[シンザン記念]今年は少頭数も、素質馬が参戦。 - 重賞プレビュー

シンザン記念といえば、例年は京都競馬場で行われていた、3歳馬による芝1600Mの重賞です。京都競馬場の改修により、今年も中京競馬場の芝1600Mで開催されます。

18年には後の三冠牝馬のアーモンドアイがこのレースを勝っています。今回と同じ中京競馬場で行われた21年には後にスプリンターズSを勝つピクシーナイトが、22年にはNHKマイルカップで2着に入ったマテンロウオリオンが勝っています。

今年の勝ち馬も、飛躍を期待できるのではないでしょうか。

今年のシンザン記念は7頭立てと例年よりも出走頭数が少なく、やや寂しい顔ぶれではあります。ただそれでも、先が楽しみな素質馬が出走してきました。

シンザン記念 注目の出走馬たち

注目馬の筆頭格は、父モーリス・母グルヴェイグという超良血のクファシルです。母グルヴェイグは祖母ダイナカール、母にエアグルーヴという名牝の血を受け継いできた牝馬で、その期待から1000万下(現2勝クラス)の身でありながらG1のエリザベス女王杯にも出走したほどでした。後にG3マーメイドSを勝った後に引退してしまいましたが、その血統のロマンを受け継ぐ馬と言えます。同馬は牡馬ですが、名マイラーのモーリスを父に持つ同馬もマイルの距離で期待したいですね。

実績上位はペースセッティング。小倉芝1200Mでの未勝利戦ではスタートから逃げてそのまま好タイムで勝利をあげています。勝ちタイムの1分07秒9は同日の小倉2歳Sの勝ちタイムより0秒2速い勝ちタイムで、そのスピードを証明しました。続く京王杯2歳Sは後方からの競馬になりましたが差してきて0秒2差の4着。前走の万両賞(芝1400M)ではクビ差の2着と、着実に実績を積んでいます。今回は初の1600Mにどう対応するか、が争点となります。

武豊騎手&武幸四郎厩舎のコンビで挑むのはライトクオンタム。父ディープインパクトはこの3歳世代がラストクロップ。国内外で僅か12頭、国内に限ればたった6頭しかいない最後の世代のディープインパクト産駒に、武幸四郎厩舎所属で武豊騎手が騎乗となればロマンを感じずにはいられません。どんな走りをしてくれるのか楽しみです。

今年の2月で騎手を引退する福永騎手が騎乗するトーホウガレオンにも注目が集まります。かつて2016年、17年の中京リーディングをとり、18年、19年にも2位と、非常に中京競馬場の成績が良かった福永騎手。特に芝1600Mでは圧倒的な成績を収めていました。5日の京都金杯でもエアロロノアを2着に導いていますし、今回騎乗するトーホウガレオンはかつて福永騎手が騎乗していたリアルスティールの産駒です。デビューからずっと福永騎手が騎乗していますので思い入れもあるでしょう。楽しみな組み合わせと言えますね。

5日には、京都金杯と12Rで芝1600Mのレースが行われましたが、2つのレースで3着以内に入った6頭の傾向としては、東京、阪神、中京、新潟の直線の長いコースの1600Mで速い上りを出してきていた馬が結果を出していたように感じました。血統的には母父にディープインパクトを持つ馬が3頭馬券圏内に。直線で切れる脚を持つ馬が有利と言えそうです。


少頭数ながらも素質馬が参戦した今年のシンザン記念。

馬券的な妙味は薄くても、ハイレベルなレースになる可能性が高く、注目のレースと言えます。特に今年の3歳牡馬路線は混戦ムード。新年早々、『これは大物だぞ!』と期待させる馬が出てきてほしいですし、このレースから大舞台へと飛躍する馬もいるかもしれません。

この記事が皆様の参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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