「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末の新馬戦を勝ち上がった馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線で活躍する名馬や、古馬になって活躍する名馬が、きっと現れるはずです。
今週は、どのような期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?
10月10日(土)
東京4R メイクデビュー東京・ダート1,600m・1:38.5
ディールクルム
牡馬(4番人気)
父:キングカメハメハ
母:ミゼリコルデ
母父:Fasliyev
生産牧場:追分ファーム(安平町)
所属:田村康仁厩舎(美浦)
鞍上:三浦皇成騎手
強烈な末脚を披露して新馬勝ちです。
レース当日は砂の上に水溜まりが出来るほどの悪条件の中でしたので、得意不得意の面が大きかったと思います。その分、次走以降の走りでこの馬の能力が改めて問われる事になるでしょう。
母父のFasliyev(ファスリエフ)は、JRAでこそ目立った活躍馬がでていませんでしたが、父キングカメハメハと配合する事でNorthern Dancerの5×5×4×4という非常に重厚なクロス、さらにはMr.Prospectorの奇跡の血量が成立します。濃すぎるクロスは健康面や気性等に影響するケースもあると聞きますが、この馬の場合プラスに働いたとみて良いでしょう。
先にも書きましたが今日は馬場が悪すぎた面もありますので、次走でどの様な脚を使えるか要注目です。
内容によっては来春以降、ダート戦線で楽しみな一頭になるでしょう。
東京5R メイクデビュー東京・芝1,600m・1:40.2
ディープリッチ
牡馬(16番人気)
父:ディープブリランテ
母:デビルズコーナー
母父:Songandaprayer
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:小島茂之厩舎(美浦)
鞍上:武藤雅騎手
単勝大万馬券には恐れ入りました。セレクトセールで2,900万円で取引されたとはいえ、兄姉の成績が余りにも奮っていなかった為にデビュー戦では軽視されたことによるオッズなのでしょうが、ラストの脚は一番でした。
母父Songandaprayer(ソングアンドアプレイヤー)は最近では2020年NHKマイルカップの覇者ラウダシオンの母父となります。
台風の影響で馬場が悪化していましたし、マイルで1:40.2というタイムが示す通りパワー競馬になった面は否めませんが、次走以降でどの様なレースをするか楽しみです。
京都4R メイクデビュー京都・ダート1,200m・1:11.6
ディオスクーロイ
牡馬(2番人気)
父:マジェスティックウォリアー
母:ナムラエラン
母父:アグネスタキオン
生産牧場:臼杵牧場(浦河町)
所属:松下武士厩舎(栗東)
鞍上:川須栄彦騎手
父マジェスティックウォリアー×母父アグネスタキオンという血統は、過去8頭がJRAで出走し1頭の勝ち上がりに留まっていましたが、ここで結果をだしてくれました。
京都の馬場も水が浮くほどの不良馬場でしたが最後まで真面目に走り切った事は非常に評価できます。
スタートからの反応も良かったですし、今日は完勝でしたので次走以降良馬場のダートでどの様なレースをするかで改めて評価したいと思います。
京都5R メイクデビュー京都・芝1,600m・1:36.6
アールドヴィーヴル
牝馬(2番人気)
父:キングカメハメハ
母:イサベル
母父:ディープインパクト
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:今野貞一厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手
馬場状態を考慮すれば、非常に強い勝ち方をしました。
血統を見ると父キングカメハメハ×母父ディープインパクトという超豪華配合ですが、ここまでこの組み合わせはJRAにて30頭中14頭の勝ち上がりに留まってきました。しかし、今年の新潟記念でブラヴァスが重賞初制覇。父キングカメハメハの馬は残り少ないですが、それでも今後の活躍が見込まれる配合です。
母方を見るとリンカーン、ヴィクトリー等活躍馬が並ぶ良血馬。
今後はどれくらいキレる脚が使える馬に成長するかがポイントとなりそうです。
10月11日(日)
東京4R メイクデビュー東京・芝1,400m・1:24.3
ジャガード
牡馬(3番人気)
父:トーセンラー
母:オーガンディー
母父:フレンチデピュティ
生産牧場:岡田スタッド(新ひだか町)
所属:和田雄二厩舎(美浦)
鞍上:M.デムーロ騎手
直線で大外に持ち出し、力強く差し切りました。
父トーセンラー産駒はアイラブテーラーが代表馬となってきましたが、芝の中距離を得意とするザダル、洋芝を得意とするファンシャン、重馬場で3戦全て馬券圏内のグルアーブなど、色々な個性派が登場しています。
今日のレースから見るに、まだまだ気性を含めて課題が多いかと思いますが、力強さはしっかりと確認する事が出来ました。
次走以降、良馬場でどの様なレースが出来るかが試金石。よりスピードがついてくれば、父の代表産駒への道が拓けてくるかと思います。
東京5R メイクデビュー東京・芝2,000m・2:04.5
レインフロムヘヴン
牡馬(6番人気)
父:ドゥラメンテ
母:レディオブヴェニス
母父:Loup Solitaire
生産牧場:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
所属:堀宣行厩舎(美浦)
鞍上:M.デムーロ騎手
重賞戦線の常連だったアクションスターの半弟レインフロムヘヴンが新馬勝ちです。
母レディオブヴェニスは米国で重賞馬として活躍し繁殖入り。日本馬3頭(キストゥヘヴン、ディアデラノビア、コイウタ)が参戦した2007年のキャッシュコールマイルの勝ち馬でもあります。
レースでは、勝気な性格からか一気に先団に取り付く競馬となりましたが、直線での叩きあい、そして仕掛けられてからしっかり反応して勝ち上がるレースぶりからは光るものが見えます。
今日で道悪を経験できた点も先々につながると思いますし、兄の様に重賞戦線で戦っていける素質は十分だと感じました。
京都3R メイクデビュー京都・ダート1,800m・1:52.3
ドンカポノ
牡馬(2番人気)
父:ヘニーヒューズ
母:エルクイーン
母父:Tiznow
生産牧場:土田農場(新ひだか町)
所属:庄野靖志厩舎(栗東)
鞍上:北村友一騎手
北海道サマーセールにて1,050万円で落札されたドンカポノが新馬勝ちです。
スタートはやや一息だったものの、先団に取り付くスピードもありましたし、騎手の仕掛けにもしっかりと反応し粘る2着馬を競り落としたのですから新馬戦としては高評価の内容だったと思います。
馬体や血統背景からも、今日くらいの条件が現状はあっているでしょう。
次走でゲートをしっかりと出た際にどのような競馬をするのか改めて見てみたい一頭です。
京都4R メイクデビュー京都(牝馬限定)・芝1,400m・1:23.3
オプティミスモ
牝馬(12番人気)
父:リーチザクラウン
母:カノヤザミラクル
母父:ダンスインザダーク
生産牧場:浜本牧場(日高町)
所属:石坂公一厩舎(栗東)
鞍上:藤井勘一郎騎手
人気薄をあざ笑うかのような快勝です。
父リーチザクラウン×母父ダンスインザダークはJRAにてわずか2頭しか例がなく、地方を含めても3頭しかデビューしていません。その中の一頭がシンザン記念の勝ち馬キョウヘイです。この配合はサンデーサイレンスの3×3が成立し、体質面や気性面で敬遠されるケースもあるため、例が少ないようです。
今日のレースを見るにスタートからスピード良く先団に取り付きましたし、直線に入ってからは藤井騎手の仕掛けにしっかりと反応し抜け出しました。新馬戦としては上々の内容です。
近親にはカノヤザクラがいるスピード血統でもあります。距離は現状これくらいが良いと思いますし、次走以降も決してフロックとは思わずに侮れない一頭だと思います。
京都5R メイクデビュー京都・芝1,800m・1:49.7
ヴアーサ
牡馬(7番人気)
父:キズナ
母:ブリリアントクラン
母父:ロックオブジブラルタル
生産牧場:矢野牧場(新ひだか町)
所属:鮫島一歩厩舎(栗東)
鞍上:藤岡康太騎手
直線で馬群を割り、力強く伸びての新馬勝ちです。
配合を見るとウインドインハーヘアの3×3という血統は驚きました。
今後こういった配合も見る事になるかも知れませんので、この馬には注目していきたいと思います。
道中はジッと馬群で我慢をし、直線では一度外目に進路をとりましたが徐々にインに進路を向け勝負根性を見せました。次走以降でも注目していきたい一頭です。
新潟5R メイクデビュー新潟・ダート1,200m・1:13.5
リヴウェル
牡馬(6番人気)
父:シニスターミニスター
母:ドラゴンアリー
母父:Indian Charlie
生産牧場:市正牧場(浦河町)
所属:深山雅史厩舎(美浦)
鞍上:岩田望来騎手
母父のIndian Charlie(インディアンチャーリー)は、父としてはダート向きのチャーリーブレイヴ、母父としてはシヴァージ等、バラエティに富んだ産駒を輩出しています。リヴウェルの場合は父シニスターミニスターの良い所をしっかりと活かした印象です。
今日は直線でラチ沿いのインを通り力強く抜け出す競馬でした。
500kgの馬体からも現状はダートの短距離で良さが活きそうなタイプかと思います。