[オーシャンS]ナランフレグ、ヴェントヴォーチェ、キミワクイーン。高松宮記念を目指す快速馬が激突。 - 重賞プレビュー

昨年の1,2着馬は春と秋の短距離王!
今年もここからG1馬が誕生するか?

今週から3月の競馬に入ります。3月末には高松宮記念があり、そこから春のG1シリーズが開幕。今週からG1のトライアルや前哨戦が多く行われていくことで、春を感じられるようになるのではないでしょうか。

4日の土曜中山で行われるのはオーシャンSです。次の高松宮記念へは左右の回りが違うので、なかなか成績が結びついていませんでしたが、昨年2着だったナランフレグが高松宮記念を勝ち、昨年勝ったジャンダルムは秋のスプリンターズSを勝利。

後々振り返ると、ハイレベルなレースだったと言えます。

今年もこのレースからG1を勝てる馬が出てくるのでしょうか?

先週の馬場を復習し、昨年の馬場と比較する

先週から中山開催がスタートしましたが、例年通り1月の開催がCコースでの開催で、3月の開催はAコースに移行しての開催。1月開催で使っていなかった部分が、グリーンベルトのようにいい馬場状態が保たれているのが通例ではありますが、先週の中山は金曜から雨が降っていたのでそれほど内側の馬場状態が良くありませんでした。振り返ってみれば、先週の中山記念も外から豪快にヒシイグアスが差しています。タイムも昨年と同様にそれほど速い時計が出ていませんでしたので、超高速馬場ではなく、やや速めの時計が出るくらい馬場と考えていいでしょう。

なぜ、馬場状態のことを取り挙げたかというと、スタートから下りが始まっていく1200Mですので、馬場状態によって勝ちタイムや展開が違ってくるからです。今年は昨年と同じくらいの時計が出る馬場だと推測されるので、今年のオーシャンSの勝ちタイムは昨年のオーシャンSの勝ちタイムの1分07秒9に近くなるのではないでしょうか。昨年は逃げたビアンフェと、2,3番手で追走していたジャンダルムの2頭が直線で競っていましたが、残り100Mでジャンダルムが交わして先頭に立ち、そのまま押し切り勝利。2着は道中後方を進んでいたナランフレグが凄い脚で追い込んできて、3着は逃げたビアンフェが粘り込みました。

今から思えば馬場や展開で有利不利が少なかった地力勝負だったと言えます。
今年も展開はともかく、馬場で有利不利が出ることは無いのではないでしょうか。

オーシャンS 注目馬紹介

ナランフレグ - 昨年の高松宮記念の勝ち馬はここから始動!

メンバーの中で実績NO1はナランフレグです。昨年のこのレースの後、高松宮記念を勝利。イチかバチかの最内を通っての勝利は素晴らしかったですし、その後のインタビューは感動的でした。続く安田記念は9着でしたが、秋のスプリンターズSは3着と力のあるところを見せました。香港スプリントは10着と残念な結果にはなりましたが、国内のスプリント界では能力上位の存在であることは確かです。

オーシャンSから高松宮記念へのローテで連覇を狙うことになるでしょう。ただ、今回は前哨戦で59キロの斤量ということを考えると、なかなか追い込んで届くというのはハードルが高くなりそうです。

ヴェントヴォーチェ - スムーズに走れれば重賞でも上位の存在。

対抗1番手になるのがヴェントヴォーチェでしょうか。2走前のキーンランドカップでは接触があり後方からの競馬になりましたが、3~4コーナーでインがぽっかり空いていたのでそこをスムーズに上がって勝ち切りました。

展開的に恵まれたのは確かですが、荒れた馬場をこなした点からもパワーがあることは確かですし、そこで負かしたのが後にスプリンターズSで2着だったウインマーベルですので価値があります。中山コースもリステッドの春雷Sを勝っていますので実績がありますし、その時の勝ちタイムは1分06秒8とスプリンターズSよりも速いタイムだったので、高速決着になっても対応は可能でしょう。

いかにスムーズに走れるかがポイントで、そういう意味では鞍上のルメール騎手がここを強い存在と言えそうです。枠や展開に左右されることが多い同馬ですが、ハマった時には勝ち切る可能性も十分の実力馬。期待は大きいと言えます。

キミワクイーン - 1200Mではまだ底を見せていない4歳牝馬。

上で取り上げた2頭は7,6歳のベテラン。
新興勢力の台頭にも期待が集まりますが、そこで注目されるのがキミワクイーンです。

父ロードカナロアの4歳牝馬の同馬は、昨年のフィリーズレビュー7着後1200M路線に転向。その後は1,2,1着の成績でOP入りを果たしています。しかも前走のサンライズSは今回と同コースの中山芝1200M。道中は4番手を追走し、少し後続を離して先行した2頭をゴール前で差し切って勝利と立ち回りの巧さを見せました。

今回騎乗するのは重賞でうまい立ち回りを見せている岩田康騎手。テン乗りになりますが、手が合いそうな印象です。スプリント界に新しい風を呼び込むことができるかにも注目です。

ジャスパージャック - そのスピードでゴールまで押し切れるか?

人気のナランフレグや、ヴェントヴォーチェは差し、追い込み馬。
展開的に有利になりそうな逃げ馬にも、注意が必要でしょう。

展開のカギを握る逃げ馬はおそらくジャスパージャックになるのではないでしょうか。近4走でいずれも逃げている同馬。その結果2,1,1,7着と好成績を挙げています。中でも2走前のラピスラズリSの勝ちタイムは1分08秒1。このタイムは昨年秋のスプリンターズSから0秒3差で、そこで3着だったナランフレグとは0秒1差だったことを考えると、同じだけ走ればここでも通用するスピードがあると言えます。

その時コンビを組んだ北村宏騎手を背に、その時と同様に走れる可能性が極めて高いと言えます。
レースの展開の鍵を握る1頭でもあるので注目です。

ジュビリーヘッド - 高い中山適性を生かせるか?

展開的にジャスパージャックが逃げて、人気馬のナランフレグが後方からという展開になると思われるので、縦長の馬群になり、立ち回りが難しいレースになる可能性が高いでしょう。そういう時にはコース実績のある馬が実力以上に力を発揮する可能性も考えておくべきです。

ジュビリーヘッドは中山芝1200Mで2,3,1,1着と非常に好相性。前走のカーバンクルSでは道中で3番手を追走し、ゴール前できっちりと差し切って勝利。勝ちタイムはやや平凡でしたが、中山芝1200Mでの安定度はメンバー随一でしょう。函館SSで2着があるので、重賞でも好勝負可能で時計がかかるなら上位に浮上してもおかしくありません。


逃げるジャスパージャックに追い込みのナランフレグがいるというメンバー構成なので、道中は馬群が縦長の展開になる派手な展開になるのではないでしょうか。「逃げ馬がそのまま押し切るのか?」「追い込み馬が大きく離れた逃げ馬を豪快に差し切るのか?」と、スタートから目が離せない一戦になるのは間違いありません。スタートからガンガン飛ばしていく中山芝1200Mらしいレースに期待しましょう!

写真:かぼす

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