[小倉大賞典]馬場、天気、展開…波乱の要素が満載のハンデ重賞。 - 重賞プレビュー

二桁人気の馬が激走傾向。大荒れ必至のハンデ重賞の行方は!?

日曜は、小倉競馬場で小倉大賞典が行われます。ハンデ重賞という事で波乱の決着が多いレースで、人気薄の馬が頻繁に穴をあけることで知られます。

18年は15番人気のクインズミラーグロが2着、19年は14番人気のサイモンラムセスが3着、20年は10番人気のドゥオーモが2着。21年は11番人気のテリトーリアルが勝ち、3着に12番人気のディアンドルが食い込んでいるように、二桁人気の馬が激走するレースでもあります。

今年もそんな穴馬が台頭してくるのでしょうか?

馬場も天気も大荒れ、小倉の難解さが上昇中。

ただでさえハンデ戦で難解なレースですが、さらに今の小倉の馬場と天気により、難解さが増しています。

今の小倉開催は1月14日から連続で開催されていますが、初日から雨で重馬場での開催となりました。その後も雨が降って渋った馬場でレースが行われたので、かなり馬場にダメージがあります。先週からBコースに替わって痛んだ部分が少しカバーされましたが、週中の雨の影響で先週土曜は重、日曜はやや重での開催。馬場のダメージが蓄積されています。

馬の馬場適性や、騎手の馬場判断や進路取り、ハンデによる能力比較と、判断材料の多いレースになることは間違いありません。非常に難解なレースと言えるでしょう。

テイエムスパーダが1800Mへ参戦。レッドベルオーブと2頭の大逃げで展開も大荒れとなるか?

上述のように混沌としたレース環境となった小倉大賞典。それに輪をかけて頭を悩ませることになりそうなのが展開面です。

これまでスプリント路線を走ってきたテイエムスパーダが、1800Mの小倉大賞典に参戦。昨年は小倉芝1200MのCBC賞で日本レコードで勝利した快速馬が1800Mでどんな走りをするのか注目が集まります。

さらにそこに加えて、今回と同コースの小倉日経OPで大逃げをして押し切ったレッドベルオーブも参戦。今回の前哨戦とも言える関門橋Sでも2番手を離した大逃げをしていますので、今回は隣の枠に入ったテイエムスパーダと2頭で3番手以降を引き離す大逃げ展開になってもおかしくありません。

2頭がどんなペースで進んでいくのはは分かりませんし、結果として先行馬が残るのか、追い込みが決まるのかはその時になってみないと分からない面があるのは確かです。いずれにせよ平凡な展開のレースにはならない可能性が高いのではないでしょうか。

小倉大賞典 注目馬紹介

ウイングレイテスト - 近走の充実度はNO.1。距離延長と馬場に対応できるか?

小倉の馬場、当日の天気、レースの展開と非常に読みにくい状況で行われる小倉大賞典。

メンバーも前走3着以内が3頭しかいないというこれまた厄介なメンバー構成。どの馬を中心に考えるか、という点でも悩ましいですが、近走の充実度という点ではウイングレイテストがあげられるでしょう。

3走前に3勝クラスを勝ってOP入り。2走前は中山芝1800MのディセンバーS(リステッド)で3着。前走はマイルのニューイヤーSで勝利と近走の安定度と充実度では間違いなくメンバー随一です。

先行して長くいい脚を使える脚質ですので小倉はピッタリでしょう。あとは1800Mの距離がどうかという点が左右してきそうです。これまでは1800Mよりも1600Mで好成績を残していますし、前が飛ばす展開だと立ち回りも難しくなり、スタミナが持つかどうか、という懸念もあります。状態の良さをいかしたいところですね。

ヒンドゥタイムズ - 重賞で堅実に走る実力派。混沌とした舞台で地力の高さを証明するか。

前が飛ばす展開が濃厚で、外差し馬場傾向となれば追い込み馬に注目すべきでしょう。中でも重賞で差の無い走りをしているヒンドゥタイムズは、7歳で初のタイトルを狙えるところにいそうです。

小倉は2戦して2回とも2着と相性の良さも光りますし、前が飛ばしてスタミナと底力が問われる展開になればむしろ好都合。

今回はムルザバエフ騎手が騎乗します。裏開催で、その存在感が際立つ一人。立ち回りの難しいレースでは心強い存在ではないでしょうか。

カテドラル - 地力の高さを認められたトップハンデ。

このレースでのトップハンデは、カテドラルの58キロ。

同コースの昨年の中京記念(2着)と同斤量ですが、同じだけ走ればここでも勝ち負けを期待できると言えるでしょう。今回のメンバーは中京記念と比較してもそれほど差があるとは思えませんし、前が飛ばす展開ならば中京記念のように後方から追い込んでくる形は向くはずです。

ただ、渋った馬場をこなせるかどうかは判断が難しく、その点が気がかりです。自分の力を出し切れるかどうかが鍵になりそうです。

レッドランメルト - 右回りの1800Mは十八番。

自己条件3連勝で中山金杯に挑んだレッドランメルトが、小倉大賞典で重賞初制覇を狙います。

明け4歳のディープインパクト産駒である同馬。クラシックには縁がありませんでしたが、1勝クラス、2勝クラス、3勝クラスと3連勝しています。しかも札幌、中山と右回りの1800Mでの3連勝ですから今回はベストの条件と言えそうです。

前走の中山金杯はややスローの展開で、内・前が有利の展開の中で前に壁を作れず外々を回らされたので最後に苦しくなってしまいました。今回の2番枠は絶好の枠と言えるでしょう。

やや重馬場でも2着があるのである程度は渋った馬場もこなせそう。55キロの斤量も恵まれたと言えます。まさに適条件の今回、ベテラン勢を相手に若さと勢いで勝ち切ってしまうかもしれません。

ダンディズム - 特殊な馬場を攻略するのは特殊な馬場を経験した馬。

今の小倉は馬場がかなり荒れていて、特殊な馬場であることを踏まえれば、前走で今の小倉の馬場を経験している馬が有利と言えます。

今回の前哨戦とも言える関門橋S(OP)で最先着だったダンディズムの馬場適性を評価できるのではないでしょうか。

関門橋Sでは大逃げ展開の中、外から長くいい脚を使って前との差を詰め、直線では外から前を追いましたが、内からうまく抜けてきたディープモンスターにすくわれる形になりました。

今回も同様の展開になれば、外から長くいい脚を使って直線でも外から末脚を伸ばす形を取れば好走確率は高いと言えますし、今回は距離短縮でより切れも増す可能性もありそうです。外差し馬場の傾向になればなるほど展開が向きそうな1頭と言えるのではないでしょうか。


小倉芝1800Mのハンデ重賞という点だけでも難解なレースですが、馬場、お天気、展開と頭を悩ませる事象ばかりのこのレース。

大逃げで始まり、馬群が急激に縮まって、直線では大外を回して差し切るというド派手な展開になる可能性もあるでしょう。見た目のインパクトも絶大ですし、どんな結果になるか見当もつかないので、いろいろな意味で楽しいレースになりそうです。フェブラリーSの前に行われるレースとして最高の盛り上がりになるのではないでしょうか。皆さんの参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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