藤岡佑介騎手がフランスで調教に騎乗した感想とは!? オルフェーヴルをめぐる『マル秘エピソード』 - デアゴスティーニ《DVD付きマガジン》日本の名馬・名勝負

2024年9月から隔週で刊行されている、日本競馬史上に残る名馬たちの蹄跡をDVDとマガジンで完全収録した『《DVD付きマガジン》隔週刊 日本の名馬・名勝負』。

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といった、数々の魅力あふれる内容となっている。

今回の特集馬は、破天荒な三冠馬オルフェーヴル。
マガジンコンテンツの「オルフェーヴル マル秘エピソード」から内容を抜粋して紹介していく。

オルフェに乗ったもう一人の男

藤岡佑介騎手がフランスで調教に騎乗した感想とは!?

凱旋門賞が行われるフランス遠征の際、その鞍上にはC.スミヨン騎手があった。
そのため、池添騎手が遠征することもなく調教にも乗ることがなかったのだが、実は藤岡佑介騎手が凱旋門賞前の調教に騎乗していたという。

藤岡佑介騎手は2013年4月からフランスへ武者修行に出ていた。
その縁でオルフェーヴル2度目の遠征時に調教で騎乗していたのだ。
藤岡騎手と池添騎手の対談ではその事実が明かされている。ただ、藤岡騎手は乗った感想を「休み明けの1本目の追い切りだったから、ちょっと重かったんですよ。スピードに乗ってからは、やっぱスゲエな!って思ったけど」と正直にコメント。池添騎手から「めっちゃよかったやろ?」と聞かれたほどの手応えはなかったという。

さらに「乗り味がいいとか、よくいう背中が柔らかいとか、そういう感じではなかったんですよね。まぁ、僕はレースでは乗っていないから、オルフェーヴルのほんの一面を見たに過ぎないんですけど」とコメントし、池添騎手からは「それでも、日本人騎手でオルフェーヴルの乗り味を知っているのは2人だけ。正直、乗って欲しくなかった」と嫉妬されている。

オルフェーヴルが藤岡騎手に対して遠慮していたということはないだろうが、池添騎手に見せる姿とはまた違ったのかもしれない。オルフェーヴルは3歳の秋頃になると、レースでは池添騎手が口笛を2度鳴らすと反応して、動くことができていたという。調教の時から地道に教え込んだ成果だろう。凱旋門賞の惜敗は、オルフェーヴルが池添騎手の口笛を聞けなかったことも影響していたのかもしれない。

いじめられっ子だった!? 幼少時のオルフェーヴル

弟以上に暴れん坊だった兄の存在

暴れん坊のイメージが強いオルフェーヴルだが、幼駒の頃はいじめられっ子だったという。

当初、母オリエンタルアートにはディープインパクトが種付けされたが、3度にわたり受胎しなかった。
空胎を避けるため受胎率の高いステイゴールドが種付けされて産まれたのがオルフェーヴルなのだ。

種付け時期が遅くなったこともあり、5月14日産まれと3月、4月に誕生日が集中するサラブレッドからみると遅い産まれといえる。オルフェが誕生した08年頃ともなると、ノーザンファームなどでは1月、2月産まれの馬も少なくなかった。人間と同じく産まれた月による仔馬の1カ月、2カ月の差は大きい。しかも、母は疝痛もあり開腹での出産となってしまった。

そのため、産まれた際は馬格も小ぶりで、仔馬時代は同年代の馬たちに追いかけ回されるいじめられっ子だったという。最終的には460kg程度の馬体にはなったが、500kgを超える馬が少なくない中で、牡馬にしては決して雄大な馬格をしていたわけではなかった。それでもあの迫力あるレースができていたというのは勝負根性が抜けて強かったことの証明でもあろう。

ちなみに、全兄のドリームジャーニーはオルフェーヴルより馬体は小さかったが、どちらかというといじめっ子タイプだったとか。気性の悪さはオルフェーヴル以上で、同馬で実績を残した池江泰寿調教師が、結果的にオルフェーヴルの預託先に指定されたというエピソードもある。

ステイゴールドの産駒はおおむね気性に問題がある馬が少なくないが、馬体に恵まれなくても、この兄弟のように実績を残した馬も多数いる。父系としてはゴールドシップとオルフェーヴルの事実上2頭しか広がりはないが、今後も個性的な産駒を残してくれることだろう。


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書籍名《DVD付きマガジン》隔週刊 日本の名馬・名勝負
創刊日2024年9月10日
価格創刊号 特別価格 490円(2号以降は通常価格1899円)
発行間隔隔週刊
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