[新馬戦回顧]メイクデビューの勝者達 - 2022年8月27日・28日

8月も最終開催が終わり、2020年産駒達の新馬戦も90戦以上が終了。
ここでは先週開催された新馬戦で、世代全体のうち3割前後しか勝ち上がることができない狭き門を突破した2歳馬達をご紹介していきたいと思います。

2022年8月27日(土)

小倉5R 芝2000 晴・良 9頭

スカパラダイス

牡馬
シルバーステート×ファミリーソング
母の父:グラスワンダー
所属:栗東)寺島良厩舎
生産:ヒカル牧場
鞍上:今村聖奈騎手
454㎏ 3番人気 2枠2番

2017年の新潟大賞典を勝っているサンデーウィザードの半妹、インクルードダイヤが登場したこの週最初の新馬戦。
勝ち上がりを決めたのはこれで今年の新馬戦3勝目となったシルバーステートの産駒、スカパラダイスでした。

二の脚があまりつかず後方からのスタートとなったスカパラダイスでしたが、ペースが遅めとみると残り1000m付近から進出を開始。
4コーナーでは早くも先頭に立ち、そこからはターフビジョンを物見する幼さも見せつつ後続を寄せ付けませんでした。

勝ち時計は2分02秒9。
今年ルーキー離れした好騎乗を何度も見せている今村聖奈騎手とともにこれからどんな成長を見せてくれるのか、楽しみなコンビの誕生です。

札幌5R ダ1700 曇・良 7頭

ペリエール

牡馬
ヘニーヒューズ×ソフトライム
母の父:フジキセキ
所属:美浦)黒岩陽一厩舎
生産:チャンピオンズファーム
鞍上:福永祐一騎手
474㎏ 2番人気 6枠6番

2021年のセレクトセールで2億2千万(税込)で落札されたJustifyの初年度産駒ユティタムが1倍台の1番人気に推されたレースでしたが、勝ち上がりを決めたのはサマーセールで1100万円で落札されたこのレースの2番人気ペリエールでした。

好スタートから積極的に先頭集団につけると、3-4番手から外目を回りながら徐々に前へ。
残り400mでトップに立つと直線に入り更に加速し、最後は3馬身半差をつけての快勝でした。

勝ち時計は1分45秒7。
福永騎手がレース後楽しみな素材と評しており、今後の伸びしろに期待です。

新潟5R 芝1800 曇・良 13頭

フライヤートゥルー

牡馬
リアルスティール×アンジュエ
母の父:アグネスタキオン
所属:栗東)橋口慎介厩舎
生産:土居牧場
鞍上:坂井瑠星騎手
462㎏ 3番人気 7枠10番

坂井瑠星騎手が、今年の新馬戦初勝利を挙げました。

ハナを切ることもできそうな好スタートから3番手で折り合いレースを進めたフライヤートゥルー。残り300mほどで2着馬マンマリアーレとの叩き合いを制すると、そのままスッと抜け出し、最後までしっかり伸びて1と1/4馬身差をつけて勝利しました。

勝ち時計は1分50秒2。
この世代の仔が初年度産駒になるリアルスティール産駒にとって今年の新馬戦2勝目となります。
真面目な性格ということで操縦性も高く、距離もまだ持ちそう。
半姉レーヌブランシュはダートで活躍していて、幅広い活躍に期待の1頭です。

新潟6R 芝1600 曇・良 18頭

デインバランス

牝馬
エピファネイア×ナッシングバットドリームズ
母の父:Frankel
所属:栗東)杉山晴紀厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:戸崎圭太騎手
476㎏ 3番人気 1枠2番

アパパネの5番仔アスパルディーコが登場、1番人気に推された新馬戦。
勝利を挙げたのはこれで今年の新馬戦2勝目となった杉山厩舎の管理馬デインバランスでした。

内枠から好スタートを決めたデインバランスは先行集団でレースを進めますが、直線に入る頃にはややポジションを後方へ。
伸びきらず難しいかと思われましたが内に進路を見い出すとグッと加速し先頭争いに名乗りをあげ、残り200mを切ったところで再加速。
見事な末脚で先行していたシロノクミキョクをクビ差で差し切り勝ち上がりを決めました。

勝ち時計は1分37秒5。
ワイルドワンダーやイルーシヴパンサーのオーナーである草間庸文オーナーはこの世代の新馬戦初勝利。
新たな大物候補誕生となるか、現時点で未定という次走にも注目です。

2022年8月28日(日)

小倉5R 芝1800 晴・良 10頭

コナコースト

牝馬
キタサンブラック×コナブリュワーズ
母の父:キングカメハメハ
所属:栗東)清水久詞厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:鮫島克駿騎手
472㎏ 1番人気 3枠3番

清水久詞厩舎のキタサンブラック産駒が新馬戦勝利を決めました。

一時は先頭に立つほどの抜群のスタートを見せますが、控えて3-4番手へ。
4コーナーでは更に外から被されていきますが焦らずラチ沿いでレースを進め、直線に入り外に進路をとるとそこから素晴らしい末脚を見せて一気に差し切り。
クビ差という着差以上に強い内容でした。

勝ち時計は1分49秒1。
父キタサンブラックを管理した清水調教師のもとでこれからどのような成長と活躍を見せてくれるのか、非常に楽しみな1頭が出てきました。

札幌5R 芝1800 晴・良 7頭

フォトンブルー

牡馬
ハーツクライ×シルヴァースカヤ
母の父:Silver Hawk
所属:栗東)武幸四郎厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:武豊騎手
516㎏ 3番人気 6枠6番

半兄にシルバーステートがいる期待の良血馬が、武兄弟と共にデビュー戦を見事勝利で飾りました。
まずまずのスタートを切ったフォトンブルーは二の脚をきかせて前へ。積極的に進んでいった3頭から少し離れた4番手で折り合い、レースを進めます。その後3コーナー辺りからジワジワと進出を開始し4コーナーを曲がり切る頃には2番手に。
直線に入ると逃げ粘る1番人気エルデストサンとの見応えある叩き合いをクビ差で制しました。

勝ち時計は1分51秒1。
武幸四郎調教師、武豊騎手ともに新馬戦からのタイプでは無いと思っていたということで伸びしろもたっぷり。
種牡馬として活躍する半兄が立てなかった大舞台へ、秋以降の活躍に注目です。

新潟5R 芝1600 曇・稍重 11頭

クロスライセンス

牡馬
キズナ×トップライセンス
母の父:キンシャサノキセキ
所属:美浦)鹿戸雄一厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:池添謙一騎手
436㎏ 2番人気 7枠8番

池添謙一騎手が今年の新馬戦初勝利です。
7枠からのスタートとなったクロスライセンスは悪くないスタートを切ると内に入っていき5番手で追走。
そのまま長い直線に入ると馬群が横に大きく広がり追い比べの展開に。
クロスライセンスは残り400m付近でグッと加速し先頭に立つと、自身より速い上りで迫ってきた2着馬ナイトブレーカー、3着馬サクセスバラードを半馬身差で退けました。

勝ち時計は1分35秒5。
まだ身体には幼さも残るとの評価で、現役時代3勝を挙げた母を超えてオープン入りなるか、成長に期待の1頭です。

小倉6R 芝1200 晴・良 9頭

バレリーナ

牝馬
ダイワメジャー×マニヤラ
母の父:Manduro
所属:栗東)清水久詞厩舎
生産:服部牧場
鞍上:西村淳也騎手
454㎏ 1番人気 1枠1番

西村淳也騎手が1番人気に応え今年の新馬戦初勝利を挙げました。
最内枠から好スタートを切ったバレリーナは抜群の二の脚を見せてスッと先頭へ。
楽な手応えのまま最終コーナーをまがり直線に入るとそこから更に上がり最速となる末脚を披露し、2着馬トーホウビエントを3馬身半離す完勝でした。

勝ち時計は1分08秒9。
まだ余力も感じられたという内容で次走は連闘でG3小倉2歳Sに登録。どのようなレースを見せてくれるか楽しみです。

新潟6R ダ1200 曇・稍重 15頭

エコロアイ

牝馬
Shackleford×Key Is to Win
母の父:Dixie Union
所属:栗東)森秀行厩舎
生産:Doug Branham & Felicia Branham
鞍上:戸崎圭太騎手
498㎏ 1番人気 7枠12番

森秀行厩舎所属のマル外馬が1番人気に応えました。森秀行厩舎と原村オーナーは共に今年の新馬戦初勝利です。
外枠から素晴らしいスタートを切るとそのまま先頭に立ち逃げの体勢へ。
最終コーナー辺りから3着馬ノースディーバが仕掛けてきましたが直線途中で競り落とし、見事逃げ切り勝ちとなりました。

勝ち時計は1分13秒2。
この日最終レースまでに4勝を挙げた戸崎騎手からは「もう少し体が起きて走ってくれたら良い」と更に良くなる可能性を窺わせるコメントも。エアシャカールやキャプテントゥーレ、シーキングザパールを管理した森調教師のもと、今後の成長に注目です。

以上、今週のメイクデビュー勝ち馬9頭を見ていきました。

この仔達がこれからどのような成長を見せてくれるのか、また今週末の新馬戦ではどんな仔達がデビューしてくるのか、週末を楽しみに待ちたいと思います。

写真:かずーみ、@NavierStoke0718

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