今年の白山大賞典に、昨年の覇者メイショウカズサが連覇を目指して登場してきた。
この白山大賞典、中央との交流重賞となってから今年で25年。四半世紀の節目を迎える。
その間に連覇を果たした馬は3頭。これを多いと見るか少ないと見るかは意見の分かれるところだろう。
そんな偉業を果たした3頭を振り返ってみる。
キョウトシチー(1997年、1998年)
中央との交流重賞になったその年と翌年に、いきなり連覇したのがキョウトシチー。
キョウトシチーは7歳を迎えた年、交流元年の波に乗って全国を転戦するも7連敗を喫してしまう。
捲土重来を期して挑んだ白山大賞典。初めて走る金沢の舞台でキソジゴールドに4馬身差をつけて圧勝劇を見せた。白山の後は復調し、翌年の春にはドバイワールドカップに出走するまでになった。
そのドバイからブリーダーズゴールドカップを挟んで再び白山大賞典に出走。
前年より3㎏増えた57㎏の斤量でも単勝1.7倍の一番人気。レースでは高知のマルカイッキュウに徹頭徹尾マークされるもクビ差凌いで連覇を果たした。
翌年には3連覇を目指して出走するも、台頭してきたマチカネワラウカドなどの前に敗れて5着。
このレースが現役最後のレースとなった。
エーシンモアオバー(2012年、2013年)
連覇は上記の2年だが、2011年から2014年まで4年連続で白山大賞典に出走しているのが、エーシンモアオバー。
エルムS→白山大賞典→浦和記念→名古屋グランプリ→佐賀記念→名古屋大賞典→重賞→エルムSと判を押したようにこのローテーションで走り、そこにこのレースが組み込まれていた。
最初の出走は6歳。3番人気で迎えるもここは二ホンピロアワーズ、ナムラダイキチの前に3着。
その後、ローテーション通りに進み、名古屋グランプリを制覇して迎えた2回目の白山大賞典。
4番人気とやや評価が下げられたが、スタートから逃げて迫るハタノヴァンクール、シビルウォーをとの激戦わ制し、人気を覆す優勝を果たした。
その後、ローテーション通りに進むも勝てず。前年以来の勝利を目指して白山大賞典に挑んだ8歳の秋。
丸1年勝っていない、前走13頭中11着という事でまたもや4番人気となった。しかし、金沢に来ると燃えるのか鳴りを潜めていた粘る逃げが復活。迫る元金沢のサミットストーンを4分の3馬身抑えて連覇を果たした。
その後、ローテーション通りに進み、名古屋グランプリを制覇し、佐賀記念をパスして迎えた4度目の白山大賞典。
斤量は58㎏と最重量、出走馬で最年長の9歳。それでも2番人気に推されて3連覇目指して果敢に逃げを打つも6歳54㎏のマイネルバイカの前に1馬身半差で無念の2着となる。
結局エーシンモアオバーの白山大賞典は4回走って3着、1着、1着、2着と馬券圏内を外さなかったが、ついに1番人気となる事はなかった。
グリム(2018年、2019年)
上記2頭は古馬になってから実力を発揮した馬たちだったが、グリムは3歳4歳で連覇を果たした馬だった。
3歳の重賞レパードSを制した勢いで金沢に乗り込んで来たグリム。2番人気と1番人気を譲るも重賞の舞台で見せた逃げをここでも見せつけ、影も踏ませぬ圧倒劇で2着センチュリオンに5馬身の差をつけて圧勝した。
さらに、レコードのおまけもつく激走だった。
その後名古屋大賞典、マーキュリーCとダートグレードを2つ制して迎えた2回目の白山大賞典。
今度は堂々の1番人気に推されての登場を果たす。去年とは違って逃げではなく3番手でレースを進めたが、そして、最終コーナーで先頭に立つと最後の直線で猛追してきた2番人気デルマルーヴルをクビ差抑えて3頭目の連覇を飾った。
その後は故障などで思うように走ることができず、今年高知へ移籍となった。今はまだ下のクラスだがまだまだその走りは健在。
何とか順調に走れるようになって高知から再び金沢の舞台に来る事を願いたい。
メイショウカズサはこの3頭に次ぐ連覇を達成できるのか。
そこからまだ誰も達成していない三連覇へと続けるのか。
それよりも白山大賞典が交流重賞になって以来続いている中央勢23連覇(2007年のみ金沢所属馬限定)が続くのか途切れるのか。
今年の白山大賞典も目が離せない。
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