[一口馬主]トップを目指せ! 2歳世代、今週の勝ち上がり馬たち 2024/10/26,27

「road to the future」未来へ続く道。

このコーナーでは、週末のレースを勝ち上がった一口馬主クラブの2歳馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線や世代の各路線、古馬になって活躍する名馬がきっと現れるはずです。
今週はどのような期待馬が勝利を収めたのでしょうか?

10月26日(土)

東京11R アルテミスS・芝1,600m・1:33.8

ブラウンラチェット - サンデーサラブレッドクラブ

牝馬(3番人気)
父:キズナ
母:フォエヴァーダーリング(母父:Congrats)
厩舎:手塚 貴久(美浦)
騎手:C.ルメール
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:1,250,000円(40口)

今年で13回目のアルテミスS。過去の勝ち馬には今年の牝馬二冠を達成したチェルヴィニア、2021年阪神JF勝ち馬サークルオブライフ、GⅠ3勝のソダシ、GⅠ4勝のラッキーライラック、国内外GⅠ4勝のリスグラシューなど活躍馬が多数いる出世レースです。今年はブラウンラチェットが快勝しました。

スタートをきっちり決めると道中は3、4番手を追走。息を入れながら自身のペースで進めていました。直線に向くと長く良い脚を使い完勝。タイムは昨年のチェルヴィニアがマークした1:33.6に0.2秒届かなかったものの、好時計をマークしています。

今日の競馬やデビュー戦の内容を見ても距離は2,000mくらいまでなら問題なく、成長次第では2,400mも十分にこなせるでしょう。
賞金も加算できましたし、来春へ向けて前途洋洋と言えるのではないでしょうか。

東京1R 2歳未勝利(牝馬限定)・ダート1,600m・1:39.0

クラリネットソナタ - 社台サラブレッドクラブ

牝馬(2番人気)
父:ナダル
母:レニーズゴットジップ(母父:City Zip)
厩舎:田中 博康(美浦)
騎手:川田 将雅
生産者:社台ファーム(千歳市)
一口価格:1,000,000円(40口)

スタートは五分にでましたが無理に先頭集団争いには加わらず、道中は中団からやや後方でレースをすすめます。
直線ではラスト200mあたりからグンと加速し、離して抜け出していた2着馬を素晴らしい末脚でゴール前差し切り半馬身差を付けました。
前走では芝のレースを選択しましたが、現状はやはりダートに適性を感じる走りでした。

母レニーズゴットジップは米国でGⅡ勝ちをあげ、GⅠでも2着が4回。通算8勝をあげた活躍馬。父は2020年にアーカンソーダービーなど重賞3勝を含む無傷の4連勝を飾ったナダルです。
480キロ台の馬体はさすがといったところでしょうか。

今日のような走りができるならば上のクラスにいっても大丈夫でしょうし、距離をデビュー戦と同様に1,800mまで伸ばしても問題ないでしょう。

東京4R メイクデビュー東京(牝馬限定)・芝1,400m・1:23.1

ルージュラナキラ - 東京サラブレッドクラブ

牝馬(4番人気)
父:アドマイヤマーズ
母:レッドアネラ(母父:カジノドライヴ)
厩舎:加藤 征弘(美浦)
騎手:岩田 康誠
生産者:坂東牧場(平取町)
一口価格:60,000円(400口)

スタートを決めると好ダッシュで一気にハナへ。終始、先頭を譲ることなくラスト200mではもう一伸びし見事に逃げ切り勝ちをおさめました。

母レッドアネラも同じ東京サラブレッドクラブ、そして加藤征弘厩舎で現役生活を送りました。現役時代はダートの短距離にて4勝をあげオープンまで出世しました。血統表に目を向けるとサンデーサイレンスの奇跡の血量にあたる3×4、そしてNorthern Dancer、Blushing Groom、Mr. Prospectorの5×5がそれぞれ成立している興味深い背景があります。

初仔ながら466キロでのデビュー。距離は現状は1,400mあたりが向いているように映りましたが、もう1ハロン延長までは問題ないように感じました。

東京5R メイクデビュー東京・芝1,600m・1:36.5

パーリーラスター - 社台サラブレッドクラブ

牝馬(5番人気)
父:モーリス
母:リュミエールドール(母父:ルーラーシップ)
厩舎:池上 昌和(美浦)
騎手:横山 武史
生産者:社台ファーム(千歳市)
一口価格:600,000円(40口)

五分のスタートを切るとジンワリと二の脚がつき先頭を奪います。前半の600mを36.6秒というマイペースに落とし、ラスト300mあたりで差を広げ、最後まで前を譲ることなく見事に逃げ切り勝ちをおさめました。

母リュミエールドールも社台サラブレッドクラブの募集馬で現役生活ではダート1,700m戦で2勝をマーク。曾祖母にはオルフェーヴルやドリームジャーニーに輩出したオリエンタルアートがいる血統背景です。

今日は横山武史騎手の指示にもすんなり反応していましたし、新馬戦としては及第点以上の内容。距離は現状マイルくらいが丁度良い様に映りました。

京都1R 2歳未勝利(牝馬限定)・ダート1,400m・1:25.4

アンズアメ - ユニオンオーナーズクラブ

牝馬(4番人気)
父:ドレフォン
母:ホウライマツリ(母父:エンパイアメーカー)
厩舎:高柳 大輔(栗東)
騎手:鮫島 克駿
生産者:ハクレイファーム(新冠町)
一口価格:75,000円(200口)

ポンと好スタートを切ると無理をすることなく先団を見る形に。直線に向くと大外から追い出し、一完歩ずつ差をつめ、ゴール前で前をとらえ切り3戦目で嬉しい初勝利をあげました。

半兄インペリシャブル(父:エスポワールシチー)はデビュー4連勝で川崎の2歳重賞・鎌倉記念を優勝。その後も大井、姫路、名古屋で重賞を制覇し、通算10勝をマークしています。

今日はこれまでよりも距離を1ハロン以上短縮して、鋭い末脚を見せていますので適性はダート1,400mあたりと見るのが良さそうです。またタイムは翌日6Rの同条件で行われた3歳以上1勝クラスでも2着に食い込める数字なだけに、今日は評価のできる走りだったのではないでしょうか。
余談ですが、これでデビュー戦(勝ち馬:マジックサンズ)のメンバーは1~4着、6、7着馬が勝ち上がっており非常にレベルの高い一戦だったことが証明されています。

京都4R メイクデビュー京都・ダート1,400m・1:25.5

ヴィリアリート - シルク・ホースクラブ

牝馬(1番人気)
父:ナダル
母:メリーウィドウ(母父:ゴールドアリュール)
厩舎:西村 真幸(栗東)
騎手:C.デムーロ
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:48,000円(500口)

今日はヴィリアリートの力が一枚上だった。その言葉しか見つかりませんでした。
スタートで後手を踏みますが、C.デムーロ騎手に促されアッという間に先団にとりつきます。4コーナーで先頭に並びかけ直線では3馬身と1/2突き放しました。

母メリーウィドウもシルク・ホースクラブから募集されダートのマイルから1,800mで4勝をあげる活躍をしました。母としては初仔のジュディッタ(父:ダノンレジェンド)がダート1,800mを4勝。ドレフォン産駒のヴァランシエンヌがダート1,700m、1,800mで1勝ずつ、インテルメディオもダート1,800mで1勝と非常に堅実な成績を残しています。

上記のことからもヴィリアリートの適性距離は1,800m前後となりそうだと予想されます。とはいえ今日の切れ味は目を見張るものがあり、今後のローテーションが非常に楽しみとなりました。

新潟6R 2歳未勝利(牝馬限定)・芝1,600m・1:35.1

マイスターヴェルク - キャロットクラブ

牝馬(1番人気)
父:ドレフォン
母:マスターワーク(母父:ダイワメジャー)
厩舎:勢司 和浩(美浦)
騎手:杉原 誠人
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:60,000円(400口)

スタートを決め無理をせずに2番手からの競馬を選択。直線では早めに先頭へ立つと後続をしっかりとおさえて2馬身差をつけ、2戦目での勝ち上がりを果たしました。

母マスターワークもキャロットクラブの所属馬として現役生活を送り、芝の2,000mで2勝をあげました。
父はダートで好成績のドレフォン。祖母イグジビットワンの産駒がJRAであげた勝ち星は、中日新聞杯の勝ち馬メートルダールを筆頭に全て芝。どちらの適性をマイスターヴェルクが引き継ぐかと思いましたが、現状は牝系の芝適性を継いでいるように思います。

今日は未勝利戦としては注文の付けようがなく、距離もマイルくらいまでは十分に走れそうに映りました。

10月27日(日)

東京3R 2歳未勝利・芝1,400m・1:20.7

チューラワンサ - キャロットクラブ

牝馬(4番人気)
父:レイデオロ
母:ディーパワンサ(母父:ディープブリランテ)
厩舎:高野 友和(栗東)
騎手:C.デムーロ
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:100,000円(400口)

スタートは速くありませんでしたが、道中は馬のやる気に任せて好ポジションまで押し上げます。直線ではラスト400mあたりから徐々にスピードに乗り、逃げ馬を鋭い脚で交わすとゴールまでしっかりと走り切りました。

母ディーパワンサもキャロットクラブの所属馬として現役生活を送り、デビュー2連勝で中京2歳S制覇、阪神JF4着など早いうちから活躍をしました。
父は牡馬に成績が偏っているレイデオロですが、牝馬の成績も2023年が0勝に対し、2024年は10月20日の段階で6勝と徐々に適性や扱い方が分かってきたように感じます。まだまだ牡馬が優勢には変わりませんが、これからの活躍にも期待です。

チューラワンサのレースぶりから、現状はスプリントから1,400m戦がベストに感じました。

京都3R 2歳未勝利・芝2,000m・2:01.6

ロードガレリア - ロードサラブレッドオーナーズ

牡馬(1番人気)
父:フィエールマン
母:エトワールブリエ(母父:ロードカナロア)
厩舎:藤岡 健一(栗東)
騎手:西村 淳也
生産者:ケイアイファーム(新ひだか町)
一口価格:44,000円(500口)

スタート後にハナを主張しあっという間に先頭へ。終始、大きく離す展開にはなりませんでしたが直線で仕掛けられると一気にセーフティリードに広げました。今日は西村淳也騎手が無駄なのない競馬をしてくれたと思います。

母エトワールブリエもロードサラブレッドオーナーズで募集され、ダート1,200m戦で2勝をあげて繁殖入り。初仔の半兄ロードヴェスパー(父:キタサンブラック)は芝2,000mの未勝利戦を勝ちあがっています。

ロードガレリアは父がフィエールマンにかわり、今日のラスト3ハロンは【12.0 - 11.8 - 11.9】とまとめました。最後まで脚があがらないレースぶりからも、2,000m戦以上も十分に守備範囲でしょう。

京都4R メイクデビュー京都・ダート1,800m・1:54.5

ゴールデンクラウド - シルク・ホースクラブ

牡馬(2番人気)
父:Cloud Computing
母:Seoul Gold(母父:Medaglia d'Oro)
厩舎:小林 真也(栗東)
騎手:鮫島 克駿
生産者:Todd Sheehan & Burton Johnson(米国)
一口価格:56,000円(500口)

道中は非常に出入りが激しい競馬。4コーナーからはゴールデンクラウドと、2着となった1番人気ダノンヴェステルが激しい叩き合いのデッドヒートと、見ごたえのある競馬でした。

父Cloud Computing(クラウドコンピューティング)は米国にて8戦2勝。2017年のGⅠプリークネスステークスの覇者。母父のMedaglia d'Oro(メダグリアドーロ)は本国においては、2012年の愛知杯を制したエーシンメンフィスの父、2023年の牡馬三冠皆勤賞だったファントムシーフやショウナンバシットの母父と言うとピンときやすいかもしれません。

今日の後続を7馬身以上離したレースぶりからは、ダートで距離を伸ばしても大丈夫な様に見受けられます。早いうちに2勝目をあげられれば世代のダート中距離界の新星となりうる存在ではないでしょうか。

※本記事内のクラブ名は愛馬会法人名を使用しています

写真:かずーみ、kaito、INONECO、s1nihs

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