[重賞回顧]樫の舞台でリベンジを誓う〜2021年・忘れな草賞〜

桜花賞デーの阪神競馬場。

この日はメインの桜花賞も含めて3鞍のオープン競走が開催された。

その一つが3歳牝馬によるもう一つの戦い「忘れな草賞」だ。残念ながら桜花賞の出走権利は得られなかったが、その先の大舞台でのリベンジを誓う11頭が集った。

伝統のオープン特別を制するのは、果たして。

レース概況

少頭数11頭立てとなった、今年の忘れな草賞。人気は2頭に集まった。

最内枠のタガノディアーナと、5番枠のステラリアだ。

この2頭は共に重賞からの連戦。特にタガノディアーナはチューリップ賞で4着と、桜花賞の優先出走権まであと少しのところで涙をのんだ。このレースでリベンジに燃えているのは確かだ。他にも重賞連戦でのぞんっだエイシンヒテンが出走。残りの各馬は1勝クラスのままオークスへ向けた切符を求めて参戦した。

スタンド前での、ゲートオープン。

先団は固まり加減だが、予想通りエイシンヒテンが先頭に立った。テーオーラフィット、ファジェスなどが2,3番手を固め、タガノディアーナとステラリアは中団をそれぞれ追走。11頭ながら、若干縦長の隊列で、レースは進んだ。

迎えた3コーナーから、ペースアップ。
後方の各馬もポジションを押し上げながらエイシンヒテンに迫った。

直線に向くとエイシンヒテンが一気に突き放す。リードは、2馬身。

2番手の一線からはタガノディアーナ、そしてステラリアが前へと迫る。

残り200mでエイシンヒテンの脚が鈍ると、一気にステラリアが接近。

そのまま勢い止まらず、エイシンヒテンを難なく差し切ってのゴールインだった。

各馬短評

1着 ステラリア (福永祐一騎手 2人気)

中団から見事な差し脚で勝利をつかんだ。

直線の入り口で前へと迫ると残り200mからの豪脚で前を差しきった。上がりタイムは最速の34秒3。高速タイム決着にも難なく対応した。

これでオークスへとつながった。クイーンCでは6着に敗れたが、次走で桜花賞組にリベンジを誓う。

2着 エイシンヒテン (団野大成騎手 5人気)

こちらも重賞で鍛えられた逃げ足が光った。

予想通りハナを奪ったこのレース。初の2000mでも終始ペースを握り、直線でもリードを広げる見せ場を作った。着順は2着だったが、確実に次につながる一戦だろう。

3着 ビッグリボン(川田将雅騎手 4人気)

キャリア2戦のビッグリボンが3着に入った。やや後方寄りの追走したビッグリボン。直線勝負にかけ、上がり3位の脚で上位争いに食い込んだ。オープン戦初挑戦で馬券圏内入着は力の証明。今後の成長にも期待だ。

総評

忘れな草賞はステラリアの勝利で幕を閉じた。

終始高速レースが続いたこの阪神開催も、各馬がしっかり対応してハイレベルな戦いが展開された。
ここで樫の舞台の権利を手にしたステラリア。桜花賞組に対抗する有力馬として、名乗り上げる。

写真:Ohigashi Makoto

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