「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末のレースを勝ち上がった一口馬主クラブの2歳馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線や世代の各路線、古馬になって活躍する名馬がきっと現れるはずです。
今週はどのような期待馬が勝利を収めたのでしょうか?
10月12日(土)
京都1R 2歳未勝利(牝馬限定)・ダート1,200m・1:13.4
トゥインクルアップ - ユニオンオーナーズクラブ
牝馬(6番人気)
父:ロジャーバローズ
母:ジョリーアップ(母父:バトルプラン)
厩舎:杉山 佳明(栗東)
騎手:鮫島 克駿
生産牧場:大島牧場(浦河町)
一口価格:47,500円(200口)
好スタートから押して譲らず先手を奪い[12.4 - 11.8 - 11.9]とラップを刻みます。直線でも後続から迫られながら粘り切り、3戦目での嬉しい初勝利となりました。
母ジョリーアップもトゥインクルアップと同じユニオンオーナーズクラブで募集され、ダートの1,000~1,200mで逃げる競馬をし3勝をあげる活躍をしました。ちなみに募集額は42,500円(200口)で総額850万円でしたが、3,435万円稼いでくれています。
本馬もユニオンオーナーズクラブ内で55頭中下から4番目の950万円募集とリーズナブルでしたが、デビューから2戦連続4着、そして今回の勝利で早くも総賞金だけで743万円を回収してくれた馬主孝行な1頭です。
今日の走り、そして母と同じような走りからはやはりダートの1,200m以下で現状は適性を感じます。
京都2R 2歳未勝利・ダート1,800m・1:55.2
ヴェーヌドール - G1サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:チェルシークロイスターズ(母父:First Samurai)
厩舎:武 英智(栗東)
騎手:坂井 瑠星
生産牧場:追分ファーム(安平町)
一口価格:1,500,000円(40口)
スタートをしっかりと決めるとコーナーを利してハナを奪います。スローペースに落とせたとはいえ、常に半馬身程度後ろから競られる展開となり楽な競馬では決してありませんでした。
そして直線では一度は交わされかけますが、もうひと伸びし3/4馬身差をつけゴールを駆け抜けました。3着以下は約8馬身程度離しており今日は快勝と言って良いでしょう。
母チェルシークロイスターズは北米で1勝ですが芝のGⅢなどで2着の経験があり、母父のFirst Samurai(ファーストサムライ)も北米で5勝をあげGⅠシャンペンSなどの勝ち鞍をあげています。
血統背景からデビュー2戦は芝のレースを使われ、前走で初めてダートを使われると0.2秒差の2着と好走し今回の初勝利へと繋げました。現状の530kgの雄大な馬体を見るとやはりダート向きの印象で距離はもう1ハロン延長されても問題ないように映りました。
京都5R メイクデビュー京都・芝2,000m・2:00.7
ナグルファル - 社台サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:ランドオーバーシー(母父:Bellamy Road)
厩舎:杉山 晴紀(栗東)
騎手:川田 将雅
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
一口価格:1,750,000円(40口)
好スタートを切ると逃げる選択肢もあったと思いますが2番手のポジションを選択し、折り合いながらレースを進めます。ラスト200mでスピードに乗ると2着馬とのマッチレースを制してデビュー戦を制しました。
少々、口向きが難しそうな印象を受けましたが、初戦ですからそこまで気にする必要はなさそうです。
母は北米でGⅡ勝ちの実績がありケンタッキーオークスでも2着と好走。兄姉4頭は全馬JRAで勝利をあげており、1歳上のサトノエピック(父:キタサンブラック)は今年の東京ダービー競走、ユニコーンSともに2着と活躍しています。
今日の競馬からは2,000mはもちろん大丈夫でしょうし、成長していけば2,400mも十分に守備範囲に入るでしょう。次走以降で早めに賞金を加算し、余裕をもって来春のクラシックを意識したい存在なのではないでしょうか。
新潟6R 2歳未勝利・芝2,000m・2:02.3
ビーオンザカバー - 社台サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:ハービンジャー
母:セレブリティモデル(母父:キングカメハメハ)
厩舎:伊藤 圭三(美浦)
騎手:横山 武史
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
一口価格:600,000円(40口)
スタートは五分ででるも無理に先団争いには加わらず中団に構える展開。直線では思い切って馬群に切り込み、内を突いて伸び3戦目での初勝利となりました。
父ハービンジャー×母父キングカメハメハの組み合わせからは今年の牝馬二冠のチェルヴィニア、2018年有馬記念制覇を含み重賞で大活躍したブラストワンピース、2017年エリザベス女王杯を制したモズカッチャンなど活躍馬が多数。
母はビーオンザカバーと同じ社台RHで競走馬生活送ったセレブリティモデルで、忘れな草賞など芝の中距離を2勝しています。
こういった背景を考えると、適正は芝の2,000~2,400mくらいと考えるのが良いでしょうか。
デビュー2戦は北海道シリーズの馬場が重い中でのレースになりましたが、今日のレースで鋭い脚を使えることが分かりました。これまで色々と経験できており次走以降での走りにも期待をしたいと思います
10月13日(日)
東京3R 2歳未勝利・芝1,800m・1:48.0
カラマティアノス - サンデーサラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:レイデオロ
母:ダンサール(母父:ハーツクライ)
厩舎:奥村 武(美浦)
騎手:北村 宏司
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:1,250,000円(40口)
スタートではやや遅れ、後方からレースを進める展開。とはいえ直線では1頭違った脚を披露し、デビュー3戦目で初勝利をあげました。
祖母がサトノフラッグやサトノレイナスを輩出した亜国3歳牝馬チャンピオンのバラダセール。母ダンサールはG1サラブレッドクラブの所属馬として一口700,000円で募集され芝の2,000mのレースで3勝をあげています。
父レイデオロ×母父ハーツクライの組み合わせからは芝の2,000m以上戦で3勝をあげているアドマイヤテラが誕生しています。イメージ通り、距離は長めが良さそうです。
とはいえカラマティアノスは現状はテンションの高い面なども見受けられ、まずはマイルくらいが良さそうに映ります。成長してからは長い距離も視野に入れることが出来ますので、守備範囲の広い現役生活を期待します。
10月14日(月)
東京2R 2歳未勝利・芝1,400m・1:21.7
ボンヌソワレ - 社台サラブレッドクラブ
牝馬(2番人気)
父:レイデオロ
母:ノッテビアンカ(母父:Kendargent)
厩舎:宮田 敬介(美浦)
騎手:戸崎 圭太
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
一口価格:900,000円(40口)
なかなか牝馬で苦戦が続いているレイデオロ産駒。JRAでは嬉しい6頭目の勝ち上がりです。
スタートをきった瞬間は遅れてしまうかと思いましたが、あっという間に勢いがついて先団を進み、直線では鋭い末脚を披露し最後まで止まりませんでした。
母ノッテビアンカは仏国のGⅠで3着などの成績。産駒は4頭中3頭がJRAで勝ち星があり、ロングラン(父:ヴィクトワールピサ)は6歳になった今年重賞戦線で活躍し成長力があるところを見せています。
血統だけ見ると2,000mあたりに適性を感じるのですが、今日の走りを見ると短い所が良さそう。実際にデビュー2走はマイル戦でしたが、今日は1,400m戦でスピードにのって走れていました。まずはこれくらいの距離を続戦し勝ち星を積み重ねていきたいところです。
東京5R メイクデビュー東京・芝1,800m・1:47.7
デンクマール - サンデーサラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:モーリス
母:リリーノーブル(母父:ルーラーシップ)
厩舎:田中 博康(美浦)
騎手:C.ルメール
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:1,500,000円(40口)
素晴らしい飛び出しからハナを奪い、直線でも持ったまま。C.ルメール騎手が追い出すとスッと反応し、ただ1頭逃げていながら上がり3ハロン33秒台の末脚。これでは後続は何もできません。今日は完勝です。
母リリーノーブルはデビュー2連勝で挑んだ阪神JFでラッキーライラックの2着。年が明けてからもチューリップ賞3着。そしてクラシックではアーモンドアイという強敵らとの戦いの中で桜花賞3着、オークス2着と常に世代の上位で活躍をしました。
そして初年度の配合相手に指名されたのがモーリス。544キロと初仔とは思えない雄大な馬格には驚きました。
今日の走りからは2,000mまでは十分に守備範囲に映りますし、マイル戦でスピードを活かすこともできるでしょう。陣営の次走の選択が大変楽しみな逸材が現れました。
新潟1R 2歳未勝利・ダート1,200m・1:12.5
シルフズミスチーフ - G1サラブレッドクラブ
牝馬(2番人気)
父:Into Mischief
母:Heavenhasmynikki(母父:Majestic Warrior)
厩舎:池江 泰寿(栗東)
騎手:団野 大成
生産牧場:Northern Racing(米国)
一口価格:800,000円(40口)
直線では大勢決したかと思った後にグンとひと伸び。見事に3戦目で勝ち上がりを果たしました。団野大成騎手の3コーナーからの仕掛けが非常によく、ゴールまでシルフズミスチーフもその手綱さばきに応え伸び切ってくれました。
父が北米のリーディングサイヤーInto Mischief(イントゥミスチーフ)で母が北米8勝と活躍したHeavenhasmynikki(ヘヴンハズマイニッキー)という血統。字面だけ見ると疑いようのないようなダート馬に思えます。
デビュー戦は430キロということも考慮してか芝のレースを選択。前走のダート戦ではプラス14キロの馬体で出走も13着と大敗。3戦目、しかもダートでキッチリ後ろからの競馬で結果を残してくれたことは今後を見据えたうえで非常に明るい材料だと思います。
※本記事内のクラブ名は愛馬会法人名を使用しています
写真:Aska、うみ、s1nihs