それぞれの競馬愛 百戦錬磨の競馬ファンが、日本ダービーの「特別」を肌で感じ取った日。 2026年5月26日 これが日本ダービーの恐ろしさか──。 まるでキングヘイローとともに重圧に飲み込まれた福永祐一騎手のように、私は顔面蒼白で東京競馬場のスタンドに立ち尽くしていた。 2012年5月27日、午前7時45分。念願の日本ダービー初ライブ観戦の朝である。座席の争奪戦を制するために、時間に余裕を持って到着したつもりだった。にもかかわ... ハシスポ
「名勝負」を語る 競馬とリンクする、人生の記憶。車中でひっそり応援した、ジュールポレールと幸騎手のヴィクトリアマイル 2026年5月13日 競馬の思い出とリンクしながら頭に残る、人生の記憶がある。 いつも中身すっからかんな話をしていた学生時代の友人と、感動を分かち合ったあのレース。就職してすぐの頃、とにかく精一杯の日々を過ごしていた自分を勇気づけてくれたあの馬。結婚式の当日、みんなに祝福された余韻に浸りながら追っかけ動画で結果を確認した、本当ならリアタイし... ハシスポ
「名勝負」を語る その後に待ち受けている衝撃の『第ゼロ章』。ブラックタイドのスプリングS 2024年3月15日 ──皆さんは、ブラックタイドの新馬戦を見たことがあるでしょうか? ブラックタイドといえば、最近の競馬ファンにはキタサンブラックの父として、そしてイクイノックスの祖父としてすっかりおなじみでしょう。 しかし現役時代を過ごしたのはもう20年近くも前の話(2024年現在)。リアルタイムで彼の走りを見届けた人は私も含めたオール... ハシスポ
「名馬」を語る 歯車が狂い始めてからも、惨敗を目の当たりにしても…。稀代の個性派、ゴールドシップを想い続けるということ。 2023年7月14日 淀駅の大阪方面ゆきホームからは、ほんの少しだけ京都競馬場の芝コースを望むことができる。たった今まで激闘が繰り広げられていたターフからは、まだ熱気がゆらゆらと立ち込めているように映った。 2013年4月28日、15時50分。天皇賞の決着を見届けた瞬間、私はその場から逃げ出すように席を立つと、数分後にはもう帰りの電車に飛び... ハシスポ
「名馬」を語る 「ふたり」の時間は終わらない。ネオユニヴァースとM.デムーロ騎手の物語。 2023年1月30日 思わず声を出して笑ってしまった。 たぶん、彼がジョープロテクターに乗って淀短距離Sを勝ったときのことだったと思う。テレビ中継のカメラがいつものようにウィナーズサークルの様子を捉えると、そこには満面の笑みを浮かべながら、ターフィーくんに抱きついて喜ぶジョッキーの姿があった。まるで子どもが遊園地のキャラクターとじゃれ合って... ハシスポ
それぞれの競馬愛 ラヴズオンリーユーを愛した、すべての人たちへ。 2022年2月11日 一体どれだけの夢を叶えたのだろう。あなたの愛馬は、とてつもないことを成し遂げた。 父がディープインパクト、そして母がラヴズオンリーミー。すなわち2016年のドバイターフを制したリアルスティールの全妹が、DMMドリームクラブの所有馬となったのは翌17年のことだった。「たくさんの人に馬主気分を味わい、感動を共有してほしい」... ハシスポ
「名馬」を語る 「競馬は小説より奇なり」。今も競馬ファンの心を離さぬクロフネ物語。 2021年11月29日 読書が苦手だ。こうして競馬コラムを執筆しているだけでなく、自身のブログを日々更新していたり、あるいは本業でもコピーライティングの世界に身を置く立場でありながら、どうにも他人の文章を読むのが好きになれない。なかでも小説の類は「しょせんは作り話」と冷めた感情が邪魔をしてしまって、素直に楽しめないのだから困ったものだ。我なが... ハシスポ
「名馬」を語る 何を目に焼き付け、心に刻むか。「アナログ時代」の終盤を駆けたティコティコタックの思い出。 2021年10月16日 未勝利戦からメインレースまで、全ての映像がJRAのホームページにアーカイブされている現在とは違い、インターネット黎明期の2000年前後、さらにはそれ以前のレース動画を振り返るのは簡単なことではなかった。G1をはじめとする有名なレースならまだしも、条件戦ともなるとそれはほぼ不可能と言って良い。そこで頼りになるのは己の記憶... ハシスポ
「名馬」を語る 黄金世代のマイル王・ダノンシャンティの豪脚に魅せられて 2021年5月10日 直線の入り口で、まだ先頭までは10馬身以上あっただろうか。それでも、鞍上はその「差」さえも楽しんでいるように映った。そして、満を持してゴーサインが出された瞬間、府中のターフに一陣の風が吹き抜けた──。 2010年のNHKマイルCを制したダノンシャンティ。 最後方からの大外一気を決めた豪快な末脚と、当時の日本レコードであ... ハシスポ
それぞれの競馬愛 己の運命に打ち勝った名脇役、ウインバリアシオンに喝采を。 2021年4月29日 間違いなく、彼はその場に帰ってきた。 2013年の有馬記念。クラシック三冠馬であり、凱旋門賞でも二度の2着を経験した稀代の名馬オルフェーヴルの引退レースとして今も語り継がれる一戦で、その8馬身後ろの2着に入ったのがウインバリアシオンだった。影を踏むことすらできない、ぐうの音も出ない完敗。それでも彼にとっては大きな価値が... ハシスポ