巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今週は合計2頭の新馬を紹介します。
日曜小倉5R ティグル
フランス語で「虎」を意味する名がつけられたティグル。母は「お転婆プリンセス」カワカミプリンセスです。
カワカミプリンセスはディープインパクトが無敗で三冠を達成し、競馬ににわかに注目が集まっていた2006年に活躍したキングヘイロー産駒。デビュー戦は9番人気と言う低評価ながら雨が降りしきる不良馬場を好スタートから逃げ切ると言う前評判を覆す走りで快勝。続く2戦目の君子蘭賞は一転して後方からの競馬。残り200mでは逃げるサウスティーダがセーフティーリードをとったように見えたものの、そこからカワカミプリンセスは驚異的な末脚で一気の差し切り。このレースでカワカミプリンセスは牝馬路線の新星として認知されるようになりました。
続くオークストライアルのスイートピーステークスはデビュー以来初めて1番人気に支持されると、ここまでの2戦とは打って変わって好位からやや後ろの優等生的な位置でレースを進めます。このレースも残り200m、いや、残り100mまでは逃げたヤマニンファビュルが勝ちパターンに入ったように思われましたが、またしてもそこからカワカミプリンセスの力強い末脚が炸裂。最後は余裕をもって差し切り、オークスの有力候補に名乗りを上げました。
この年のオークスは傑出馬不在の混戦模様でどの馬にもチャンスがありそうなメンバー。カワカミプリンセスは桜花賞2着のアドマイヤキッス、桜花賞馬のキストゥヘヴンに次ぐ3番人気に支持されました。スイートピーSでした中団から差す競馬が板についたのかこのレースも中団外目につけたカワカミプリンセスは東京芝2400mという3歳牝馬には厳しい条件をゴールまで衰えない末脚で伸びて差し切り勝ち。父キングヘイローに種牡馬として初めてのG1タイトルをプレゼントしました。また、無敗でのオークス勝利は1957年のミスオンワード以来の快挙でした。
秋になってもその快進撃は止まりません。休み明けで出走した秋華賞でも「ゴールまで衰えない末脚」は健在でした。直線の短い京都内回り2000mでは理想的とも言える4コーナー抜け出しを見せたオークス3着馬アサヒライジングを君子蘭賞、スイートピーSのVTRを見るようなゴール寸前での差しきりを決め牝馬二冠を達成。名実ともに「世代最強牝馬」を証明するレースとなりました。
「世代最強牝馬」の地位を得たカワカミプリンセスは続くエリザベス女王杯で初の古馬挑戦。強力な古馬牝馬を相手にもカワカミプリンセスは「ゴールまで衰えない末脚」と言う長所を思う存分発揮。前年の宝塚記念を勝利するなど牡馬相手にも結果を残した鋭い末脚が武器のスイープトウショウと差し比べをして1着入線を果たす圧巻のレースぶりで6連勝を決めたと思われました。しかし、ここに思わぬ落とし穴がありました。4コーナー出口で内に進路をとった際、後ろにいたヤマニンシュクルの進路を妨害したと判定され、12着に降着になってしまいました。
これでケチがついたのか、以降11戦勝利を挙げられずに終わります。しかし、その中でもG1エリザベス女王杯2着や強豪牡馬相手に大阪杯で3着に入るなど随所にその強さは発揮していました。間違いなくこの時代を代表する強い牝馬でした。
父キングヘイローに似た頭の高いフォームと、ウマ娘でのパワフルなキャラクターも納得な力強い末脚が印象に残るカワカミプリンセス。ここまでその強さを受け継いだ子供がいるとは言い難い産駒成績ですが、いきなりポンと大物が出ても不思議ではないのが競馬の面白いところ。ティグルにはその期待をかけたいところです。
日曜札幌5R シャイニーストーン
札幌芝1800mと、過去には多くの強豪がデビューした条件でデビューするシャイニーストーン。祖母スプリングネヴァーの兄に、ウマ娘ではパリピでおなじみのダイタクヘリオスがいます。
ダイタクヘリオスは常に騎手をリードしていくような外連味のない逃げでマイルチャンピオンシップを連覇した平成初期を代表する名マイラーです。折り合いをつけるのが難しい気性の荒さは諸刃の剣。それが爆発的なスピードに繋がることもありましたが、同時に脆さも兼ね備えており、現役3年半であげた10勝のうち1番人気であげた勝利はわずか1勝と安定感には欠けていました。しかし、それがかえって強烈な個性を放つ結果となり今でもそのレースぶりは語り草となっている名馬です。
ダイタクヘリオスの祖母ミスナンバイチバンは日本競馬を代表する牝系の祖として知られており、孫の代から1000m通過タイム58.9と言う当時としては異例のハイペースで日本ダービーを逃げ切った「狂気の逃げ馬」カブラヤオーなど多くの活躍馬を輩出しました。
特に「ダイタク」の冠を持つ活躍馬は多く、ダイタクヘリオスを筆頭にマイル路線で活躍したフジキセキ産駒ダイタクリーヴァ、その弟でまだ1800mの時代だった北九州記念をレコード勝ちしたダイタクバートラム、数少ないニッポーテイオー産駒の重賞勝ち馬ダイタクテイオーとこの冠だけで4頭の重賞勝ち馬を輩出しました。
現在では「ダイタク」の冠を持つ馬はいなくなりました。今では「シャイニー」や「ブライティア」の冠で知られる小林昌志オーナーがこの血統を受け継ぐ馬のほとんどを所有しています。名牝系の復活をシャイニーストーンが果たすことができるのか注目です。
開発:Cygames
ジャンル:育成シミュレーション
プラットフォーム:iOS/Android/PC
配信:日本
利用料金:無料(一部有料コンテンツあり)
URL:
・AppStore
https://apps.apple.com/jp/app/id1325457827
・GooglePlay
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.cygames.umamusume
・DMM GAMES
https://dmg.umamusume.jp
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