[重賞回顧]秋のG1へ中山から始動〜2021年・産経賞オールカマー〜

中山競馬場で行われる伝統の重賞競走オールカマー。
10月の天皇賞や11月のジャパンカップにつながる重要な前哨戦となる。

今年は「強い牝馬時代」を象徴するメンバー構成となった。
中山の急坂を駆け上がりG1へつなげる馬は、果たしてどの馬か。

レース概況

今年のオールカマーは、人気上位に牝馬が多く食い込むメンバー構成となった。

1番人気に支持されたのは大阪杯を制したレイパパレ。
前走の宝塚記念で連勝はストップをしてしまったが、それでもインパクトのある連勝劇で勝ち上がった姿は秋以降の巻き返しに期待が持てるものだった。オールカマーを経て新たなタイトルへと邁進するか。

続く人気は同じく牝馬のウインマリリン。
若武者横山武史騎手を背に、この中山でも結果を残してきた牝馬である。悲願のG1制覇へ向け、勢いをつけたいところ。そしてグローリーヴェイズやランブリングアレーも人気で続く。G2としてはかなり楽しみなメンバーが揃った一戦となった。

中山競馬場4コーナー付近でのゲートインが終わり、レーススタート。

先行争いはまず最内枠のウインマリリン、大外枠のロザムールが火花を散らす展開に。
その結果ハナを奪ったのは大外ロザムール。追走に内からウインマリリン、そして外からはレイパパレが先団に取り付く形となった。さらにその後ろにアールスター、ステイフーリッシュ、ウインキートスが続く。

レースが動いたのは3コーナー。
グローリーヴェイズが一気に後方からまくり上げて先頭に並んできたのである。

あわせてレイパパレが動き、広がって直線に向いた。まず先頭に立ったのはレイパパレ。そしてグローリーヴェイズが追走。

もがきあう2頭の間に進路が出来ると、そこから突き抜ける1頭が居た。

──ウインマリリンだった。

一気に突き抜けると2馬身リードを作ってゴールイン。見事な力強い走りで重賞制覇となった。

各馬短評

1着 ウインマリリン (横山武史騎手 2人気)

先行争いを繰り広げたウインマリリン。

最後の直線では中々進路が開かず苦戦していたが、進路が開くと豪脚一閃。レイパパレとグローリーヴェイズというG1馬2頭をまとめて差しきった。日経賞を制した中山で新たな勝利を挙げたウインマリリン。いよいよ初タイトルへ、場は整った。

2着 ウインキートス (丹内祐次騎手 5人気)

外からしぶとい脚で伸びきったウインキートスが2着になった。先団内で追走したウインキートス。直線では伸びあぐねているように見えたが、坂を越えて本領発揮。しぶとい脚で2着に差しきった。ウインでのワンツーが決まったウインキートス。こちらもG1制覇へ道が広がった。

3着 グローリーヴェイズ (M.デムーロ騎手 3人気)

国内G1制覇を目指すグローリーヴェイズが3着入線となった。道中は後方にいたが向こう正面からスパート。まくって一気に先頭まで差を詰めるとトップ争いに食い込んだ。最後は2頭に交わされたがレイパパレには競り勝つことに成功した。6歳秋を迎えたグローリーヴェイズ。その走りに衰えは感じさせない。

総評

オールカマーはウインマリリンの勝利でウインのワンツー決着となった。

進路を見つけてからの伸びはまさに一級品。この勝利でG1戦線への幅が広がっただろう。関東の若武者を連れて新たなタイトルへ。ウインマリリンの攻勢はまだ続く。

SY

写真:かぼす

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