![[イベントレポート]白毛馬ラテちゃんに歓喜!新たな「体験型」馬産地巡り、アオラキfamily倶楽部ツアー](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/06/20260531_135359.jpg)
2026年5月最終週、北海道にて「アオラキfamily倶楽部」によるツアーが開催された。
このツアーは、カスタディーヴァやその子供たちへ実際に会い、触れ合うといったことを目的に催されたもの。彼女たちのオーナーである石井輝昭さんのご厚意によって企画され、実際に彼らが育成のため休養にあてらているディアレストクラブや、生まれ故郷である生産牧場を回ることでファンとの交流やつながりをより深めようというイベントである。
今回は、その「アオラキfamily倶楽部」のツアーの様子の一部をお届けする。
■ スノーエルヴァとファナウのお披露目 あの「ロイヤルファミリー」も登場!?
2026年5月30日午前9時15分、新千歳空港に集合した30人以上の「アオラキfamily倶楽部」の方々。石井さんが手配した貸し切りバスに乗り込み、ツアーがスタートした。
出発して間もなくバスは馬産地通りへと向かい、車窓から放牧されたサラブレッドが確認できるようになっていく。その景色をバックに、石井さんから様々なトークが展開されてゆく。なかでも「カスタディーヴァはゴールドシップと相性が良い」というお話には、会員の方々も大いに盛り上がる。石井さん曰く、「ゴールドシップは種付けが終わってもカスタディーヴァを離さないんですよ。もう1回始めようとするくらいだから、よほど彼女はゴールドシップに好かれているんでしょうね」とのこと。かつてアオラキが産まれたこの配合から、彼以上の活躍を見せる馬が誕生する時は訪れるだろうか。
そんな話で心を躍らせながらいると、気が付けばバスは浦河へ。第一の目的地であるディアレストクラブの育成場に到着していた。ここでは、本州から休養のために帰ってきているスノーエルヴァとファナウのお披露目会が執り行われた。
到着後は取締役の高樽優也さんに案内役を務めていただく形に。2頭の近況報告をしていただいていると、まずはファナウが厩舎から引かれて登場。

父ヘニーヒューズの2歳馬である彼女は、デビューを目指して順調に調教を積んでいるとのこと。
その馬体はがっしりしながらも、非常に軽そうな脚取りで父譲りのスピードがありそうな踏み込みに映った。まずは順調にデビューの時を迎えてほしい。

そして、次に現れたのがスノーエルヴァ。脚元の強化を見込んで乗り込んでいるとの事ではあるが、予定していた函館での復帰は厳しそうとのこと。8月札幌で未勝利脱出のラストチャンスを狙って始動させたいという予定と共に、今後の育成期間はしっかり仕上げ切って行きたいという力強いコメントをいただいた。

東京の新馬戦では初戦から2着に来た才能の持ち主だけに、是非、未勝利脱出の最終切符を掴んでひとつ上のクラスへ駒を進めてほしいと思う。
この後はスノーエルヴァとの写真撮影がスタート。各々持ち寄ったフィギュアやグッズなどを手に、思い思いのポーズでスノーエルヴァと写真撮影を行っていた。

これでディアレストクラブの育成場でのイベントは終了となるかと思いきや、牧場のご厚意でもう1頭登場。なんと、テレビドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」で「ロイヤルファミリー」の役を演じた俳優(?)、ブレイヴソルジャーである。
ブレイヴソルジャーは前週、新潟の1勝クラスで3着となったばかりで、まさにこのツアーが開催された当日の午前中に北海道に戻って来たとのこと。移動の疲労などもあってややチャカチャカしたところは見せていたが、それでも我々の前で立ち止まった際は大きく暴れることなく、そのきらびやかな姿を披露。ドラマでも輝いていた栗毛の馬体は、照り付ける太陽に反射してより光っていた。彼がここからどのような道を歩んでくれるのか、楽しみだ。

■ 話題を集めた「ラテ」との触れ合いタイム
育成場での写真撮影タイムを終えたツアー御一行は次なる目的地、ディアレストクラブの生産牧場へ。その前に、こちらもディアレストクラブのご厚意でBTCの育成場内へ入場することが叶った。
ここから案内役は代表取締役の高樽秀夫さんにバトンタッチ。早速展望台へ案内していただき、頂上から見える見事な絶景を見せていただいた。
さらに、ドラマでは「ニューマーケットの調教場」として使われた広大な丘は、展望台のすぐ後ろ。天気も良く、澄み渡るような青空と緑深い草木という、まさに絶好の「映えスポット」を前に、撮影会が開始。各々が持ち寄ったグッズなどを地面に置いて、ベストショットを追い求めていた。

ちなみに筆者も石井さんからぬいぐるみを受け取り、スマホを片手に何枚も写真を撮ったが、その際に使用したぬいぐるみは、この春ドウデュースとカスタディーヴァの間に誕生した当歳馬、通称「ラテ」のもの。白い馬体に茶色い斑模様を持つ彼の特徴を再現するべく、石井さんが各所を駆け巡り完成に近づけているというこのぬいぐるみは、触り心地やビジュアルが非常に完成されており、この日の風景にベストマッチしていた。近日中に商品化するとのことで、販売の際はぜひご購入を検討されてみてはいかがだろうか。

展望台から車を走らせること数十分、ディアレストクラブの生産牧場に到着すると、そこには我々の到着に先んじて外で待機してくれていたカスタディーヴァと「ラテ」の姿が。2頭の馬体が見えるや否や車内からは感嘆の声が沸き上がったように、多くの会員の方々が彼女たちに会える日を心待ちにしていたのは間違いない。
バスを降りると、会員の方々に向けて近況報告が始まったが、驚くべきは2頭の様子。なんと、普段は非常にうるさいところを見せているというカスタディーヴァと「ラテ」が、この日はかなり大人しかったのである。石井さんも「こんなに静かなカスタディーヴァとラテはなかなか見られないね」と仰っており、普段の振る舞いからは考えられないような状態だったという。まるで、我々の到着を待ってくれていたかのような──と考えるのは、ちょっと欲深いだろうか。


この後「ラテ」との写真撮影会が開催されたが、そこでもまるで当歳とは思えない、落ち着き払った様子で会員の方々との写真撮影を行っていた。その様子はどこか大物感があるようなものと言ってよく、2年後のデビューが非常に楽しみになるもの。

撮影会を終え、放牧地に戻って行く際の走り方も、一気にトップスピードに乗っていく元気いっぱいな様子。大物の器を存分に感じさせるふれあいであった。


■ アオラキの守り神、ドナーホースのミルクティー
ラストは少し移動し、アオラキと同期のユニバーサルドナーホース、ミルクティーが放牧されている場所へと移った。彼は御年6歳になるハフリンガー種のポニー。アオラキが当歳の頃から1歳の秋まで常に一緒にいたというが、ミルクティーの存在は、アオラキにとって非常に大きかったのではないかと思われる。

目立つ白毛は他の馬から標的になりやすく、どうしてもグループから孤立しやすいという定説がある。アオラキも例に漏れず、幼い頃はグループ化が始まると周囲からいじめられることもあったというが、それを見つけた時、いつもミルクティーがすっ飛んできて守りに入ったという。結果、アオラキはミルクティーに守られたことによって順調に育ち、育成牧場へ旅立つことになったのだから、彼の存在はかけがえのないものだったのではないだろうか。

そんなミルクティーはアオラキと別れた後、ユニバーサルドナーホースとして生きることになった。ドナーホースとは読んで字のごとく、他馬への輸血などが必要になった際に活躍する馬のこと。馬の血液型は細かく分類すると3兆通りとも言われており、安全に輸血を行うのは非常に難しい。だが、ミルクティーのようなハフリンガー種は、どんな馬に輸血しても副作用や拒絶反応が極めて少ない、優秀な血の持ち主なのである。
また彼は、サラブレッドが幼い時に発症しやすい「ロドコッカス菌」への抗体も持っているため、幼駒の育成段階においては非常に重宝する存在である。競馬場で活躍するサラブレッドとはまた違う側面で、馬たちにとってのヒーローなのである。
牧場を駆け巡り嘶く彼の姿は、この血から旅立ってゆく数々の優駿を応援しているようにも感じられた。

■ おわりに
上記の行程を終え、18時半頃に新千歳空港に戻って来た今回のバスツアー。牧場をめぐり、実際の競走馬やデビュー前の馬達と触れ合い、ドナーホースという存在にも触れるバスツアー…。まさに、今までの「牧場ツアー」とは一線を画した取り組みで、より馬たちの存在を身近に感じることのできるツアーではないだろうか。
石井さんはツアーの冒頭で「やはりサラブレッド、ひいては馬という存在は実際に会ってみてこそ、です。僕は馬主を始めてからそこまで馬に興味があるわけではなかったですが、アオラキに実際に会い、触れた時に『コイツかわいいな』という感情を揺さぶられました。だから、彼らに会えるうちは会った方が良いなと。それはファンの皆様も一緒で、競馬場で見る側面とはまた違った観点で彼らに会い、より深い愛情を注ぎ、興味を持つことができるなと思います」と語っていた。その言葉通り、彼らが戦場で見せる顔とは異なる一面に触れ、馬という生き物を知ることは、競馬ファンとしても非常に意義深いものになることは間違いない。
そして何より白毛という、サラブレッドの中でも非常に珍しい存在をこれほど近くで感じることができるというのは大きな魅力ではないだろうか。バスツアーは来年も計画されているとのこと。是非、興味がある方は「アオラキFamily倶楽部」の一員となり、実際にカスタディーヴァやスノーエルヴァ、「ラテ」たちに会いに行ってみてはどうだろうか。きっと、今まで競馬場で見ていた彼らとは違った一面に出会える、素晴らしい一日になるだろう。

写真:アオラキfamily倶楽部、小早川涼風
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