巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日は弥生賞ディープインパクト記念の出走馬の中から注目馬を3頭紹介してみたいと思います。
リューベック
若駒ステークスを制してこのレースに挑むリューベック。母の父は1998年の弥生賞を制したスペシャルウィークです。1998年の弥生賞はこの年のクラシックで3強を形成したスペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイローが始めた対決したレースでした。
1番人気は前年に東スポ3歳ステークスを制し、クラシックの有力候補として早くから名を上げていたキングヘイロー。
2番人気は3戦2勝のスペシャルウィーク、デビュー当時から評判になるほどの素質馬で、きさらぎ賞を制しここに挑んできていました。
3番人気はセイウンスカイ。キングヘイローが両親ともに海外のG1ホースで鞍上が”天才”と呼ばれた福永洋一騎手の息子、福永祐一騎手、スペシャルウィークが時代の寵児サンデーサイレンス産駒で鞍上は武豊騎手と言う煌びやかな経歴だったのに対し、セイウンスカイは、父シェリフズスターがそれまで産駒のJRAの特別レース勝ちがセイウンスカイしかなく、鞍上の徳吉孝士騎手はそれまで年間20勝を挙げたことがないと言うプロフィール上は目立つ経歴がない馬でした。
レースはセイウンスカイが快調に飛ばす中、スペシャルウィークとキングヘイローは中団で折り合いをつける競馬。4コーナー出口でコーナーリングを利し、後続と4馬身ほどの差をつけたセイウンスカイ。誰もがセーフティーリードと思ったその時、外から鋭く伸びてきたのがスペシャルウィークでした。
あっという間にセイウンスカイを交わすと、ゴール前は手綱を緩める余裕を見せる完勝で、スペシャルウィークがその年のクラシックの主役の座にどっかりとおさまった瞬間でした。
この時のスペシャルウィークの差しきりは”鮮やか”と言う言葉以外見つからないものです。JRAの公式youtubeにもアップされているので、興味のある方は是非ご覧ください。
ジャスティンロック・インダストリア
リューベック以外にも弥生賞ディープインパクト記念にはスペシャルウィークの血を持つ馬が2頭出走します。それがリオンディーズ産駒のジャスティンロックとインダストリアです。この2頭は牝系も面白い血統なので、ウマ娘から競馬に入った人もぜひ知っておいてほしいです。
ジャスティンロックは曾祖母がタケノファルコン。このタケノファルコンの娘にはダートで一時代を築いたホクトベガがいます。
ホクトベガは1993年のエリザベス女王杯を勝利した牝馬。エリザベス女王杯を勝ってからはG2くらいまでなら好勝負出来るものの、G1になると今一歩頭打ちのレースが続いていました。
転機が訪れたのは1995年エンプレス杯。このレースでホクトベガは2着に3.5秒差をつける圧勝を見せ、ダート馬としての才能を一気に開花させます。翌1996年は地方交流競走に本格参戦。川崎記念を皮切りにダート重賞を7連勝。どのレースも2着に2馬身以上の差をつける圧勝でついたあだ名が「砂の女王」。地方交流競走黎明期にその注目度を一気に引き上げたのは、この「砂の女王」の力と言っても過言ではないでしょう。
1997年ホクトベガは当時世界最高賞金額のレースだったドバイワールドカップに参戦します。このレースを最後に引退、繁殖入りが決まっていたホクトベガでしたが、このレース中の落馬事故により命を落としてしまいます。
繁殖入りが叶わなかったホクトベガと同じ血を引くジャスティンロックには種牡馬入りが出来るような活躍を期待したいところです。
一方インダストリアはステイゴールドやサッカーボーイと言った活躍馬を送り出しているロイヤルサッシュ牝系。この一族は近年でもジャパンカップを制したショウナンパンドラやスプリンターズステークスを制したスノードラゴン、現役では去年の東京新聞杯を制したカラテがおりその勢いはとどまることを知りません。
またこの牝系は「中山が得意」と言う馬が多いのも特徴で、先のバランスオブゲームが弥生賞を制しているほか、同じロイヤルサッシュ牝系のベルーフ、フェイムゲームが京成杯を制しておりこの中山2000mでは間違いなく注目に値する血統です。
インダストリアの走りにも期待できそうです。
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