[ヴィクトリアマイル]スターズオンアース、ソダシに加えて各路線から有力馬が集結! - 重賞プレビュー

星の二冠牝馬VS白き女王!?
牝馬の枠を超えた女傑たちの美しき戦い。

14日(日曜)東京メインは、ヴィクトリアマイルが行われます。
春の古馬牝馬の目標のレースとして定着しつつある同レースですが、過去の勝ち馬には、ウオッカ、ブエナビスタ、アーモンドアイ、グランアレグリアなど牡馬が相手でもG1で勝利を収めた女傑たちも名を連ねています。その一方で15年は3着に18番人気のミナレットが入って3連単2000万以上の超高配当が出たレースでもあります。実力伯仲の今年は、どの馬に勝利の女神が微笑みかけるのでしょうか?

今年のヴィクトリアマイルの見どころは、何と言っても昨年のクラシック2冠を制したスターズオンアースと昨年の覇者のソダシの対決でしょう。スターズオンアースは4歳世代の、ソダシは5歳世代の中心的な存在です。その2頭による初対決ですから、見逃せない一戦であることは間違いありません。また、その2頭に匹敵する実力馬も揃っていて、例年よりもハイレベルなレースになるでしょう。どんな結果になるのか楽しみです。

前哨戦 阪神牝馬Sを振り返る

今年のヴィクトリアマイルは様々な路線から出走馬が集まっていますので、ここでは中でも多くの馬を送り込む阪神牝馬Sを振り返って、出走馬同士の能力比較の基準にしていこうと思います。

阪神牝馬S(阪神芝1600M)
1着:サウンドビバーチェ 2着:サブライムアンセム 5着:アンドヴァラナウト 6着:ルージュスティリア 10着:イズジョーノキセキ

勝ちタイム:1分33秒9(やや重)前半800M:48秒0 後半800M:45秒9

前半800Mが48秒0に対し、後半800Mが45秒9と明らかに後半が速い流れ。やや重馬場とはいえ、前半がスローで進み、残り600Mからの切れ比べとなりました。逃げたウインシャーロットが残り600Mから11秒2-11秒0と速い脚を使ったので、ゴールまでの最短距離である内、前にいないと勝負にならなかったレースと言えます。

勝ったサウンドビバーチェは道中2番手、2着のサブライムアンセムは道中3番手と展開が向いた印象を受けます。逆に、5着のアンドヴァラナイトは出遅れて後方からになり上がり最速で伸びて来るも展開負けと考えて良いでしょう。1番人気6着のルージュスティリアは道中5番手で進むもののどんどん位置が下がってしまい、直線では強引に進路を作って抜け出ようとしたが伸びず、こちらははっきりとした敗因が不明です。10着のイズジョーノキセキは直線でルージュスティリアにぶつけられたが、どうやらその時には脚が残っていなかった模様です。状態があまり良くなったのも一因のようです。

全体的には前半がスローで進んだので、先行馬が有利の結果。ヴィクトリアマイルでは先行するソダシもいるので、前半のペースがそこまで緩くなるとは考えにくいでしょう。牡馬相手にG1を戦ってきた馬達との前哨戦とすれば、ややレースレベルに物足りなさを感じるのも事実です。

先週のNHKマイルカップについて

今年のヴィクトリアマイルでの注目点のひとつが、雨でどのくらい馬場が変化するのか、という点。雨量がどのくらいかは分かりませんが、雨の中でのレースとなった先週のNHKマイルカップを振り返って、同じ東京芝1600Mのヴィクトリアマイルの参考にしていきたいと思います。

勝ちタイム:1分33秒8(やや重)前半800M:46秒3 後半800M:47秒5

前半800Mが46秒3に対し、後半800Mが47秒5と前半の方が速い展開に。
やや重馬場で雨が降り続けているなかでのレースということを考えるとかなり速いペースとなりました。

レースの中盤で少しペースが緩んで、残り400Mから11秒5-11秒9という切れ比べ。前半がHペースでその後もあまりペースが落ちなかったので先行馬には苦しく、差し・追い込みの有利な展開でした。1~3着馬は道中で13、16、15番手で進んだことからも、追い込み馬が有利だったことは明らかです。また、1~3着馬は以前に東京コースで勝ち鞍があった馬もありました。

ヴィクトリアマイルではソダシに加えて阪神牝馬S組が先行していくはずなので、NHKマイルカップと同様に差し、追い込みの競馬になる可能性もありそうです。東京コース実績がある追い込み馬は展開が向く可能性があるでしょう。NHKマイルカップと同様の傾向なら、道中かなり後方でも届く可能性があることは頭に入れておくべきです。

ヴィクトリアマイル 注目馬紹介

スターズオンアース - 雨中でも輝く、一等星のきらめきを。

注目を集めるのが、昨年のクラシック牝馬二冠を達成したのスターズオンアースです。
特筆すべき点はその安定感。3歳春時には勝ち切れない面もありましたが、桜花賞で川田騎手が騎乗して勝利、オークスではルメール騎手に乗り替わるも直線で突き抜けて牝馬二冠を達成しました。

秋の秋華賞では出遅れながらも直線で馬群の間を縫うように追い上げて3着。
年明けの大阪杯でもやや出遅れて後方からとなり、直線に入ってもまだ中団でしたが、残り200Mを切ってから凄い脚で追い込んで勝ち馬とハナ差まで持ち込みました。完全に展開負けでしたが、一番強い競馬をしたとも言えます。

また、ジャックドールを物差しにすれば、スターズオンアースは大阪杯でハナ差、ソダシは札幌記念で0秒6差と、単純比較であればソダシよりも上と言えます。総合的な能力はメンバー中1,2を争うほど高いのは確かですが、スタートが鍵になりますし、1600Mへの距離短縮に対応できるかという点は気になります。
果たして、長い直線で追い込んで先行馬を掴まえられるのでしょうか、注目です。

ソダシ - 連覇へ向け、白き女王は健在。

前年度覇者であるソダシも注目の1頭です。
昨年のこのレースでは道中4番手を追走し、直線では内を通って押し切りました。2着に2馬身差をつける完勝だったので、このコースに対する適性が非常に高いのでしょう。このレースはリピーターが活躍する傾向もあるので今年も好走する可能性が高い馬と言えます。

ただ今回は、これまでずっと主戦を務めてきた吉田隼人騎手からD・レーン騎手への乗り替わり。その点さえ解消すれば昨年の勝ちっぷりから力上位なのは確かです。芝マイルの距離では5戦して4勝3着1回ですからマイルでの強さは明らかです。雨があまり降らずに速い馬場となったのであれば、昨年と同様に完勝してもおかしくないでしょう。

ソングライン - 牡馬相手でも勝てる実力派。牝馬同士なら力上位。

東京芝1600Mということならソングラインのコース実績も素晴らしいものです。

5戦3勝3着1回という結果もさることながら、NHKマイルカップで2着、富士Sで1着、そして安田記念で1着と、牡馬相手でも互角以上に戦ってきた点が見事です。ソダシとの比較で考えると、ソダシは牡馬混合の重賞勝ちは札幌2歳Sと札幌記念のみ、G1だとフェブラリーSとマイルCSで3着のみと、明らかにソングラインの方が上です。牡馬混合の重賞実績であれば、メンバー1の実績を持つ馬と言えるでしょう。

昨年のヴィクトリアマイルではレース序盤で前を塞がれて中団の位置になり、直線の入口でゴチャついて追い出しを待たされてしまいました。しかしその後は馬群の真ん中を抜けてきて2着争いに持ち込んでいます。不利が無ければ2着はあったかもしれません。

昨年秋は1200MのセントウルSを使ってアメリカ遠征の予定が中止になり、前走は久々のレースでドバイと順調さを欠きました。今回は改めて得意の舞台で力を見せられるか、というところでしょうか。

昨年の安田記念でクビ差の2着だったシュネルマイスターが今年初戦のマイラーズカップを勝利。
それを物差しに考えるなら牝馬同士なら力上位です。巻き返す可能性は高いのではないでしょうか。

ナミュール - 鋭い切れ味が武器。東京コースは絶好の舞台。

レースの展開についても考えていった場合、浮上するのがナミュールです。

ソダシを中心に先行馬が多くいる今年のヴィクトリアマイル。その一方でスターズオンアースが出遅れて後方からになりそうなので、中団を追走しつつ速い上りを出せそうな馬が展開面では向きそうです。その場合、直線で鋭い切れを見せるナミュールが恩恵を受ける1頭ではないでしょうか。

2、3歳時は出遅れて後方からというレースぶりが目につきましたが、今年初戦の投稿新聞杯では道中5番手というポジションを取ることができました。逃げたウインカーネリアンに展開が向いたので勝つことはできませんでしたが、収穫の多い2着だったと言えます。

あくまでもスタートが決まればという条件付きではありますが、位置を取れて速い上りを出せるナミュール。元々現4歳世代ではトップクラスの切れを持つ同馬ですから、それをいかせる東京コースは絶好の舞台と言えるでしょう。

ララクリスティーヌ - 東京コースは2戦2勝。春の東京リーディング菅原騎手と、今が旬なコンビ。

NHKマイルカップと同じような傾向になるならば、東京コース実績が重要になります。
そこで、東京コース2戦2勝のララクリスティーヌも無視できない存在でしょう。

同馬は牝馬でありながら牝馬限定戦を使わず、牡馬混合のレースを使って力をつけてきました。特に昨年の充実ぶりは素晴らしく、スワンSでダイアトニックの2着、続く東京芝1600MのリステッドのキャピタルSを勝利。そして今年の京都牝馬Sを勝利と、いま最も勢いのある馬と言えるでしょう。

加えて4月22日から始まった春の東京開催では、菅原騎手が5月7日終了時点でリーディングトップ。その菅原騎手は、4月23日のフローラSでゴールデンハインドで勝利、先週の新潟大賞典でカラテで勝利と、今最も勢いのある騎手の一人と言っていいでしょう。まさに今が旬の人馬が実績ある人馬にどう対抗していくのか注目です。

ナムラクレア - 能力はG1級。1200Mからの距離延長が吉と出るか?

牝馬限定重賞では牝馬同士で戦ってきた馬と、牡馬とも戦ってきた馬の能力比較が鍵になります。

個人的な意見になりますが、牡馬混合で3勝クラスのレースを勝てれば、G3の牝馬限定重賞を勝てる力があると見ています。このように、対牡馬での戦績が良い馬であればあるほど牝馬限定重賞で相手関係が楽になって好走するというわけです。

メンバーの前走で1番レベルが高いのはスターズオンアースの大阪杯に感じますが、2番目にレベルが高いのは1200MのG1である高松宮記念ではないでしょうか。そこで0秒1差の2着だったナムラクレアは牝馬同士なら1600Mに延長しても力上位ではないか、と考えられます。

1200M戦のG3とはいえ、牡馬混合の重賞3勝はソングラインについて2番目と言って良いでしょう。
今回は1600Mへの距離延長が課題になりますが、アップダウンの大きな中京コースからアップダウンが少なくなる東京コースに替わって距離延長に対応できる馬も少なくありません。

15年の勝ち馬ストレイトガールは前走高松宮記念13着からの巻き返し、昨年のヴィクトリアマイル3着のレシステンシアも前走高松宮記念6着からの巻き返し。どちらの馬も距離延長がどうかと思われていたなかでの好走でした。ナムラクレアも牝馬同士なら1600Mで好走してもおかしくない地力があると言えるでしょう。

今年のヴィクトリアマイルはスターズオンアースとソダシの2頭が中心ながらも、非常にハイレベルなメンバー構成になりました。ここでは詳しく取り挙げませんでしたが、昨年の秋華賞馬のスタニングローズや昨年の有馬記念4着のイズジョーノキセキもいて大混戦です。天候がすぐれないのは残念ですが、牝馬らしからぬ強さも問われるレースになるのではないでしょうか。タフな馬場、展開からかつてのアーモンドアイやグランアレグリアのような女傑が出てくるかもしれません。レースの発走が非常に楽しみです。この記事がよりレースを楽しめるための参考になれば幸いです。

写真:かぼす、安全お兄さん

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