東京記念:大井2400m

1964年に創設された歴史ある重賞です。
創設当初は「東京オリンピック記念」という名称で、1964年に開催された東京オリンピックを記念する競走でした。
その後1977年まで同名で開催されていましたが、それ以降は現在の「東京記念」として親しまれてきました。

このレースの特徴は、なんと言っても2400mという距離。
南関の2400m以上の重賞といえば、大井・金盃(2600m)、船橋・ダイオライト記念(船橋2400m)、そしてこの東京記念の3つとレアケースになります。
短距離路線の拡充が続く地方競馬界において、独特な存在感がある一戦です。

2013年からは全国地方競馬交流競走になり、各地方からのスタミナ自慢が揃うレースになりました。過去の勝ち馬にもコンサートボーイ、マキバスナイパー、ネームヴァリュー、ボンネビルレコード、セレンといった南関の名馬が名を連ねます。
全国地方交流になって他地区から遠征してくる馬もいましたが、南関の層の厚さにしばらくは苦戦が続いていました。

しかし2017年に名古屋・カツゲキキトキトが2着に食い込み、翌年も2着に好走。いよいよ南関勢力に対抗する勢力が出てきつつあると言えるでしょう。
基本的には3番人気以内の人気馬が期待に応えて実力を示すレースである一方で、12番人気サプノクロヒョウがユーロビート・カツゲキキトキトといった実力馬に2馬身以上の差をつけて快勝をした、2017年のような例もあります。
過去には実力馬が敗れている例もあり、1967年には南関東三冠馬・ヒカルタカイが3着に、1988年には名馬・イナリワンが3着に、それぞれ敗れています。また、1985年の勝ち馬ロツキータイガーはその次走・ジャパンカップでシンボリルドルフの2着に食い込んで、当時外国馬が隆盛を誇っていたジャパンカップにおいて、史上初となる「日本馬によるワンツー決着」を達成しています。
当時はジャパンカップの前哨戦として1着馬に優先出走権が与えられていましたが、現在はJBCの前哨戦として開催されています。

また、希少な路線ということもあり、何年にもわたり好走する馬が出てくることも多い一戦です。
ユーロビートは、2014年・2016年に勝利しているほか、2015年に2着、2018年に3着と好走しています。他にも、カキツバタロイヤルは2010年〜2015年の間に4度挑戦し3度3着に食い込む活躍を見せました。他にも2年連続2着のスターシップや、2013年・2015年と1年おいて2勝したプレティオラスなど、「リピーター勢」の活躍は見逃せません。

過去に活躍してきた実績馬を信じるか、これから長期間にわたってステイヤー路線で覇権を握る馬をいち早く見つけるか。
楽しみ方の分かれるレースになりそうです。

あなたにおすすめの記事