[リーディング]千代田牧場とコントレイルの躍進!ゴーイントゥスカイが各部門で変化の流れを生む

競馬の流れは、数字で如実に表れる。好調な陣営や種牡馬を見つけ、注目するのも楽しみのひとつと言えるだろう。先週の競馬をリーディングの順位とともに振り返る。

■厩舎リーディング 矢作芳人厩舎が2位奪還!笹田和秀師はJRA通算300勝達成

熾烈な2位争いにまたしても動きがあった。先週開始時点で3位につけていた矢作芳人厩舎が、日曜新潟11Rのルミエールオータムダッシュ(L 3歳以上OP 芝1000m直線 モズナナスター・富田暁騎手)をはじめ土日で3勝を加算。斎藤誠厩舎を抜いて単独2位に浮上した。

矢作厩舎は9月に入ってから2週続けて週間最多勝を記録するなど、一時は首位の杉山晴紀厩舎との差を急速に詰めていた。その後、斎藤誠厩舎がコンスタントに勝利数を積み重ねて2位を奪取。とはいえその差はわずかで、両者の争いが激しくなっていたなか、再び矢作厩舎が一歩前に出た格好だ。

ただ、首位の杉山晴厩舎も先週は1勝を加算し、年間54勝に到達。2位との差は11勝で、依然として大きい。残り2か月ほどとなった2026年。果たして、このまま杉山晴厩舎の独走となるだろうか。

先週が終了した時点で、TOP10の順位は以下の通り。

1位 杉山晴厩舎 54勝(+1勝) 先週1位
2位 矢作厩舎 43勝(+3勝) 先週3位
3位 斎藤誠厩舎 41勝(+0勝) 先週2位
4位タイ 中舘厩舎 36勝(+0勝) 先週4位タイ
4位タイ 大竹厩舎 36勝(+0勝) 先週4位タイ
4位タイ 池江厩舎 36勝(+0勝) 先週4位タイ
7位 寺島厩舎 35勝(+0勝) 先週7位
8位 福永厩舎 34勝(+1勝) 先週8位タイ
9位タイ 藤原厩舎 33勝(+1勝) 先週10位
9位タイ 手塚久厩舎 33勝(+0勝) 先週8位タイ

先週の日曜新潟10R村上特別は、ハートメテオ(富田暁騎手)が勝利。管理する笹田和秀厩舎はJRA通算300勝を達成し、現役70人目となる節目の数字に到達した。「定年までになんとか達成できて良かった」とコメントした笹田師。

かつてはオークス馬エリンコートや、エアメサイアの仔エアスピネルといった重賞ウイナーを管理し、今年9月にオールカマーを制したメイショウゲキリンも笹田調教師の管理馬である。同師は今年70歳を迎えたため、定年まで残り4か月ほどとなったが、ここからさらに勝ち星を積み重ねてほしいところだ。

■騎手リーディング 武豊騎手が三冠阻止の大仕事!横山兄弟も大活躍

日曜京都11Rの菊花賞を制したのは、武豊騎手が騎乗したゴーイントゥスカイ。史上9頭目のクラシック三冠がかかっていたロブチェンを破り、見事ラスト一冠を手にした。

武豊騎手にとって、菊花賞はこれが史上最多の6勝目。そして、57歳7か月での勝利は、自身が持つJRA・GⅠ最年長勝利記録の更新にもなった。長きにわたり第一線で活躍し続けるレジェンドが、またしても歴史にその名を刻んだ。

思えば、武豊騎手は05年にディープインパクトで三冠を達成。それから21年、今度はディープインパクトの息子であるコントレイル産駒に騎乗し、父と二代父が達成した三冠を阻止する側に回った。父子三代(コントレイルは福永祐一騎手が騎乗)の血を通じて、大記録達成と阻止の双方に立ち会うというのも、長いキャリアを誇る名手ならではのエピソードだろう。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 C.ルメール騎手 140勝(+3勝) 先週1位
2位 岩田望騎手 122勝(+3勝) 先週2位
3位 松山騎手 118勝(+1勝) 先週3位
4位 横山武騎手 99勝(+6勝) 先週4位
5位 川田騎手 91勝(+1勝) 先週5位
6位 坂井騎手 89勝(+2勝) 先週6位
7位 西村淳騎手 85勝(+2勝) 先週7位
8位 横山和騎手 73勝(+5勝) 先週9位
9位 丹内騎手 71勝(+1勝) 先週8位
10位 戸崎騎手 68勝(+1勝) 先週10位

土日で横山武史騎手が6勝をマーク。年間99勝まで数字を伸ばし、節目の100勝に王手をかけた。現在リーディング4位の同騎手だが、3位の松山弘平騎手とは19勝差。残りの開催で、どこまで数字を詰められるだろうか。

一方、兄の横山和生騎手も土日で5勝を挙げ、丹内祐次騎手を抜いて8位に浮上。横山兄弟が揃って週間上位の勝利数を記録した1週間だった。

■種牡馬リーディング コントレイルがついにTOP10入り!

日曜京都11Rの菊花賞を勝利したゴーイントゥスカイの父はコントレイル。三冠馬の初年度産駒から、いきなりクラシックホースが誕生した。この勝利でコントレイルは種牡馬リーディング10位に浮上。自身初のTOP10入りを果たした。

コントレイルは20年に無敗でクラシック三冠を達成。その父ディープインパクトも05年に同じ偉業を達成しており、父子二代での無敗三冠という歴史的な記録を作り上げている。そして、今回の菊花賞では、祖父ディープインパクト、父コントレイルに続く、史上初の父子3代による菊花賞制覇が実現した。

一方、三冠達成を阻まれたロブチェンの二代父もまたディープインパクトで、父は19年の菊花賞を制したワールドプレミアである。つまり、父子二代で無敗三冠を達成したディープインパクトとコントレイルの息子が、ディープインパクトのもう一頭の息子、ワールドプレミア産駒による三冠達成を阻んだのである。同じ祖父を持つ2頭が菊花賞で激突し、一方が歴史的偉業を達成しながらもう一方の偉業を阻止するというのは、どこか血統の因縁を感じさせる、なんともドラマチックな結末となった。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 キズナ 130勝(+2勝) 先週1位
2位 ロードカナロア 86勝(+4勝) 先週2位
3位 キタサンブラック 85勝(+1勝) 先週3位
4位 エピファネイア 100勝(+1勝) 先週4位
5位 サートゥルナーリア 80勝(+1勝) 先週5位
6位 ドレフォン 73勝(+2勝) 先週6位
7位 レイデオロ 66勝(+0勝) 先週7位
8位 モーリス 67勝(+2勝) 先週8位
9位 シルバーステート 63勝(+2勝) 先週9位
10位 コントレイル 64勝(+4勝) 先週11位

先週は2位ロードカナロアが4勝、キズナが2勝を加算したものの、順位に変動はなかった。ただ、ここからはGⅠの結果ひとつで大きく賞金が動く季節。今週の天皇賞(秋)に両馬の産駒はエントリーしていない一方で、3位キタサンブラックはクロワデュノールを送り出す。結果次第ではロードカナロアを抜いて2位に浮上する可能性もあるだろう。

産駒が菊花賞を制したコントレイルが一気にリーディングTOP10へ名を連ねたように、ビッグレースでの着順が今後の順位を左右することになりそうだ。

■生産者リーディング 千代田牧場が5年ぶりのGⅠ制覇!一気に7位へジャンプアップ

日曜京都11Rの菊花賞を制したゴーイントゥスカイは、千代田牧場の生産馬。この勝利により、同場は生産者リーディングで7位に浮上。上位10傑に名を連ねることとなった。

千代田牧場にとってJRA・GⅠ制覇は、21年の阪神JFを制したサークルオブライフ以来、およそ5年ぶりとなる。そして牡馬クラシックは、同場の長い歴史のなかでも今回が初制覇。かつて、スマイルトゥモローやホエールキャプチャといった名牝を送り出してきた牧場が、ついに牡馬クラシックの栄光を掴みとった。悲願達成に飯田貴大代表も「本当に信じられない気持ちで感無量です」とコメント。ゴーイントゥスカイの半妹ゴーイントゥノヴァなど、今年の2歳にも素質馬が多い千代田牧場の躍進にますます期待したい。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 ノーザンファーム 540勝(+7勝) 先週1位
2位 社台ファーム 234勝(+9勝) 先週2位
3位 三嶋牧場 56勝(+1勝) 先週3位
4位 社台コーポレーション白老ファーム 72勝(+2勝) 先週4位
5位 下河辺牧場 60勝(+0勝) 先週5位
6位 ケイアイファーム 48勝(+2勝) 先週6位
7位 千代田牧場 36勝(+4勝) 先週12位
8位 ノースヒルズ 54勝(+3勝) 先週7位
9位 ダーレー・ジャパン・ファーム 60勝(+0勝) 先週8位
10位 岡田スタッド 38勝(+0勝) 先週9位

1、2位は抜け出しているが、3位以下の争いに目を移すと大混戦。特に7位へ浮上した千代田牧場と、6位ケイアイファームとの差はおよそ7000万円で、今後の重賞や特別戦での活躍次第ではさらなる上昇も見込めるだろう。


今週はいよいよ天皇賞(秋)。春の実績馬と、夏や秋に勢いをつけてきた上がり馬が顔を合わせる大一番となる。リーディング争いにおいても、ここから年末にかけてGⅠの結果が順位を大きく左右する季節だ。

秋競馬も佳境を迎えようとしているなか、果たして次にその流れを変えるのは誰か。今週末も、人馬の熱戦を楽しみにしたい。

写真:s1nihs、かずーみ

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