アルゼンチン共和国杯ってどんなレース?
アルゼンチン共和国杯は1963年に、日本とアルゼンチンの友好と親善の一環としてアルゼンチン・ジョッキークラブから優勝カップの寄贈を受け、「アルゼンチンジョッキークラブカップ」として創設されました。1974年にアルゼンチンの競馬がジョッキークラブから国の管轄に移管されたことに伴い、翌1975年に現在の名称である「アルゼンチン共和国杯」に改められました。
第1回は3歳以上・別定の条件で、5月の東京競馬場・芝2300mで行われましたが、翌1964年から4歳以上に変更。その後、幾度かの距離・条件変更を経て、1984年に開催時期を11月に繰り下げたタイミングで3歳以上・芝2500mのハンデキャップ競走となり、現在に至っています。グレード制導入後の1984年からはG2競走として行われています。
アルゼンチン共和国杯を制した馬達
11月に移行して以降、アルゼンチン共和国杯はジャパンカップや有馬記念への出走を目指す馬にとって重要なレースとなっています。
2008年のこのレースを制したスクリーンヒーローはそのままの勢いを保って、同年のジャパンカップを制しました。また、スクリーンヒーローの息子で2015年のこのレースを制したゴールドアクターも、同年の有馬記念を制しています。ちなみに、アルゼンチン共和国杯を親子で制したのはスクリーンヒーローとゴールドアクターしかいません。
また、2016年にこのレースを勝ったシュヴァルグランは、翌2017年のジャパンカップを制覇。2017年にこのレースを制したスワーヴリチャードは、翌年の大阪杯と昨年のジャパンカップを制しました。
過去にも2007年にこのレースを制したアドマイヤジュピタは翌年の天皇賞・春を制しているなど、翌年以降の古馬G1戦線を盛り上げるような馬達が、そのキッカケとしてこのレースを制しています。
今年の見どころ
ユーキャンスマイルが得意の左回りで重賞4勝目を挙げるのか?
天皇賞・春で4着に入ったユーキャンスマイル(牡5 栗東・友道厩舎)。
秋の始動戦はこのレースになりました。
菊花賞で3着、天皇賞・春4着と右回りのG1レースでも活躍していますが、東京・新潟コースの左回りコースでは5戦3勝4着2回と結果を残しています。4着2回もG1レースの天皇賞・秋やジャパンカップで、特に昨年の天皇賞・秋のラスト600mのタイムがメンバー最速の33.7秒をマーク。勝ったアーモンドアイが33.8秒だったので、左回りでのポテンシャルは高いものです。
ハンデ戦なので重たいハンデを背負わされますが、ここは実績・得意の左回りコースでカバーできると思います。
オーソリティが青葉賞の再来となる走りを見せるのか?
青葉賞をレースレコード勝ちしたオーソリティ(牡3 美浦・木村厩舎)。
菊花賞には向かわず、秋はここから始動します。
青葉賞を制したオーソリティですが、軽度の骨折のため悲願の日本ダービー出走は叶いませんでした。
元々は新馬戦、芙蓉ステークスと連勝し、G1のホープフルステークス5着、G2の弥生賞ディープインパクト記念を3着に入った実績を持っている活躍馬。
血統を見ると、父がオルフェーヴル、母方の祖母がシーザリオと、東京・中距離は合いそうです。
青葉賞をレースレコードで走った反動か、そこで上位だった馬がその後伸び悩んでいるのが気になりますが、この馬のポテンシャルでカバーできる範囲でしょう。
メイショウテンゲンをはじめ、その他の出走馬にも要注目!
宝塚記念5着のメイショウテンゲン(牡4 栗東・池添兼厩舎)。
ディープインパクトの子供にしてはスタミナがあるタイプですので、距離延長は歓迎だと思います。
さらに注目は、毎日王冠3着のサンレイポケット(牡5 栗東・高橋義厩舎)。1800mの毎日王冠、2000mの新潟記念共に3着でしたが、3勝クラスのジューンステークスは芝2400mのレースで勝利しているので、距離延長は問題ないはずです。
同距離の目黒記念で2年連続のアイスバブル(牡5 栗東・池江厩舎)も参戦。
昨年のこのレースは11着に敗れておりますが、東京芝2400m~芝2500mは5戦1勝2着2回と相性の良い舞台です。休養明け3戦目で馬がガラリと変わるかも知れません。
その他では昨年の京成杯を制したラストドラフト(牡4 美浦・戸田厩舎)。今年の函館記念を制したアドマイヤジャスタ(牡4 栗東・須貝厩舎)。昨年の菊花賞2着のサトノルークス(牡4 栗東・池江厩舎)が出走を予定しています。