「名馬」を語る グランプリこそ彼女の舞台 - 芦毛のヒロイン・クロノジェネシス 2025年12月28日 ぼくは、アスリートと呼ばれる人たちとは無縁の生活を送ってきた。幼稚園児のころから運動は不得意だったし、小学生になると体育の時間は苦痛以外の何物でもなかった。クラスの中で一握りの「運動が得意な児童たち」の華やかな活躍を冷ややかに眺めている、ノリの悪いその他大勢。そんなクラスのスターたちに対して憧れの気持ちを持っていなかっ... 高橋薫
「名馬」を語る タップ・ダンス・ダンス。最高の鞍上を迎えて道を切り拓いた名馬、タップダンスシチー 2025年11月29日 ■パドックで「タップダンス」を踊るサラブレッド 音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言ってることがわかるかい? 踊るんだ。踊り続けるんだ。なぜ踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなことを考えだしたら足が停まる。一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう... 高橋薫
「名馬」を語る ブエナビスタ - 一番人気に愛され、現役最強を名乗り続けた生真面目な才女 2025年11月6日 ■伝説の少女 2008年10月26日、京都競馬場で伝説となるレースが行われた。 そぼ降る雨の中、京都5レースの新馬戦芝1800mが幕を開ける。例年この時期の芝1800mの新馬戦は、将来的にクラシック出走を意識できる評判の新馬が集まってくる。この年もまた、豪華なメンバーが名前を連ねていた。1番人気は安藤勝己騎手と4枠4番... 高橋薫
「名馬」を語る ヤング・テイエムオペラオー - 後の絶対王者が過ごした雌伏の時 2025年4月17日 1999年3月28日、日曜日の昼下がり。牡馬クラシックの第一戦・皐月賞を目指す上で『東上最終便』とも呼ばれる4歳限定の重賞・毎日杯が、阪神競馬場において行われた。 毎日杯はクラシックのトライアルレースという位置付けではなく好走馬に優先出走権は与えられないものの、重賞のため、1,2着には獲得賞金が加算される。獲得賞金の順... 高橋薫
「名馬」を語る 2000年秋、内を突く勇気。トゥナンテと幸騎手の絆を感じた、毎日王冠と天皇賞秋 2024年10月27日 1982年うまれの名馬、サクラユタカオー。 父は仕上がりの早さと卓越したスピードを良く仔に伝えたことから馬産地の生産者に「お助けボーイ」と呼ばれたテスコボーイ、母はスターロッチ系の名牝アンジェリカという血統を持つ。2000m前後の良馬場を得意として、1986年の毎日王冠(東京芝1800m)と天皇賞・秋(東京芝2000m... 高橋薫
「名馬」を語る マーベラスサンデー - 父の苦難をなぞるかのように苦闘を続けた末に輝いた栄光 2024年8月18日 木々の緑が碧さを増し、東京競馬での連続GⅠ 開催が終わると、少し間を空けて宝塚記念がやってくる。「有馬記念の関西版」や「初夏のグランプリ」とも呼ばれる宝塚記念は、有馬記念と同様にファン投票を実施し人気投票により出走が決定する競走。阪神競馬場芝2200mで争われる上半期の総決算のこのレースは、異なる二つの貌を持っていると... 高橋薫
「名馬」を語る 1番人気はいらない、1着が欲しい!~炎の奪取・春二冠サニーブライアンの物語~ 2024年5月26日 「Sunny」という曲をご存じだろうか。アメリカのR&Bシンガー、ボビー・ヘブの手になる、’60年代ポップスを代表する名曲である。1966年に発売されたこの曲は、ビルボードのシングルチャートで2位となる大ヒットとなっただけでなく、フランク・シナトラやエラ・フィッツジェラルド、スティービー・ワンダーやザ・ベンチャ... 高橋薫
「名馬」を語る [競馬エッセイ]関東の刺客と呼ばれたライスシャワーの歩み 2024年4月27日 「俺はなあ、ライスシャワーが大好きなんだよ」。 生ビールをぐびぐびと飲み干したその男は、顔をくしゃくしゃにしながらそう言った。絵に描いたような”オジサン”の姿である。カラオケボックスと接続すれば浜田省吾の名曲がエンドレスで流れてきそうな男である。大学を卒業して早や35年、それ以来数えるほどしか会っていないのだが、ぼくは... 高橋薫
「名馬」を語る 二番人気に花束を。三冠牝馬スティルインラブが戦い抜いた3歳シーズンの蹄跡を振り返る 2024年4月2日 ──スティルインラブ。 2000年5月2日生まれの彼女は、日本競馬の歴史を塗り替えた大種牡馬・サンデーサイレンスを父に持つ。母はプラダマンテ(母の父ロベルト)、半兄に1996年のラジオたんぱ賞を勝ったビッグバイアモンがいる血統である。生産者は北海道・下河辺牧場、馬主は㈱ノースヒルズマネジメント。管理は栗東の松元省一厩舎... 高橋薫
「名馬」を語る ジャングルポケット~第三の敵を打ち破り、府中の杜に轟いた咆哮~ 2023年1月4日 ジャングルポケットの魅力は、どこにあるだろうか。 傷つき倒れた先達の意思を継いで、クラシックの勲章を勝ち取った栄光。古馬の強者どもに立ち向かい、府中の杜に勝利の雄叫びを上げた若駒の雄姿。 多様な魅力を持つ名馬であることは間違いないが、彼の横には常に”第三の敵”がいたようにも感じられる。そこがまた、ジャングルポケットの魅... 高橋薫