[サウジカップ]カフェファラオ、ジュンライトボルトら日本馬6頭が出走。海外の強豪と激突。 - 重賞プレビュー

今年は日本馬が6頭出走で大チャンス!?
賞金総額世界最高レースの勝利を目指せ!

今週はサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場でサウジカップが行われます。2020年に創設とまだ歴史は浅いですが、1着賞金が1000万米ドル(1ドル=130円で換算すると約13億円)という破格の賞金で一気に世界の大レースになりました。ここではそんなサウジカップの概要と有力馬の紹介を行っていきます。

サウジカップとは?

サウジカップが行われるキングアブドゥルアジーズ競馬場は1周2000M、幅員が24メートル、直線距離が500Mのいわゆる楕円形のコース形態の競馬場です。JRAの東京競馬場のダートコースが1周1899M、幅員25M、直線距離501Mなので、コースの幅や直線の長さは東京競馬場のダートコースに近いタイプと言えます。サウジカップが行われるダート1800Mは、2コーナーから引き込み線からのスタート。ちょうど東京競馬場のダート1600Mのスタート地点をもう少し後方に下げた位置からスタートするイメージでしょうか。そこから長い向正面を通って3~4コーナーを曲がり、最後の長い直線に入るというコース。まさに、東京ダート1600Mで、向正面のスタートを長くしたコース、というのが当てはまるコースと言えるでしょう。

また、砂質はかなりタフなダートであると言えるでしょう。日本のダートよりもスピードよりもスタミナやパワー、底力がかなり要求されるダートであるように思います。

昨年のレースを振り返る

ではサウジカップについて、昨年のレースを振り返っていきましょう。

2022年サウジカップ(ダート1800M)

勝ちタイム:1分50秒52
勝ち馬:エンブレムロード
2着:カントリーグラマー
3着:ミッドナイトバーボン
6着:マルシュロレーヌ
8着:テーオーケインズ

400Mごとのラップタイム

24.8-23.0-25.0-25.0-12.72(ラストは200Mのみ)

シークレットアンビションが逃げて、アートコレクターが続くが3番手以降もほとんど差がなく、かなり密集した馬群で進む展開に。道中は一団の馬群で進んで、3~4コーナーでは逃げていたシークレットアンビションがやや前に出て、2番手のアートコレクターが後退していきます。3番手にカントリーグラマーとミッドナイトバーボンの2頭が上がってきて残り200Mでは2頭のマッチレースになるかと思われましたが、外からエンブレムロードが追い込んできて残り50Mで交わして勝利。半馬身差の2着にはカントリーロード、そこから1馬身半差の3着はミッドナイトバーボンが入りました。日本馬のマルシュロレーヌは内目の後方からじりじり伸びて6着。テーオーケインズは直線で伸びず8着でした。

400M~800Mの地点が23秒0と速く、レースの序盤からガンガン競り合っての持続力勝負となりました。レース後半でもそれほどペースは落ちていないので完全な持続力勝負で、タフな馬場、展開で脚がなくなった馬から脱落していくようなサバイバルマッチ。最後はスタミナと底力も求められたレースでしたが、先に抜け出した2着馬を勝ち馬が最後の最後でつかまえました。

今年の有力馬たち

今年も、昨年のように、かなりタフなダートでの持続力勝負になる可能性が高いことから、昨年に好走した馬がまず注目と言えます。まずは今年も出走する昨年の1,2着馬についてです。

昨年のサウジカップを勝ったエンブレムロードは地元サウジアラビアの5歳牡馬。9戦して7勝、2着、3着が1回ずつという素晴らしい成績です。デビューして条件戦を勝ち上がってサウジダービーに出走を予定していましたが取り消し、その後OPを勝ってキングファイサルカップというダートのG1(1600M)を勝ってサウジカップも連勝しました。その後はフランスの芝のレースに使いましたが5着と敗れ、今年に入って一般戦を勝利。ここに向けて準備万端と言えそうです。

昨年2着のカントリーグラマーも注目です。昨年のサウジカップでは早め先頭で抜け出し、残り200Mでは押し切るかという勝ちパターンでしたが、勝ち馬の強襲に遭いました。しかし、続くドバイワールドカップを勝利。その後も4戦してG1競走2着が2回、G2競走1勝、2着が1回と非常に安定した成績を残しています。安定度と充実度では昨年勝ったエンブレムロード以上とも言えますし、今回騎乗するのは2023年で引退するL.デットーリ騎手。世界的な名手のラストイヤーでますます注目が集まるでしょうし、勝利を期待するファンも多いのではないでしょうか。日本馬にとっては強力なライバルと言えそうです。

日本では馬券は買えませんが、海外でのブックメーカーで1番人気に推されるのがテイバです。ガンランナー産駒の4歳牡馬で、デビュー戦を勝利した次戦はなんとG1のサンタアニタダービーに出走しますが、2着に2馬身半差をつけて勝利。続くケンタッキーダービーは12着と敗れますが、その後はG1のハスケルスSで2着、ペンシルバニアSを勝って挑んだブリーダーズクラシックでは3着となりました。勝ったフライトラインには大きく離されましたが、内を上がってきてしぶとく脚を使っていました。そして前走のマリブSを勝ってG1を3勝という戦績。3歳時にG1を3勝した明け4歳馬で勢いと実績でカントリーグラマーよりも期待が高いアメリカ代表の1番手というべき馬です。また、この馬を通じて8馬身先にフライトラインがいるという物差しにもなるでしょうか。このレースのこの馬の走りを見て、改めてフライトラインの強さが際立つかもしれません。

日本からは最多の6頭が出走します。一番の注目はカフェファラオでしょう。昨年のフェブラリーSで連覇を達成して、今年3連覇が期待されましたがサウジカップに出走。砂質の違いはあると思いますが、東京コースに近いコース形態という事であれば力を出せそうです。

昨年のチャンピオンズカップを勝ったジュンライトボルトはタフなダートが合う可能性がありますし、今回騎乗するのは世界的な名手の、R・ムーア騎手。大幅な鞍上強化で流れが向けば面白い存在です。

昨年の皐月賞馬ジオグリフは芝・ダート両方のG1勝ちを狙います。元々時計のかかる馬場が向くタイプですし、父が米国血統のドレフォンということでダートが合う可能性もあります。初のダートですが課題をクリアできれば好勝負も可能でしょう。

昨年のドバイターフを逃げ切ったパンサラッサはガンガン先行する展開の中でハマる可能性に期待したいですし、昨年のUAEダービーを制したクラウンプライドの経験、7歳にしてダート初挑戦のヴァンドギャルドと強力な布陣で挑む日本馬の活躍を期待したいですね。

今年のサウジカップは出走馬13頭中6頭が日本馬というメンバー構成。3歳時にG1を3勝し、伝説の名馬フライトラインとの対戦経験があるテイバや昨年の1,2着馬が出走していて、ライバルは強力ではありますが、日本馬が上位に入る可能性も十分です。

また、リヤドダートスプリントでの福永騎手のラスト騎乗も注目です。こちらも大いに盛り上がって楽しみたいですね。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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