今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(7/31,8/1)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計2頭の新馬を紹介します。

日曜新潟6R ブルーインサニティ

日曜新潟6Rでデビューするブルーインサニティは父の父がサクラバクシンオー、母の父がアドマイヤベガ、また母方の血を遡っていけばマルゼンスキーもいる血統です。この中でも「新馬戦」と言う意味ではアドマイヤベガの新馬戦がある意味「インパクト」があったレースと言えるでしょう。

アドマイヤベガがデビューしたのは1998年の11月7日。サイレンススズカが天皇賞で天国へと旅立ってしまった翌週でした。アドマイヤベガの鞍上武豊騎手はサイレンススズカが亡くなった日、人生で初めて泥酔したと言われており、そのショックが抜けきれないであろうタイミングでの騎乗でした。

桜花賞・オークスの二冠を制したベガの初めての子として期待を集めて、圧倒的に支持されたアドマイヤベガ。レースでもその期待に応えるように、抜群の切れ味を発揮見事1位で新馬戦を制した………、と思われました。しかし、武豊騎手の落ち込みがそうさせたのか、それとも流れ自体が悪かったのか、あるいはアドマイヤベガのあまりの瞬発力に制御が効かなかったのか、直線で抜け出す際に他馬の進路を妨害したと判定され、4着に降着となってしまいます。

この結果、武豊騎手は騎乗停止となり、翌週に控えていたエリザベス女王杯のエアグルーヴ、ジャパンカップのスペシャルウィークからの乗り替わりを余儀なくされました。武豊騎手にとってはまさに受難の秋だったと言えるでしょう。

そんなデビューを飾ったアドマイヤベガは翌年のダービーで武豊騎手を背にテイエムオペラオーなどの強豪を抑えて優勝。武豊騎手にダービー2連覇をプレゼントします。新馬戦の借りを返す形になりました。

降着になってしまったとはいえ、この時に見せたアドマイヤベガの瞬発力は既にダービーを意識させるほどのものでした。その瞬発力をブルーインサニティも見せることができるか注目です。

日曜新潟6R ロッホローモンド

ブルーインサニティと同じ日曜新潟6Rでデビューするロッホローモンド。父の父がフジキセキ、母の父がサクラバクシンオーです。

しかし、私がこの馬の血統で注目してほしいのは祖母の兄サニーブライアンです。

……と言う事でここからは先週のナリタトップロードに続く「ウマ娘に登場しそうな名馬」第2弾としてサニーブライアンを紹介します。

サニーブライアンはサイレンススズカと同世代の逃げ馬。サイレンススズカが覚醒するまではこの世代の「逃げ馬」と言えばこの馬でした。

とはいえ、サニーブライアンも皐月賞まではそこまで目立つ存在ではなかったと言えるでしょう。当時は皐月賞と同じ中山芝2000mで逃げ切った経験があるとはいえ、皐月賞までの成績は8戦2勝。皐月賞での単勝人気も18頭中11番人気と決して評価は高くありませんでした。

しかし、この8戦のキャリアは決して無駄ではありませんでした。この8戦すべてで手綱をとってきた大西直宏騎手は様々なレースを経験する中でサニーブライアンの「鋭い切れ味はないが、なかなかバテない脚」を掴んでおり、皐月賞では大外枠にも関わらず「逃げる」と宣言しました。

実際のレースでは最初の直線で先頭に立つも、1コーナー、2コーナーで競りかけてきたテイエムキングオーとは喧嘩をせずにハナを譲り、3コーナー手前からの早仕掛けでこの馬のしぶとい脚が生きる展開に持ち込みます。4コーナーで後続と4馬身ほどのセーフティーリードを築くとそれをゴールまで何とか守り切り皐月賞制覇。大西直宏騎手の好騎乗が光るレースでした。

皐月賞を勝ち、見事G1ホースの仲間入りを果たしたサニーブライアン。にもかかわらず、その勝ち方については、「フロック」いわゆるマグレだと言う見方が世間には強くありました。この年のクラシックの有力馬は後ろから競馬をする馬が多く、皐月賞はその後方から行く馬がけん制しあっていましたし、ゴール前のサニーブライアンは完全に脚が上がっているように見えたこともそのような評価になった要因でしょう。

その世間的な評価を、サニーブライアンはダービーで覆すことになります。皐月賞と同じ大外8枠18番から果敢に逃げを打ち、直線まで後続を引き付ける「溜め逃げ」で脚を温存。直線に入ると後続をスッと引き離し上がり3F35.1の脚で後続を完封。フジテレビの三宅正治アナウンサーの「これはもう、フロックでもなんでもない」と言う言葉通り強さを見せつける勝ち方でした。

レース後、皐月賞馬にも関わらず6番人気と言う低評価だったことを問われた大西直宏騎手の「1番人気はいらないから1着だけ欲しい」という名言はいまだに語り草となっています。

この馬がウマ娘に登場し、サイレンススズカのライバルとして立ちふさがる展開は競馬ファンとしては熱いものを感じるので、個人的には是非実装されて欲しいです。

開発:Cygames
ジャンル:育成シミュレーション
プラットフォーム:iOS/Android/PC
配信:日本
利用料金:無料(一部有料コンテンツあり)
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