで観戦する事ができました。



そして私の最大の目当てだったロマンチックウォリアー。

見事に香港カップ三連覇を達成!
印象的だったのが、先頭集団が最終コーナーを回ってくるタイミングでロマンチックウォリアーの姿が見えると、隣にいた香港UMAJOが「ロゥマンヨンシ〜! ほ〜っ!!」と吠えていて、妙に感動してしまいました。
香港のファンにとって、本当にヒーローなんだなと感じた一場面でした。


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馬券の方は、香港カップで四連単を惜しくも取り逃すなど、マイナスに終わりました。
しかし、こうなるだろうと見越して、ロマンチックウォリアーのぬいぐるみキーホルダーはすでにハッピーバレーのレース前に買っていたのでした。

最後に、シャティン競馬場から駅への道の1シーン。

うなだれているように見えるリュックの親父さんに、「よう、来てたの?」と明るく話しかけるスーツの親父さん。
(負け組と勝ち組かな?)と、勝手に妄想する私。オケラ街道は、日本も香港も似たような景色なのでした。