季節外れの暖かさに包まれた日本列島。
いよいよ春の足音を肌で感じられるようになったが、競馬界でも着々と春のG1戦線に向けた戦いが始動している。20日の阪神競馬では「京都牝馬ステークス」が行われた。馬場改修の影響で今年は阪神競馬場芝1400mで行われた1戦。昨年の勝ち馬サウンドキアラはここを舞台にG1戦線の主役級にまで成長した。今年はどの馬がのろしを上げるか。
レース概況
開幕2週目の阪神競馬場。
芝状態は絶好のコンディションでレースが行われた。人気の面では大混戦。
1番人気に推されたのは連勝でオープンに昇級したリリーバレロ。そして重賞ウィナーのシャインガーネット、イベリスも人気に推された。
内回り1400ｍのスタート地点からゲートオープン。まずは酒井騎手が騎乗してから一貫の逃げをとるイベリスが先頭に出る。さらにアマルフィコーストやメイショウショウブが続き、先行勢はごった返しとなった。
人気のリリーバレロとシャインガーネットは共に並んで中団を追走。アイラブテーラーやギルデッドミラーが後方からのレースとなった。
4コーナーではイベリスからシャインガーネットまで5頭広がって直線に向いた。逃げていたイベリスを、先行勢のリバティハイツやシャインガーネットが追う。さらに後方からギルデッドミラーやブランノワールが脚を伸ばすが先頭との差が全く詰まらない。
逃げるイベリスは経済コースをスルスルと、余裕の粘り脚を見せる。大混戦の2着争いを尻目に1馬身強の差をつけて悠々の逃げ切り勝ち。
鞍上の酒井学騎手もイベリスの首筋に手を当てた。会心の逃げ切り勝ちとなった。
各馬短評
1着 イベリス （酒井学騎手 3人気）
スタートダッシュをいかした見事な逃げ切り勝ち。
好スタートから先頭を奪うと終始経済コースを通ってレースを進めた。直線に向いても余力は十分。後続から迫る各馬に影をも踏ませぬ走りで逃げ切った。
イベリスにとってはこれが3歳時のアーリントンカップ以来の重賞制覇。また1頭、牝馬戦線に名乗りを上げる馬が誕生した。
2着 ギルデッドミラー （福永祐一騎手 5人気）
追い込み各馬が馬券圏内に突っ込んだ中、2着に入ったのはギルデッドミラーだった。
道中は中団10番手辺りを追走。直線ではシャインガーネットの後ろを追いかけ、坂を駆け上がった所で馬群を抜け出して2着に入線した。
3歳からマイル戦でしのぎを削ってきた能力は、古馬になっても健在だ。
3着 ブランノワール （団野大成騎手 9人気）
こちらも追い込みを見せて上位入線となった。道中は後方の追走。直線では大外に出して追い込んだ。
上がりはメンバー2位の33秒7を記録。先行勢有利の馬場の中、しっかりと差し脚を伸ばしたのは瞬発力の高さの証明だ。若武者を背に、こちらも牝馬G1奪取へ名乗りを上げる。
総評
京都牝馬ステークスはイベリスの逃げ切り勝ちとなった。まさに影をも踏ませぬ逃走劇となった今回のレース。アーリントンカップでも逃げ切り勝ちを収めているように、この馬本来のスピードがしっかりと戻ってきたように感じたレースであった。
新たな女王の座を巡る戦いが、いよいよ本格化してきた。
