ラジオNIKKEI賞ってどんなレース?

1952年に皐月賞の前哨戦として4歳(現在の3歳)馬による重賞競走「中山4歳ステークス」の名称で創設。第1回は中山競馬場の芝1800mで施行されました。
1954年(第3回)からは、春のクラシックシーズン終了後の6月下旬~7月上旬に施行されるようになりました。

競走名は1959年と1960年が「日本短波賞中山4歳ステークス」、1961年から1978年まで「日本短波賞」、1979年から2005年まで「ラジオたんぱ賞」、2006年からは現在の「ラジオNIKKEI賞」と変更、負担重量も別定からハンデキャップへと変更されました。

ラジオNIKKEI賞を勝った馬

1955年から1967年までの間は日本ダービーを勝った馬の出走が認められなかったことなどから「残念ダービー」と呼ばれることもあるラジオNIKKEI賞。これまで勝った馬にも、日本ダービーで敗れた馬、日本ダービーに出走できなかった馬が多くいます。

その中でも、1977年のこのレースを勝ったマルゼンスキーは印象に残る名馬です。朝日杯3歳ステークス(現在の朝日杯フューチュリティステークス)を無敗で制した馬ですが、当時は持ち込み馬(外国で種付けをして日本で生まれた馬)のクラシック参戦は認められず、このレースで7馬身差の圧勝劇を演じました。

他にも、皐月賞馬ハワイアンイメージ(1980年)やダイナコスモス(1986年)がこのレースを制しています。

今年の主な出走馬

グレイトオーサー(牡3 美浦・堀厩舎 54Kg レーン騎手騎乗)

4月にデビューしてから2戦2勝のグレイトオーサー。無傷の3連勝を目指し、出走します。

2歳時に牧場で骨折したため、デビューは3歳の未勝利戦からとなった本馬。ラスト600mのタイムが最速の34.0秒をマークし、直線で差し切る競馬をみせました。2戦目の1勝クラスは逃げる展開になりましたが、スローペースに乗じてラスト600mのタイムが33.7秒とメンバー中3番目の速さで逃げ切るなど、レースセンスの高さが伺えます。今回は重賞初挑戦となりますが、素質ではメンバーの中でもトップクラス。いきなりでも十分通用する可能性は高いです。

サクラトゥジュール(牡3 美浦・堀厩舎 54Kg 石橋騎手騎乗)

堀厩舎から、もう1頭。1勝クラスを制したサクラトゥジュールも重賞制覇に挑みます。

1勝クラスを勝ち上がったばかりの馬ですが、実績から行けば十分太刀打ちできる馬でしょう。
デビュー2戦目のひいらぎ賞では桜花賞3着のスマイルカナとタイム差無しの2着。リステッド競走のジュニアカップでは1番人気に支持され、スプリングステークス3着のサクセッションと0.4秒差の3着。これまで強豪馬を相手に、安定した戦績を残してきました。
気難しい馬なので「スムーズな競馬をできれば」という条件はつきますが、乗り慣れた石橋騎手が騎乗する辺り、チャンスは十分にあるはずです。

パラスアテナ(牝3 美浦・高柳瑞厩舎 52Kg 武豊騎手騎乗)

芝路線に転向してから2戦2勝のパラスアテナ。牝馬としては1993年のシンコウラブリイ以来となるラジオNIKKEI賞制覇を狙います。

福島の未勝利戦(芝2000m)では2着に5馬身差を付ける圧勝。続くカーネーションカップ(1勝クラス)ではラスト600mのタイムがメンバー中最速の33.3秒を披露して差し切りました。カーネーションカップで2着に入ったセイウンヴィーナスが重賞のクイーンカップで0.1秒差の3着に入っている点を踏まえると、牡馬との混合重賞でもメンバー次第で通用するポテンシャルはあります。
武豊騎手が福島競馬に遠征するあたり、陣営の本気度も伺えます。

コンドゥクシオン(牡3 美浦・中舘厩舎 53Kg 石川騎手騎乗)

梅雨時の今を考えると、重馬場の競馬で実績を残している点もポイントとなります。そこで浮上するのが、このコンドゥクシオンです。

デビュー戦では不良馬場で行われ、2番手から抜け出す競馬を披露。さらに、2勝目をあげた山桜賞(重馬場)では中団から追い込む競馬を見せるなど、脚質に幅のあるのも大きな強みになります。
青葉賞では12着と敗れましたが、距離適性や、良馬場で行われた影響を考えると、今回軽視する根拠としては薄いかもしれません。
また、2勝馬の多くが54Kgのハンデであるのに対し、この馬は1Kg軽い53Kgで出られる点も気にしたいところです。

その他では、未勝利・1勝クラスと連勝中のルリアン(牡3 栗東・佐々木厩舎 54Kg 坂井騎手騎乗)、未勝利・1勝クラスの早苗賞と連勝中のバビット(牡3 栗東・浜田厩舎 53Kg 団野騎手騎乗→内田博騎手騎乗)、1勝クラスでプリンシパルステークス2着のポタジェを破ったアルサトワ(牡3 栗東・斉藤崇厩舎 54Kg 田辺騎手騎乗)らが出走します。トップハンデが54Kg、最軽量のアールクインダムが51Kgとハンデ差が僅か3Kgのレース。混戦が予想されます。

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