巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今回は、今週行われる2つの重賞、小倉2歳Sと新潟記念の出走馬から、「距離」に焦点を当ててそれぞれ1頭ずつピックアップしたいと思います。
小倉2歳S ショウナンマッハ
小倉2歳Sで藤田晋氏の所有馬デュガと対決するショウナンマッハ。父の父がサクラバクシンオー、母の祖母にヒシアマゾンがいる血統です。
小倉2歳Sが実施されるのは1200m。スプリント戦なのでウマ娘ユーザーの方にもサクラバクシンオーの血は有利なんじゃないかと感じられる方も多いと思われます。一方でヒシアマゾンについては「1200m」と言われてもピンとこない方もおられるのではないでしょうか。しかし、ヒシアマゾンは現役時代スプリントのレースで、今も競馬ファンの間で「あのレースは凄かった」と言われるような伝説的なレースを見せています。
そのレースは1994年のクリスタルカップ。当時皐月賞の前日に行われていたレースで若いうちから短距離志向の強い馬や、クラシック出走権のない外国産馬が多く出走していました。ヒシアマゾンも外国産馬だったためクラシック出走権がなく、まだNHKマイルカップも実施されていなかったためこのレースに歩を進めていました。
レースは過去のレース全てで逃げをうっていた快速馬タイキウルフがハイペースで先手を取る展開。ハイペースで飛ばしながらも4コーナーでは最内ピッタリを距離ロスなく、しかもスピードのロスも最小限に抑えながら回る最高のコーナーリングを見せ後続を引き離し、セーフティーリードを確保。一方のヒシアマゾンは4コーナー大外を回り位置取りも6番手くらい。残り200mになってもタイキウルフとの差は5馬身くらいあり、タイキウルフの手応えも余裕たっぷり。誰もがタイキウルフの勝利を確信するようなレース展開でした。
しかし、後に「女傑」と称される馬の末脚はここからが凄かった。大きなストライドでそれこそアマゾンのハンターのように前を行くウルフにグングングングン差を詰めます。ゴール前しっかり先頭を捕らえるとそこからさらに1馬身の差をつけて勝利。いまだに「印象に残る追い込みレース」では誰かが必ずこのレースを上げるほどの伝説とも言えるレースです。
父方の血サクラバクシンオーからだけでなく、母方のヒシアマゾンの血からもスプリントでの強さを受け継いでいるであろうショウナンマッハ。そのレースぶりに注目です。
新潟記念 パルティアーモ
これまでは2000mを超える中長距離路線を中心に走ってきた牝馬パルティアーモ。母の父はアドマイヤベガ、また母の母ラトラヴィアータはサクラバクシンオーの全妹、つまり父も母も同じ兄弟にあたります。
新潟記念は「サマー2000シリーズ」の最終戦としておこなわれる2000mのレース。ダービー馬アドマイヤベガはともかく、サクラバクシンオーの血がこの距離で向くとは思えない方も多いでしょう。しかし、サクラバクシンオーは血統的な面だけを見れば十分にこの距離でも走れる馬なのです。このことを裏付けるにはまずサクラバクシンオーの祖母の話をしなくてはなりません。
サクラバクシンオーの祖母はクリアアンバーと言うアメリカ生まれの牝馬で、日本最大の競走馬生産牧場である社台ファームによって繁殖牝馬として日本に輸入されました。その代表産駒となったのが1983年優駿賞特別賞を受賞したアンバーシャダイと言う馬です。
アンバーシャダイはデビュー当初は目立った成績を上げられなかったのですが、古馬になって徐々に力をつけ、1981年の有馬記念と1983年の天皇賞春を勝った遅咲きのステイヤーです。競走馬として稼いだ賞金は当時の総獲得賞金歴代1位となるほどでした。
また、アンバーシャダイだけでなくクリアアンバーの牝系は数多くの活躍馬を輩出しており、代表的な馬を見るとトウカイテイオーと同期の菊花賞2着馬イブキマイカグラや私のペンネームの由来にもなっている菊花賞2着馬ファストタテヤマなどがあげられます。
ここまで見てわかる通り、クリアアンバーの牝系は「ステイヤー」を多く輩出している牝系です。そういう意味ではサクラバクシンオーはこの牝系では「異端者」とも言える存在、ゲームでサクラバクシンオーが「長距離だってお任せあれ」と自信をもって言い切れるのはこういったバックボーンがあるからかもしれません。
実際サクラバクシンオーは母の父としてキタサンブラックも送り出していますし、決して「中長距離はダメ」と言う血統ではありません。パルティアーモもこれまでの走りの通りこの距離でも全く問題ありませんし、初重賞制覇をこの距離で飾る可能性も十分にあると言えるでしょう。
開発:Cygames
ジャンル:育成シミュレーション
プラットフォーム:iOS/Android/PC
配信:日本
利用料金:無料(一部有料コンテンツあり)
URL:
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