巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日は土曜日の全レースの中から注目したい馬を2頭ピックアップして紹介します。
中山4R グリューヴルム
中山のダート1800mでデビューするグリューヴルムは曾祖母がケイティーズ。このケイティーズはヒシアマゾンの母でもあります。
ケイティーズの牝系はヒシアマゾンを筆頭に2007年のジャパンカップ勝ち馬アドマイヤムーンや、2008年のスプリンターズステークス勝ち馬スリープレスナイトを送り出した名門の牝系で、最近でも昨年の年度代表馬エフフォーリア、先週の淀短距離ステークスで2着に入った短距離路線の注目株ダディーズビビッドなど再び勢いが出て来ています。
また、母リュシオルの姉スリープレスナイトは先ほども言った通り2008年にスプリンターズステークス勝ち馬。このレースでスリープレスナイトとコンビを組んでいた上村洋行騎手はこれが悲願の初G1制覇。上村騎手はデビュー初年度から重賞を制するなど若手のホープとして期待されていた時期もあり、あのサイレンススズカもデビュー当時は上村騎手とコンビを組んでいました。
しかし、1990年代後半から飛蚊症と言う眼の病気を患い、それを治療せずに騎乗を続けていたため成績は下降していき、騎乗馬も減っていきました。その後、眼の手術を経て2000年代中盤あたりから徐々に騎乗馬の数・質も取り戻していき、ついにスリープレスナイトと出会う事になります。
スプリンターズステークスを勝った後のテレビの勝利騎手インタビュー。上村騎手はそれまでの苦労に感極まったのか涙を流しながら受け答えをしていました。このシーンは近年の競馬シーンでもトップクラスに感動できるシーンだと思います。
そのスリープレスナイトは早くに亡くなったため1頭しか子供を残すことが出来ませんでした。スリープレスナイトと父も同じクロフネであるリュシオルにはその血を繋ぐことが期待されています。ですので、グリューヴルムには期待したいところです。
中京10R フォラブリューテ
中京10Rに予定されている紅梅ステークスは牝馬限定戦ながら注目の出世レースです。
2004年にはウマ娘にも登場するスイープトウショウが、その前年2003年には後に史上2頭目の牝馬三冠を達成するスティルインラブがこのレースを勝利しています。
今年のこのレースで注目したいのはフォラブリューテ。父はエピファネイアでその母の父はスペシャルウィーク。母はブルーメンブラットでその父はアドマイヤベガです。
アドマイヤベガは1999年の日本ダービー馬。この年の日本ダービーは皐月賞を制したテイエムオペラオー、母に2冠牝馬ベガを持つ良血馬アドマイヤベガ、きさらぎ賞・弥生賞を連勝したナリタトップロードの3頭が「3強」を構成していました。
この時、3頭それぞれに騎乗していた騎手は、アドマイヤベガが武豊騎手、ナリタトップロードがデビュー6年目の渡辺薫彦騎手、テイエムオペラオーがデビュー4年目の和田竜二騎手と、名手武豊騎手に若手の2人のジョッキーが挑むと言う構図でした。
レースはアドマイヤベガが直線早めに抜け出したテイエムオペラオー、ナリタトップロードの2頭を鋭い末脚で差し切ってみせ、武豊騎手が若手2人の騎手に対して貫録を見せる格好となりました。
また、そのアドマイヤベガの娘、フォラブリューテの母でもあるブルーメンブラットは2008年のマイルチャンピオンシップを制したG1ホース。「花びら」を意味するブルーメンブラットから「母の産駒の集大成となってほしい」と言う願いを込め「満開」を意味する名をつけられたフォラブリューテに対する期待は相当なものであると伺えます。注目してみてはいかがでしょうか？
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