![[インタビュー]アオラキ、笠松の移籍初戦を終えて。笹野調教師が語る手応えと課題](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2025/08/IMG_0849-scaled.jpeg)
2025年8月13日、白毛馬アオラキが笠松に移籍して初めてのレースを迎えた。
SNSやニュースサイトで多く取り上げられる注目の一戦。結果は6着と敗れたが、SNSでは「まだ移籍初戦」という声も散見された。果たして現場はアオラキの移籍初戦をどう捉えたのだろうか。今回はアオラキを管理する笠松・笹野博司調教師に初戦の手応えを伺った。

──アオラキの移籍初戦が終わりました。プラス17キロでしたが、体調はいかがでしたでしょうか。
笹野調教師:高知から到着したときは少し痩せていたので、今回はしっかりと馬体重を戻すところから始めました。数字上は17キロ増でしたが、それほど太さは感じませんでしたし、牡馬ですから適性体重くらいかなと思っています。追い切りの動きもよく、期待値はかなり高かったです。暑さに弱いところが見られたので、レース前の懸念点はそこでしたね。
──鞍上は、厩舎所属の渡辺竜也騎手でした。
笹野調教師:ウチの厩舎からは2頭出したのですが、騎手に「どちらに乗る?」と聞いたところ「アオラキに乗りたい」と。攻め馬では乗っていましたし、レース前の追い切りでも追い切り相手に乗ってその走りを見ていましたから、その実力も知っての判断かと思います。

──アオラキの走りに手応えは感じましたでしょうか。
笹野調教師:良いスタートが切れたこと、3番手で競馬できたことは収穫ですね。笠松の場合は前にいた方が結果が出るケースが多いので、第一関門突破という気持ちです。ただ、アオラキにとって今回の1400m戦はこれまでも結果が出ていない距離でしたし、そこはちょっと可哀想でした。
──もう少し距離は延びた方が良さそうということですね。
笹野調教師:そうですね、もっとゆったりした方が向いているのは間違い無いです。同じペースで走るタイプで持久力勝負が得意なので、1400m戦のように向正面でピッチが上がるレースは苦手なようです。もう少し末脚を磨ければ、そういった点も克服できるとは思います。
──レース後のアオラキの様子を教えてください。
笹野調教師:暑さによる疲れはありましたが、ひどく消耗しているような感じはありませんでした。トモの緩さから右の飛節をぶつけていましたがあくまでちょっとした外傷であり今後に影響があるようなものではありません。問題なく移籍初戦を終えられました。

──今後についての期待はいかがでしょうか。
笹野調教師:追い切りは本当に良いですし、変わらずに期待値は高いです! 以前、笠松で勝っていた頃の末脚を取り戻していきたいですね。精神面ひとつで取り戻せそうな雰囲気もありますので、しっかりとケアしていきたいです。あとは、間違いなく涼しくなってきてからが良いと思いますので、秋から冬にかけても楽しみですね。
──アオラキの出走で、多くのアオラキファン・白毛馬ファンが競馬場に来場しました。
笹野調教師:競馬場に足を運んでいただけるのは嬉しいです。ファンが多くいらっしゃっているのは関係者目線でもわかりました。SNSなどでもアオラキの名前を多く見かけたのも有り難かったです。2戦目、3戦目と続いていきますので、この勢いを維持していければと思っています。

──『名馬コレクション 純白の奇跡』でもアオラキについて語っていただきました。改めて、アオラキの魅力を教えてください。
笹野調教師:『名馬コレクション 純白の奇跡』は面白く読ませてもらいました。やはり白毛は珍しい毛色ですから、色々な写真や文章で楽しめて良い一冊だと感じました。アオラキの魅力は『自分がどんな存在かをわかっている』というところかと思います。人に慣れていますし、写真を取られる時にしっかりとポーズをとってくれます。きっとこれまでたくさん可愛がられてきたんだなと思います。今後も活躍を目指して頑張ってケアしていきたいと思います! 応援、よろしくお願いいたします。
写真:@pfmpspsm、笹野厩舎スタッフの皆様
■白毛ファン待望の「白毛本」が大好評発売中!
ソダシ、ハヤヤッコ、アマンテビアンコ、マルガ──そしてゴージャスやアオラキなど、近年多くの白毛馬たちが競馬界を盛り上げている。そんな白毛馬たちの魅力をまるごと詰め込んだ一冊『名馬コレクション 純白の奇跡』が大好評発売中。ハクタイユーからシラユキヒメ一族、さらにはゴージャス・アオラキといった最近の白毛血統まで、白毛馬たちを徹底的に取り上げた書籍となる。その美しき純白の名馬たちを心の底から堪能できる一冊だ。
※本コラムは書籍未収録です
■巻頭は国枝調教師が語るハヤヤッコとの日々
巻頭 国枝栄調教師インタビュー
最後に出会った白毛馬との9年間
- 取材・文 和田章郎
第1章 シラユキヒメ一族 part1
ソダシ ”純白の奇跡”を体現したスーパーアイドル
マルガ デビュー前から話題沸騰したニューアイドル
ハヤヤッコ 愛され続けた、速くて白いタフネス
ユキチャン 白毛旋風の先駆けとなった砂上のヒロイン
アマンテビアンコ ダート競馬の新章を刻んだ白き新星

第2章 シラユキヒメ一族 part2
シラユキヒメ 日本競馬に白毛を定着させた一族の祖
ブチコ おてんば娘から偉大な母へ
シロニイ 碧眼のイケメン兄さん
マイヨブラン、カルパ、エクラドネージュ、シュネーグロッケン、スーホ ほか
第3章 輝き続ける白毛血統
ハクタイユー 一族(ハクホウクン、ハクバノデンセツ・ハクバノスケなど)
The Opera House 一族(アオラキ、スノーエルヴァなど)
マダムブランシェ 一族(ユキンコ、デルマイダテンなど)
サトノジャスミン 一族(ゴージャス、ジャジャミンなど) ほか
第4章 白毛を愛する人々
ヤシ・レーシングランチ代表が明かす・ゴージャス育成秘話
アオラキ 新天地での挑戦 笠松・笹野調教師インタビュー
ナリタファームで過ごす 白毛馬たちの幸せな日々 ほか

【特別寄稿】『私と白毛』
矢野吉彦さん(フリーアナウンサー/競馬評論家)
木津信之さん(日刊ゲンダイ記者)
栗林さみさん(フリーアナウンサー)
一瀬恵菜さん(競馬大好きタレント)
和田稔夫さん(週刊Gallop記者)
太田尚樹さん(日刊スポーツ記者)
第5章 白毛を知る
白毛を科学する
世界の白毛事情
白毛馬たちの第二ステージ ほか

書籍名 | 名馬コレクション 純白の奇跡 |
---|---|
監修 | ウマフリ |
発売日 | 2025年08月5日 |
価格 | 定価:2,980円(税込) |
ページ数 | 96ページ |
