今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(10/9,10/10)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計2頭の新馬を紹介します。

日曜東京4R ロジレット

父、母父、母母父の3代がダービー馬と言う良血ロジレット。その3代前、曽祖父にあたるのがアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」では生徒会長として活躍するシンボリルドルフです。

ウマ娘のように「特定のモデルを擬人化する」コンテンツには、自分のその特定モデルに持っているイメージとコンテンツで擬人化されたキャラクターのイメージが全く異なる、いわゆる「解釈違い」が起こりがちです。しかし、このシンボリルドルフに関してはこの「解釈違い」がほぼ怒らない馬なのではないでしょうか。

ウマ娘に限らず、過去競馬をモチーフにした創作が行われていますが、その際シンボリルドルフのキャラクターはエリート、高貴、気高いとイメージが一貫しています。そしてそのイメージは競馬ファンの多くがシンボリルドルフに抱くイメージそのものだと筆者は思います。

実際にシンボリルドルフのレースぶりは好位追走から、早め先頭に立つあまり着差を広げずしっかりと勝ち切る安定したレースぶり。いかにも利発そうな印象を持たせるレースでG1・7勝を挙げました。

その象徴とも言えるレースが日本ダービー。向こう正面から3コーナーにかけて鞍上の岡部騎手がゴーサインを出してもなかなか前に進んでいかないシンボリルドルフ。「もしかして負けるのか?」。誰もが思ったレースでしたが、直線に入ると力強く伸び残り200mほどで先頭に立つと、最後は押さえる余裕も見せる終わってみれば完勝と言えるレース。「慌てなくても大丈夫」とルドルフが言っているようにも感じるレースは、後に岡部騎手が「ルドルフに競馬を教わった」と語るほど。調教師の野元祐二氏は「競馬に絶対はないが、ルドルフには絶対がある」と評し、絶大な信頼を置いていました。そんなルドルフにはやはり「生徒会長」がぴったりなのだと思います。

また、ロジレットの祖母スイートフェローズにはツルマルツヨシと言う弟がいます。このツルマルツヨシは現役時代「シンボリルドルフ産駒最後の大物」と呼ばれた馬で、1999年の京都大賞典でテイエムオペラオーやスペシャルウィークと言ったウマ娘にも登場する強豪を破って優勝しています。また、その年の有馬記念はグラスワンダーとスペシャルウィークがハナ差の接戦を演じる名勝負として知られていますが、そのレースでも父譲りの早めに動く王道競馬で残り50mまで先頭をキープしそのポテンシャルの高さを見せつけました。

残念ながらケガが多くG1を勝つことはありませんでしたが、ツルマルツヨシはこの時代を代表する強豪と言えるでしょう。ウマ娘ファンにも是非覚えておいてもらいたい1頭です。

日曜東京4R オッカナイ

その変わった名前も興味をそそるオッカナイは父方の祖父マンハッタンカフェ、母方の祖父アグネスデジタルと2頭のウマ娘関連馬の血を持っています。

この中で今回注目するのはアグネスデジタル。アグネスデジタルは月曜日に盛岡で行われる交流G1マイルチャンピオンシップ南部杯を2001年に制しています。好位抜け出しでウイングアローやゴールドティアラと言った当時のダートの強豪たちを一蹴した南部杯ももちろん強い競馬だったのですが、アグネスデジタルの真骨頂はここからでした。

そこから重馬場の天皇賞(秋)、遠い異国の地で行われた香港カップ、再びダートに矛先を向けたフェブラリーSとG1・4連勝。馬場、天候、国すらも選ばないアグネスデジタルの万能ぶりを示すこの4連勝は、今後誕生しないどころか同じローテーションを採用する馬もいないであろう不滅の怪記録と言えるでしょう。ウマ娘の為ならどこへでも駆けつけるアプリ内のキャラクター設定のバックボーンとしてはこの上ないものと言えます。

また、交流G1つながりで言うとオッカナイの祖母アンバーウェーの兄にあたるアブクマポーロも注目すべき馬の一頭です。

アブクマポーロは、地方交流競走が始まった直後の90年代後半に、地方大井・船橋所属馬としてダートで活躍した名馬。特に1998年~1999年は11戦して10勝。地元の南関東競馬ではJRAの馬や他の強豪地方馬を相手に回した川崎記念、帝王賞、東京大賞典、そして1999年の川崎記念と交流G1・4勝を含む負けなしと無類の強さを発揮しました。

特に1999年の川崎記念は彼特有の首の低いフォームで馬群を抜け出しほぼ持ったまままで楽々と抜け出す、2着に2馬身半差と言う着差以上の完勝で「ダート界に敵はない」と思わせる強い勝ち方でした。

ウマ娘では、オグリキャップが「地方からトレセン学園に転入してきた」と言う設定のため地方馬をトレセン学園の生徒として描くのは難しいのかもしれません。しかし、地方所属馬にも魅力的な馬はたくさんいるのでいつの日かウマ娘に登場してほしいですね。

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