[POG2020-2021]注目馬紹介~一口クラブ・大樹ファーム編~

2018年のUAEダービーに挑戦したタイキフェルヴール。新馬勝ちを果たしたエヴェリーナ。
やはり緑、白星散、袖白縦縞の「Stars&Stripes」の勝負服は、競馬場に良く映えます。

現在は「ビクトリーホースランチ」にて生産、育成馬を中心に募集している「タイキ軍団」こと大樹ファームから、今回、POG向きだなと感じた期待馬3頭をご紹介をさせて頂きます。


タイキフォース

父:スピルバーグ
母:アッシュベリー
母父:Any Given Saturday
牧浦充徳厩舎(栗東)
2018年5月10日生まれ
牡馬・募集額2,000万円
母9歳時の出産で5連産目(第5仔)

母系を辿ると4代母Sugar and Spice、曾祖母Cinnamon Sugarは米国生まれでGⅠ戦線で活躍した血筋です。
祖母アシェラフもセールにて好評価を受け、高額で競り落とされた素質馬でした。

アッシュベリーは日本にて未勝利のまま繁殖生活に入りますが、2015年の産駒であるタタイキフェルヴール(牡馬・父フリオーソ)がやはり印象的です。ダート1,800mのレースを4勝する活躍をみせ、UAEダービーにも遠征しました。
父スピルバーグは天皇賞(秋)の制覇をはじめ、ディープインパクト産駒の中では晩成の評価を現役時代はされていましたが、自身はしっかりとダービーにも駒を進めていますし、巷で言われているイメージ程は晩成型ではないはずです。

管理する牧浦充徳厩舎は半兄タイキフェルヴール、半姉ルリアンヴェールに続き近5年間では3頭目の預託です。アッシュベリーの仔達に関しては特徴が分かっているでしょうから、何ら心配はいらないと思っています。

馬体は母アッシュベリーに似た毛色で、半兄タイキフェルヴールと同じ様な流星と均一されたシルエットの立ち姿。母の産駒としても牡馬はタイキフェルベール以来2頭目となり、期待感が高まります。
父がスピルバーグに変わった事で芝向きの傾向も強まったようです。

育成でも13-13ペースの調教もきちんとこなしスピード感ある走りを披露しているようですので、色々と試す事が出来そうで楽しめそうな存在です。

アシナダカ

父:エイシンフラッシュ
母:マロノヴィーナス
母父:タニノギムレット
大久保龍志厩舎(栗東)
2018年3月18日生まれ
牝馬・募集額1,800万円
母11歳時の出産で6連産目(第6仔)

母マロノヴィーナスはノーザンファーム生産で、デビュー前の幼い頃にはセレクトセールにも上場されていた1頭です。
初仔のタイキマロン(牝馬・父ファスリエフ)が早々に1勝をあげ、第3仔タイキサターン(牡馬・父タイキシャトル)が芝のレースを中心に3勝をあげています。

父エイシンフラッシュ×母父タニノギムレットはJRAにてほぼサンプルが無く配合面での判断は難しいですが、母系は間違いなく一流血統です。祖母タンザナイトからはタンビュライトやブラックスピネルの母モルガナイト、曾祖母キャサリーンパーからもアロンダイト、クリソライト、マリアライトなど多くの活躍馬が誕生しています。

管理する大久保龍志厩舎は、現役生活で31戦走ってくれたタイキラメールなどが過去に預託されています。
大久保厩舎は例年30勝は手堅く確保している安定感のある厩舎です。2020年のクラシックシーズンも、ディープボンドで沸かしてくれました。

馬体は兄姉の中の活躍馬タイキサターンとそっくりな事は頼もしい限りです。
育成期間も精力的に坂路調教を繰り返し行い、ビクトリーホースランチ名張分場へ移動してからもしっかりと負荷をかけられつつ500kg近くまで成長しています。
父がエイシンフラッシュに変わった事で距離も持つでしょうから、来春は大舞台での活躍を期待したいと思います。

タイキフロリゼル

父:リオンディーズ
母:フロレンティナ
母父:クロフネ
橋田満厩舎(栗東)
2018年2月24日生まれ
牡馬・募集額1,500万円
母9歳時の出産で3連産目(第3仔)

本馬の場合、配合面を考える以上に母父クロフネの影響が色濃く出ている事が印象的です。
写真からも馬体に非常に厚みがあるのですが、現在ホームページで公開されている写真は良い意味で無駄がそぎ落とされ、より期待できそうな型になってきました。

管理するのは長い大樹ファームの歴史の中で初めてとなる橋田満厩舎になります。
これは当歳時にこの馬を見た橋田調教師が見初めて入厩が決定したことが理由と、クラブからも明かされています。

父は新種牡馬のリオンディーズです。
前年に種牡馬デビューした半兄エピファネイアは上々の滑り出しをみせ、初年度からデアリングタクトを輩出しています。自身は競走馬生活としては不完全燃焼に終わってしまいましたが、かえって未知の魅力に溢れている馬でもあります。特に今回は、母の産駒が遅めの成長だったとの事で敢えて2歳王者のリオンディーズを指名したことからも、クラブの母へ賭ける思いが伝わってきます。

リオンディースに関しては、下記の「馬体は語る」の著者である治郎丸さん×緒方さんの対談でも取り上げれられていますので、是非ご一読ください。

現在は育成の最終段階のビクトリーホースランチ名張分場で調整中です。移動前は追うごとに評価が上がっていった一頭です。成長がかみ合えば素晴らしいスピードを披露してくれそうです。


以上、高橋楓が選ぶ大樹ファームから期待の3頭です。

2015年産世代は勝ち上がり率50%超、現3歳世代の2017年産からもタイキラッシュが[2-4-1-1]で3,000万円を超す獲得賞金でオープン入りを果たしています。是非、タイキ軍団にもご注目頂ければと思います。

この記事が皆様のPOG戦略のお役に立てれば幸いです。

※記事内のクラブの名称はクラブ法人(馬主名義)を使用しています。
※記事内の数字は2020年6月2日現在になります。
※記事内の写真は募集カタログの写真になります。

あなたにおすすめの記事