[新馬戦回顧]メイクデビューの勝者達 - 2022年8月13日・14日

8月に入り、2020年産駒達の新馬戦も早くも70戦以上が終了。
ここでは先週開催された新馬戦で、世代全体のうち3割前後しか勝ち上がることができない狭き門を突破した2歳馬達をご紹介していきたいと思います。

2022年8月13日(土)

札幌5R 芝1500 曇・良 14頭

アースビート

牝馬
サトノクラウン×タイキマロン
母の父:ファスリエフ
所属:美浦)伊藤圭三厩舎
生産:ビクトリーホースランチ
鞍上:小林凌大騎手
442㎏ 4番人気 4枠5番

ミッキーアイルの半妹マヴォロンテを始め、シャルラハロート、コスモフーレイと重賞勝ち馬の半妹3頭が参戦。さらにウマ娘登場キャラと同名のハッピーミークが出走したことで、多くの注目を集めた札幌5レース。
勝ち星を挙げたのはサトノクラウン初年度産駒アースビートでした。

鞍上の小林騎手が「良すぎるくらい」と語ったほどの好スタートを決めたアースビートは、そのまま勢いでスッと先頭に。最後は1番人気シャルラハロートがアタマ差まで迫りましたが、ゴールまで先頭を譲りませんでした。

勝ち時計は1分31秒1。
大樹ファームはこの世代の所属馬初勝利。
今後も『大地を震わすような』活躍に期待です。

小倉5R 芝1200 晴・良 14頭

メイショウコギク

牝馬
サトノクラウン×メイショウミソラ
母の父:ハーツクライ
所属:栗東)南井克巳厩舎
生産:富田牧場
鞍上:和田竜二騎手
424㎏ 1番人気 7枠12番

「メイショウ」の冠名で知られる松本オーナーが今年の新馬戦初勝利を挙げました。
一番人気に推されたメイショウコギクは、外枠から悪くないスタートを決めると抜群の二の脚で一気に先頭へ。
4コーナー付近では一度並びかけられるものの直線に入ってからは差を広げる一方で、2着ニシノコウダイに6馬身差をつけました。

勝ち時計は1分08秒6。
物見をしていてまだ余裕もありそうだったとのことで、次走予定のG3小倉2歳Sでの走りも楽しみです。

新潟5R 芝1600 曇・良 17頭

エナジーチャイム

牝馬
エピファネイア×カリンバ
母の父:ルーラーシップ
所属:美浦)手塚貴久厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:C.ルメール騎手
416㎏ 2番人気 2枠4番

7月は海外渡航していたC.ルメール騎手が、6月末以来の新馬戦勝利をあげました。

好スタートを決めたエナジーチャイムは、積極的に前に立ち、楽な手応えで先頭に。
直線に入ると外から1番人気ショウナンアレクサが猛然と追い込んできましたが、物見をしていたというエナジーチャイムはこれでかえってギアが入り、併せ馬の形のままアタマ差で逃げ切りました。

勝ち時計は1分34秒8。
小柄な身体で素晴らしい勝負根性を見せてくれたエナジーチャイムについて、ルメール騎手は1400mでも良いと見立てているようで、今後もスピードを武器に活躍してくれそうです。

新潟6R 芝1400 曇・良 18頭

ハーエクセレンシー

牝馬
ダイワメジャー×ハーエミネンシー
母の父:Successful Appeal
所属:美浦)大和田成厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:石橋脩騎手
412㎏ 4番人気 6枠12番

函館2歳Sなどを制覇しているビアンフェの半妹エメイヴェイモンらが名を連ねた、新潟6レース。
勝利したのはこれが今年の新馬戦4勝目となりました社台レースホースの所属馬ハーエクセレンシーでした。

アメリカで9ハロン(約1800m)のG1クイーンエリザベス2世チャレンジカップステークスを勝っている母を持つハーエクセレンシー。好スタートを決めると先頭集団のすぐ後ろで折り合い外目から徐々に前へ。
直線に入った時点で7頭ほどが前にいましたがこれを大外から一気に差し切っていきました。

勝ち時計は1分24秒0。
距離もまだ持ちそうで母のような活躍に期待の1頭です。

また、このレースでは馬場入場後に3番フレンドローズが右前肢跛行を発症し競走除外。軽症であることを願っています。

2022年8月14日(日)

札幌5R 芝1800 曇・稍重 11頭

アスクメークシェア

牡馬
ロードカナロア×ディープインアスク
母の父:ディープインパクト
所属:栗東)藤原英昭厩舎
生産:ASKSTUD
鞍上:吉田隼人騎手
484㎏ 2番人気 8枠10番

2018年の京王杯2歳Sを制覇しているファンタジストの全弟アスクメークシェアが新馬勝ちを決めました。

8枠からスタートし二の脚を発揮して馬群中団へ。
内でジッと我慢して直線に入ると鋭く伸びていき、大外から抜け出しを狙った1番人気エンライトメントにアタマ差で先着しました。

勝ち時計は1分53秒3。
センスの良さと素質の高さを見せてくれた上で良くなるのはまだまだ先とのことで、秋以降どのような活躍を披露してくれるか楽しみです。

小倉5R 芝1800 晴・良 13頭

バルサムノート

牡馬
モーリス×エピセアローム
母の父:ダイワメジャー
所属:栗東)高野友和厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:C.ホー騎手
488㎏ 1番人気 4枠4番

香港の名手ホー騎手が1番人気に応え新馬戦初勝利です。

重賞2勝の母を持つ良血馬バルサムノート。好スタートを決めると、積極的な競馬に定評のある鞍上に軽く促され3番手へ。
徐々に進出し直線に入ると残り200mで鋭く伸びていき、2着馬ヴェルテンベルクを半馬身抑え勝利しました。

勝ち時計は1分49秒6。
着差以上に余裕があり、2021年4つのG1を勝っているホー騎手をして重賞級と言わしめた走り。
社台グループオーナーズに注目の1頭が誕生しました。

新潟5R 芝1800 曇・稍重 15頭

ヒシルリアン

牡馬
キズナ×スカイフ
母の父:Siyouni
所属:美浦)宮田敬介厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:戸崎圭太騎手
490㎏ 3番人気 3枠5番

2019年のスプリンターSなど1200m〜1600mを舞台に活躍した名馬タワーオブロンドン。その半弟サスツルギが人気を集めた一戦となりました。

レースが始まると、3番人気ヒシルリアンは悪くないスタートを切ると積極的に前へ行き先頭集団を形成。
直線に入り抜け出すと、まずはエイシンレジュームとの競り合いを制し、更に外から追い込んできたマイネルモーントを半馬身差で退け、新馬勝ちを決めました。

勝ち時計は1分50秒8。
緩さの残る中で勝ち上がりを決めたということで、この後は焦らず秋まで成長を促して東京を目指すとのこと。

順調なら2歳重賞やその先のクラシックも視野に入ってくるでしょうか。
10月が楽しみです。

以上、今週のメイクデビュー勝ち馬7頭を見ていきました。

この仔達がこれからどのような成長を見せてくれるのか、また今週末の新馬戦ではどんな仔達がデビューしてくるのか、週末を楽しみに待ちたいと思います。

写真:よぴ@UMAYOPI、かずーみー

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