南関東競馬の牝馬クラシックは、浦和で行われる桜花賞、大井で行われる東京プリンセス賞と、川崎の交流重賞・関東オークスで構成されている。
この3レースをすべて制すると「南関東3冠牝馬」の称号を得られる。
しかしながら過去に3冠全てを勝利したのは2006年のチャームアスリープ1頭のみ。実に14年ものあいだ、南関の三冠牝馬は誕生していないのだ。
その最大の要因はこの関東オークスにある。
桜花賞と東京プリンセス賞と違い関東オークスは交流重賞として行われ、中央競馬からも3歳馬が遠征してくるのである。よって南関東2冠馬と中央競馬の猛者の激突となるケースが多く、さらに中々中央の牙城を崩せないことから14年の時がたってしまったのである。
そんな牝馬3冠路線、今年は例年とは違う期待感に包まれていた。

今年の桜花賞と東京プリンセス賞を制し、2冠牝馬となったのはアクアリーブル。この2戦の内容が非常にハイレベルなものであり、さらにこの馬の母であるアスカリーブルはこの関東オークスを制しているように、舞台相性もバッチリ。
「今年こそ3冠牝馬が現れるのでは」と多くのファンが注目する一戦となった。
一方南関東に挑んだ中央勢で最も注目されたのは、セランだった。セランは前走異国の地UAEのオークスに出走し3着。3歳で初海外でもその力をフルに発揮した。海外帰りではあるがその力が買われ、当日は1番人気でレースを迎えた。

6月10日。
スパーキングナイター川崎競馬場は静寂に包まれていた。2100mのスタート地点で枠入りがスムーズに終わり、レーススタート。好ダッシュを決めたアールクインダム・レーヌブランシュのJRA2頭が先手を取る。2冠馬アクアリーブルも好スタートを切って先団につけた。その後ろにはクリスティとセランがつけ、人気馬は先団に密集。
1週目ホームストレッチは砂煙が上がる中アクアリーブルがポジションを一つ上げ、2番手でレースを進めた。
小回りの川崎競馬場らしく、向こう正面からジョッキーのアクションが大きくなる。
3コーナーで逃げるアールクインダムをアクアリーブルがとらえにかかった。
その真後ろではクリスティとレーヌブランシュがピッタリ並走。

先団が固まって、直線を向いた。
直線入り口で満を持して先頭に立ったアクアリーブル。しかしその外から矢のように追い込んだ水色の勝負服、レーヌブランシュが一気に並びかける。
レースは、レーヌブランシュとアクアリーブルのたたき合いに。
3冠か、初重賞か。
ゴール前抜け出したのは外、レーヌブランシュだった。

アクアリーブルは2着となり、2006年以来の3冠牝馬誕生とはならなかったが、それでも中央馬相手に素晴らしい走りを見せた。そして勝ったレーヌブランシュは圧巻のパフォーマンスで重賞初制覇を果たした。

各馬短評

1着 レーヌブランシュ

ここ2走オープンクラスで伸び悩んでいたが、初めて挑んだ重賞の舞台で能力を発揮した。
後半の上がり最速はメンバー最速の38.9。4コーナーを回った後の末脚はまさに矢のようで、アクアリーブルを捕え抜け出すパフォーマンスは今後の活躍に大きな期待を持てるものだった。

2着 アクアリーブル

3冠制覇とはならなかったが、それでも中央勢に対して追い詰める走りを見せていた。
交流重賞でも先行し、直線前で抜け出しを図る自らの競馬に徹底できたのは大きい。

レーヌブランシュに並ばれてからもゴール前まで食い下がり続けたのも能力の証だろう。
今後の戦いにも期待が高まる。

3着 クリスティ

ここまでは芝のクラシック戦線でも戦い続け、このレースがダート初挑戦となった。道中は先行勢の一角でレースを進め、直線に向いてもしぶとい脚で3着を確保。
ダート替わりでも地力を証明した形だ。今後は2刀流の活躍も期待できる1頭だ。

あなたにおすすめの記事