10月も中旬。2020年産駒達の新馬戦も150戦を超えました。
ここでは先週開催された新馬戦で、世代全体のうち3割前後しか勝ち上がることができない狭き門を突破した2歳馬達を紹介していきたいと思います。
2022年10月15日(土)
東京3R 芝1600 曇・良 18頭
リックスター
牝馬
エピファネイア×プロレタリアト
母の父:ハーツクライ
所属:美浦)鹿戸雄一厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:三浦皇成騎手
432㎏ 3番人気 7枠15番
重賞2勝馬フェイトフルウォーの半弟ボンフェットや、母の母にエアグルーヴを持つ良血牝馬ポルトロッソらが登場しました土曜の東京3レース。
7枠からのスタートとなったリックスターは良いタイミングでゲートを飛び出すと、勢いそのままに前へ向かい、逃げたヴァイキングムーンの1つ後ろでレースを進めます。
そのまま2番手をキープして直線に入り、残り300から200mの辺りで前に並びかけると一気に交わして先頭に立ち、ゴール前追い込んできた1番人気レッドバレンティアを半馬身抑えての勝利となりました。
勝ち時計は1分36秒3。
まだまだ全体的に非力で、この後は一度放牧に出す予定とのことですが、1つ勝って余裕もできたところでここからどのような成長をみせてくれるのか、楽しみな1頭ですね。
下澤オーナーにとってはこれが今年の新馬戦記念すべき初勝利となりました。
阪神4R ダ1800 晴・良 11頭
ブリタニア
牡馬
ハービンジャー×ブロンクスシルバー
母の父:クロフネ
所属:栗東)杉山佳明厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:松山弘平騎手
484㎏ 3番人気 8枠11番
大外から好スタートを決めたブリタニアは、内から前に行ったサンライズパスカルとメジェドを斜め後ろから見る位置で折り合います。
4コーナーを回る時は一瞬ややポジションを下げたかのように見えましたが、直線入り口では助走をつけてきたかのようなスピードで一気に先頭へ。
最後は2着メジェドに4馬身差をつける快勝でした。
勝ち時計は1分54秒6。
所有馬アメリカズカップで2017年きさらぎ賞を勝っている谷掛オーナーと開業3年目杉山佳明調教師はこの勝利が今年の新馬戦初勝利となりました。
新潟5R 芝1600 曇・良 17頭
フィレット
牝馬
エピファネイア×ルアンジュ
母の父:マンハッタンカフェ
所属:栗東)藤岡健一厩舎
生産:ケイアイファーム
鞍上:横山琉人騎手
484㎏ 1番人気 7枠13番
ロードホースクラブ所属馬が8月21日のロードプレイヤー以来2頭目、ケイアイファーム生産馬では今年初となる新馬戦勝利です。
6番手でレースに入ったフィレットは馬群の外をマイペースで追走。
直線に入るとやや外を向く様子も見られましたが徐々に先頭との差を詰めていきます。
残り200mの時点で4番手。
それまでは他の馬を気にするような動きも見せていましたが、ここからは真っ直ぐ脚を伸ばしていき、2着馬オーグメントコードをクビ差で制して1番人気に応えました。
勝ち時計は1分35秒2。
6月26日以来の新馬戦勝利となった2年目横山琉人騎手からも外枠が良かった、背中が良く勝負根性があると高評価。
この後は急がずじっくりいく方針のようで、更なる成長が楽しみな1頭です。
阪神5R 芝1600 晴・良 10頭
エイムインライフ
牝馬
Kitten's Joy×Elisheva
母の父:Smart Strike
所属:美浦)角田晃一厩舎
生産:North Hills Co.Limited
鞍上:浜中俊騎手
468㎏ 5番人気 2枠2番
2022年のNHKマイルを含む重賞2勝馬ダノンスコーピオンの全弟ダノンバビルが単勝1.8倍とダントツの人気を集めた阪神5Rでしたが、その前にマル外の牝馬が立ちはだかりました。
内枠から好スタートを切ったエイムインライフ、行き脚もスムーズについて先頭も伺えるような手応えでしたが一度下げ、3-4番手辺りで折り合います。
道中最短距離を回ると、最終コーナーから直線入り口で外に出されて進路を確保。
残り200mを通過する前に早めに抜け出すとそのまま差を広げていき、2着ダノンバビルに1と1/4馬身差をつけて勝ち上がりを決めました。
勝ち時計は1分35秒0。
この後はマイル路線を進んでいく方針とのこと。
重賞2勝馬ブランボヌールの所有で知られる前田葉子オーナーはこれが今年の新馬戦初勝利となりました。
東京5R 芝2000 曇・良 11頭
ヒシタイカン
牡馬
モーリス×リュラ
母の父:ステイゴールド
所属:美浦)堀宣行厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:福永祐一騎手
432㎏ 4番人気 8枠10番
2019年京成杯勝ち馬ラストドラフトの半弟シュタールヴィントが1番人気、キャロットのキタサンブラック産駒スキルヴィングが2番人気に、2014年京成杯勝ち馬プレイアンドリアルの半弟エエヤンが3番人気、2021年セレクトセールで1億120万の値が付いたモーリス産駒ヒシタイカンが4番人気に推され、その4頭が上位4着までを独占した新馬戦。
着順の方は人気通りにはなりませんでした。
外枠からスタートしたヒシタイカン、クビを振りながらやや落ち着かない様子でレースに入っていきましたが、内に入り4-5番手のポジションをとり折り合います。
馬群に囲まれたまま直線に入り進路がないかと思われましたが、残り200mに差し掛かる辺りで外に出されると一気に加速。
この時点で前にいた6頭をまとめて差し切って勝利を挙げました。
勝ち時計は2分02秒0。
堀宣行厩舎はこれが今年の新馬戦初勝利でした。
2022年10月16日(日)
東京4R ダ1600 曇・良 15頭
ビターゼノビア
牝馬
ヘニーヒューズ×ビタースウィート
母の父:Afleet Alex
所属:美浦)手塚貴久厩舎
生産:桜井牧場
鞍上:津村明秀騎手
446㎏ 1番人気 7枠13番
ユニオン×桜井牧場のタッグから今年2頭目の新馬戦勝ち馬誕生です。
好スタートを切ったビターゼノビアは外からスムーズに3番手へ。
楽な手応えでレースを進めます。
最終コーナーを曲がり先行していたアフタヌーンドレス、シティオブハンターに並びかけるとそこからは差を広げる一方で、2着に追い込んできたオーサムデアラーに5馬身差をつける完勝で1番人気に応えました。
勝ち時計は1分38秒2。
鞍上津村騎手も能力のある馬、楽しみですと高評価で、マイル戦線での今後の活躍に期待が高まるデビュー戦となりました。
阪神4R ダ1400 晴・良 12頭
ダンテバローズ
牡馬
ドレフォン×スズカエルマンボ
母の父:シンボリクリスエス
所属:栗東)上村洋行厩舎
生産:服部牧場
鞍上:岩田望来騎手
500㎏ 2番人気 8枠12番
12頭立ての1番外からスタートとなったダンテバローズは、タイミングよく1頭だけ飛び出すような形でゲートを出ますが、内から行った馬群を先に行かせて6番手辺りで芝コースからダートに入っていきます。
その後4番手にポジションをあげて最終コーナーを回ると、外から早々に先頭に並びかけて直線は3頭の競り合いに。
内のラピッドベル、1番人気ミラクルティアラとの追い比べ制し、クビ差前に出たところでゴールを迎えました。
勝ち時計は1分26秒4。
2019年ダービー馬ロジャーバローズらの所有で知られる猪熊オーナーと、開業5年目 上村洋行厩舎にとって嬉しい今年の新馬戦初勝利となりました。
緩さの残る中での勝利だったということで、今後更なる成長が楽しみな1頭ですね。
新潟5R ダ1200 晴・良 15頭
ヨドノリリー
牝馬
トランセンド×クイーンマルサ
母の父:ステイゴールド
所属:栗東)北出成人厩舎
生産:林農場
鞍上:亀田温心騎手
432㎏ 5番人気 7枠12番
2018年の共同通信杯勝ち馬オウケンムーンの半妹エレガントムーンらが登場した新潟5レースは、単勝10.8倍の伏兵が勝利を手にしました。
好スタートを切ったヨドノリリーは逃げも打てるようなスピードを見せますが、ここは一旦控えて3番手へ。
好位でレースを進めていきます。
直線に入ると勢いよく進出を開始し早々に先頭へ。
抜け出して粘りこみを計るヨドノリリー、後方からグローリーカフェが物凄い勢いで追い込んできますが、クビ差分先着を果たして勝ち切りました。
勝ち時計は1分13秒3。
海原オーナー、北出厩舎、亀田騎手、生産の林農場、種牡馬トランセンドと5者にとっての今年の新馬戦初勝利となる記念すべき勝利でした。
東京5R 芝1400 曇・良 18頭
シェーンプリマー
牝馬
リアルスティール×バラベルサイユ
母の父:アグネスデジタル
所属:美浦)黒岩陽一厩舎
生産:木村牧場
鞍上:永野猛蔵騎手
466㎏ 7番人気 7枠14番
2016年目黒記念勝ち馬クリプトグラムの半妹テンノメッセージ、重賞2勝馬アレスバローズの半妹ベルエトらがデビューとなった東京5R、2年目永野騎手が逃げ切り勝ちを見せました。
7枠からのスタートとなったシェーンプリマー、ゲートの出は飛びぬけて早いわけではありませんでしたが、素晴らしい二の脚を披露して積極的に前へ、逃げの体勢に入ります。
余力を残して直線に入ったシェーンプリマーは追い出しにもしっかり反応、2馬身近くの差を殆ど詰めさせないまま先頭でゴール、勝ち時計は1分23秒5でした。
古岡オーナーと、生産の木村牧場に今年の新馬戦初勝利を届ける逃走劇となりました。
阪神5R 芝2000 晴・良 8頭
ルモンドブリエ
牡馬
エピファネイア×ラクレソニエール
母の父:Le Havre
所属:栗東)友道康夫厩舎
生産:社台ファーム
鞍上:Cルメール騎手
506㎏ 1番人気 1枠1番
今月まだ新馬戦での勝ち星がありませんでしたCルメール騎手が、今週最後の新馬戦でしっかり結果を残しました。
最内からの出走となったルモンドブリエは、良いスタートを切ったあとまずは慌てることなく折り合いをつけ、3-4番手でレースに入ります。
そのまま最短距離で道中を回り、直線に入ると馬群が開いたところをスッと伸びてきて逃げ粘っていたニシノオスマンを交わし先頭へ。
勝ち時計2分05秒7で1番人気に応えました。
母ラクレソニエールは現役時代Cデムーロ騎手とのコンビでフランスオークス等G1を2つ勝っている名牝。
陣営の手応えも上々だったようで、次走は未定とのことですがこれからの成長と活躍が楽しみな1頭になりそうです。
以上、今週のメイクデビュー勝ち馬10頭を見ていきました。
この仔達がこれからどのような成長を見せてくれるのか、今週末の新馬戦ではどんな仔達がデビューしてくるのか、週末を楽しみに待ちたいと思います。