[エリザベス女王杯]今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜日曜重賞編〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週はエリザベス女王杯の出走馬から紹介します。

ウインキートス

以前札幌記念の記事でも紹介したウインキートス。父は”あの”ゴールドシップ(その母の父メジロマックイーン)です。

ゴールドシップ自身は牡馬なのでエリザベス女王杯への出走経験はありません。が、ゴールドシップの母ポイントフラッグは2001年のエリザベス女王杯に出走しています。鞍上はゴールドシップを管理した調教師で、当時現役のジョッキーだった須貝尚介騎手でした。

この年のエリザベス女王杯は2つの意味で語り継がれるべきレースだと思います。

ひとつはレース内容。このレースは1着~5着までの着差がハナ、ハナ、クビ、クビと言う大接戦でした。

このレースはヤマカツスズランとタイキポーラ、2頭の逃げ馬が大逃げでレースを引っ張る展開。4コーナー出口でその年の桜花賞・秋華賞の2冠馬で、1番人気に支持されていたテイエムオーシャンが早めに先頭に立ち、後続の追撃を待ち構えていました。そのテイエムオーシャンをめがけて、内からその年のオークス馬レディパステル、外からG1勝ちはないもののポテンシャルは計り知れないとされていたトゥザヴィクトリーが襲い掛かります。

一旦はトゥザヴィクトリーが先頭に立つもののこの馬の悪癖である「先頭に立つと気を抜く癖」が発動し、並んでいたテイエムオーシャンと脚色が一緒になってしまいます。その間隙を突くように前年の秋華賞馬ティコティコタックが強襲し、先頭争いに割って入ります。

迫るティコティコタックの姿が見えたのか、トゥザヴィクトリーが再び気を引き締めなおしたように速度を上げると、それと同じタイミングで脚を最後まで溜めていたその年のオークス・秋華賞2着馬ローズバドがものすごい脚で突っ込んできて、トウザヴィクトリー、ティコティコタックに並びかけたところがゴールでした。

トゥザヴィクトリーが一度先頭にたってからゴールまではおよそ150mほど。時間にして18秒ほどでこれほどの攻防戦が繰り広げられた大激戦。勝利をおさめていたのはG1タイトルを誰よりも渇望していたであろうトゥザヴィクトリーでした。

このレースの直線は本当に見ごたえがあります。JRAのオフィシャルyoutubeページにもこのレースはアップされているので是非見てみてください。

もうひとつの語り継ぎたい理由はこのレースに出走していた牝馬の繁殖に上がってからの成績。このレースに出走した馬の多くが母として優秀な産駒を競馬場に送り出しています。重賞を勝ち馬だけ見ても、

1着トゥザヴィクトリー 子:トゥザグローリー(日経賞など重賞5勝)、トゥザクラウン(弥生賞)、トーセンビクトリー(中山牝馬S)

2着ローズバド 子:ローズキングダム(ジャパンカップなどG1・2勝)

7着タフネススター 子:カゼノコ(ジャパンダートダービー)

9着マルカキャンディ 子:ベルシャザール(ジャパンカップダートなど重賞2勝)

10着ポイントフラッグ 子:ゴールドシップ(有馬記念などG1・6勝)

12着スリーローマン 子:スリーロールス(菊花賞)

13着スプリングチケット 子:カレンチャン(スプリンターズSなどG1・2勝)、スプリングソング(京阪杯)

と出走15頭の牝馬のうち7頭から述べ6頭のG1ホース、10頭の重賞勝ち馬が出ています。この中にはウマ娘にも登場するカレンチャンとその母スプリングチケットの名前もあります。

ひとつのレースに出ていた馬がこれだけ多くの活躍馬を出すのは珍しくそれだけこのレースにポテンシャルの高い馬が揃っていたという証と言えるでしょう。

今回のレースに出走する牝馬たちも今回のレースだけでなく繁殖に上がってからの活躍も期待しながら見てみてはいかがでしょうか。

ウインマリリン

この秋のG1・2連勝と絶好調の横山武史騎手が騎乗するのはオールカマーを制したウインマリリンです。ウインマリリンは祖父にグラスワンダーがいます。

グラスワンダーの子孫には不思議なジンクスがあります。それは「牡馬の活躍馬に比べて牝馬の活躍馬が圧倒的に少ない」と言う事です。

グラスワンダー産駒はこれまでにJRAの重賞を29勝していますが、そのうち牝馬による重賞制覇は2004年にフェリシアが制したフェアリーSの1勝のみ。ちなみにライバルであるスペシャルウィークの産駒は重賞35勝のうち牝馬が14勝なので、この数字はかなり偏った数字と言えるでしょう。

この傾向は孫世代にも引き継がれていて、グラスワンダーの代表産駒スクリーンヒーローの種牡馬成績も、JRA重賞18勝のうち、牝馬による勝ち鞍は4勝しかありません。

一般的に牝馬は牡馬に比べて、切れ味や加速力に特化した馬が多いとも言われています。年末の荒れた馬場での有馬記念を連覇したグラスワンダーの子孫にとっては、切れ味や加速力に優れた牝馬より、パワーや持久力に優れた牡馬の方が活躍しやすいというのはあるのかもしれません。とは言え、これもあくまで「推測」の域に過ぎず、なぜこれほどまでに偏った成績になるのかは競馬界の七不思議のひとつとして挙げられてもおかしくありません。(あと六つどんな「不思議」があるかは知りませんが……。)

先ほどスクリーンヒーロー産駒は重賞18勝のうち、牝馬による重賞制覇は4つと書きましたが、実はそのうち3勝を、今回エリザベス女王杯に出走するウインマリリンがあげています。

ウインマリリンは「グラスワンダー系の牝馬」のジンクスを打ち破り、グラスワンダー直系子孫初のG1勝利を遂げることができるのか、注目です。

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