[連載・クワイトファインプロジェクト]第26回 議論なき業界に発展なし

4月1日16時から、You Tubeチャンネルの生配信を行いました。

概要は以下の通りです(当日のシナリオです。話しの流れで読まなかった箇所もありますがそのまま掲載しています)。

近況と今年の予定

・種牡馬としての活動は継続します。今年のあと2頭の結果にかかわらず種牡馬活動は継続します。

・今年、自分の繁殖に付けるかどうかは未定です。今のところ、今年はお休みする可能性が大ですが、残り2頭(特にイットーイチバン)の結果で方向性を変える可能性はあります。理由は後で説明します。

・正直なところ、今年は種付け0も覚悟していましたが、確定ではないもののオファーはいただいており、何とかゼロは避けられそうです。これも決まり次第ご報告します。

今年産まれた仔(バトルクウの2023)について

・産まれた仔には何の罪もない。少なくとも競走馬として、もっとも皆様から祝福される形でデビューさせることは責務であると思っています。

・一方で、プロジェクト全体の運営管理、とくに資金繰りの責任も負っており、そこで破綻することも避けなければならない。それも現実です。

・プロジェクト全体の話で言えば、私が「ウマフリ」コラムなどで再三申し上げている通り、産まれた仔たちをちゃんと流通ルートに乗せなければいずれ限界が来ます。とくに牝馬はなおさら。今でこそだいぶ牝馬でも流通するようになりましたが、昔は牝馬が産まれると牧場が倒産する、みたいなこともよく言われていました。

・なので、今後の基本的戦略としては、バトルクウ2023については、クラブ法人に提供し、皆様に愛馬としてかわいがっていただくことを目指したいと考えています。

・ガレットデロワの陣営さんが今後どのような戦略をお考えかはわかりませんが、以前にウマフリや週刊朝日のインタビューで同様のことを言及されていましたし、もし同じような方向性をお考えであればぜひ協力していきたい。

競馬サークルにちゃんと意思を伝えていくために

・とは言え、ことはなかなか簡単ではないです。

・正直なところ、競馬サークル(生産者・大手馬主・厩舎関係者・メディア)の中には、このプロジェクトを白眼視している人はたくさんいるでしょう。具体的なことはまだ言えませんが、面会すら断られた人もいます。

・マイナー種牡馬の仔は募集しても売れない、結果が出なければなおさら、という側面があるのも事実であり、クラブ法人が警戒感を示すのも無理はないです。しかし、逆に言えば完売できるだけの戦略とバックボーンがこちら側にあるにも関わらず、それなのに門前払いを喰うのは納得いかない面もあります。

・そのような現状において、資金力のない私にとって馬一頭を面倒見ることは死活問題であり、後先考えず種付を行うことには慎重にならざるを得ません。

・世論をきっちり高めていって、クラブ法人と対等に話ができるような戦略をこれから立てていきたいと考えています。そのためにはお金よりも、本当に皆様の一人一人の声が必要です。

・意中のクラブはもちろんあります。私の動画をチェックしていただいている方はもう察しがついているかと思います。過去の動画(ブルーノ・ユウキさんゲスト回の後編)を見ていただければ概ね見当はつくかと思います。そういう戦略です。

・もちろん、競馬サークルの中からはかなり辛辣な意見も出てくるでしょうし、ネットでもいろいろあると思います。しかし、このプロジェクト4年目になりますが、「血統はどんどん寡占化されるべき」という意見はまず見たことがないです。以前にも取り上げました国際血統書委員会の決議にもある通り、今の状況は決してホースマンが望んでいる姿ではないと思うのです。

・とは言え、血統の寡占化をどう是正していくかという課題について、正面切って議論するだけの環境になっていないのも現実です。あと1年でどこまで変えていけるか。正直なところ、今年産まれた仔馬の今後を決める意味でも、あと1年で情勢が何も変わらなければ、そこが潮時かなという思いはあります。そこに風穴を空けるべく、競馬に詳しい国会議員とも連携しながら進めていきたいと考えています。

終わりに

・そうは言っても競馬は娯楽です。皆さんに夢を売ることで成り立っています。悲壮な顔してばかりいても支持は得られません。このYouTubeも、明るく楽しい情報発信の場としていきたい。そのスタンスは継続したいと思っています。

以上が動画のシナリオ(一部加筆)でした。

このコラ厶でも動画でも再三述べている通り、議論もせずにすべてを資本主義・自由経済に委ねた結果が今の寡占化です。かかる状況が続けば遠からず人工受精解禁の圧力も強まるでしょう。

議論なくして発展なし。

私は訴え続けます。

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