[ファルコンS]非根幹距離の3歳重賞。ラウダシオンやグレナディアガーズのような飛躍を目指す快速自慢が集結。 - 重賞プレビュー

18日の中京メインは3歳限定重賞のファルコンSが行われます。ファルコンSはG1レースの前哨戦というわけではありませんし、1400Mという非根幹距離のレースです。どちらかというと、レース時に高い完成度を誇る馬が結果を残している印象です。

ただ、20年の2着馬のラウダシオンは次走でNHKマイルカップを制覇、同じく20年の勝ち馬シャインガーネットはスプリント路線で活躍を収めています。さらに21年の2着馬のグレナディアガーズは21年の阪神Cを制覇。近年のファルコンSは、1200M~1600Mまでの距離で活躍する馬を輩出していると言えるでしょう。昨年のファルコンSには、後に葵Sを勝ちスプリンターズSでも2着に食い込んだウインマーベルや、後に京阪杯を勝つトウシンマカオが出走していました。両馬ともに、このレースでの敗戦をきっかけにスプリント路線に移行して素質を開花させたとも言えます。

今年も、NHKマイルCなど直近の大レースにつながる一戦になるとは言い切れませんが、1勝クラスを勝ち上がった馬が多く揃っています。勝った馬はもちろんそうですが、負けた馬も、今後が注目のレースと言えるでしょう。

中京・芝コースの状況を振り返る

中京芝コースは馬場状態を把握するのが難しいと悩む方も多いのではないでしょうか。内の先行馬が残っていたかと思えば、外からの差しが決まったりして、状況把握が非常に難しい事でも知られています。ここでは開幕2週目となる中京芝の現状を確認してみたいと思います。

京都競馬場が改修中につき、23年の年初は中京開催からスタート。前年の年末にも中京開催があったので芝がかなり痛んだ状態になり、馬場が荒れていたので22年と同じように芝の張替えを行っています。詳しい作業内容をまとめますと、下記の通りです。

1月開催の終了後、

  • 昨年と同様に芝を張り替え作業を行った
  • 昨年と同様に3~4コーナーの部分を張り替えた一方で、今年は張り替える場所の幅を狭くした
  • 今年は直線部分の芝のダメージが大きかったので、昨年は張り替えなかった直線の部分の芝を幅広く張り替えた

この芝の張り替えが先週の競馬の結果に影響を与えましたし、今週以降もレースや展開に大きく影響するのは間違いないでしょう。

今の中京は馬場状態が良いものの、差しが有利?

中京の芝は1月開催の後に芝を張り替えました。ただ、昨年よりも3~4コーナーの部分を狭くして直線部分の芝を張り替えたので、昨年とはレースの傾向が変わっています。昨年は内が有利の馬場状態でしたが、今年は直線部分を張り替えたことによって差し馬が台頭しています。開幕週で内有利と思った騎手達がインの取り合いをする一方で、脚をためて直線で末脚を伸ばした馬が結果を残しました。その典型的な例が金鯱賞です。レース序盤はフェーングロッテンが逃げて、内枠のアラタとマリアエレーナがインのいい位置を取って直線へ。その直線では、馬場のいい内を取ろうと各馬が密集していましたが、外からプログノーシスが差し切って勝利をあげました。

内の馬場状態がいいのは確かですが、直線部分で横に広く芝を張り替えたので、コースの真ん中でもいい馬場状態だったことがプログノーシスの伸びにつながったと言えます。ファルコンSでも、内をめぐって激しい先行争いが行われるかもしれませんが、馬場の真ん中を通って伸びる差し馬に妙味があるかもしれません。

ファルコンS 注目馬紹介

ペースセッティング - 立ち回りの巧さに定評あり。岩田康騎手が重賞制覇へ導くか。

ファルコンSのメンバーを見ていくと、実績的に一番上位なのがペースセッティングです。

未勝利戦では後に1200Mで4連勝するビッグシーザーを寄せ付けずに逃げ切り勝ち。続く京王杯2歳Sでは後方からの競馬になりましたが追い込んで4着となりました。続く万両賞では道中3番手に控える競馬で2着。そして前走のシンザン記念では逃げて2着に粘り込んでいます。

逃げ差し自在の脚を持ちますが、1600Mは若干距離が長かったのではないでしょうか。
距離短縮は魅力ですし、今回騎乗する岩田康騎手は変幻自在の位置取りで魅せる騎手。その騎乗ぶりに応えられる馬なのではないでしょうか。今回はテン乗りですが、息の合った騎乗を見せてくれそうな気がします。

バグラダス - 朝日杯FSで5着の真価が問われる。

『今年の3歳牡馬路線は大混戦』と言われていますが、その理由の一つが、昨年の朝日杯FSの上位馬のレベルはどうなのか定かではない点にあるとのではないでしょうか。

朝日杯FSで3着だったレイべリングは共同通信杯で4番人気に推されましたが9着と惨敗。朝日杯FS組のレベルが疑問視されています。朝日杯FSで5着だったバグラダスの今回の走りが、その路線のレベルを証明することになるのではないでしょうか。

同馬の1勝クラス勝ちは東京の芝1400Mと、距離短縮は向くはず。
鞍上も1勝クラスを勝った時の菅原騎手に戻り、改めて真価が問われる場になるでしょう。

テラステラ - 連勝中の勢いそのままに重賞制覇を狙う。

このレースには1勝クラス勝ちが何頭か出走していますが、なかでも注目を集めるのはテラステラでしょう。

父がモーリス、母が函館2歳Sを勝ったステラリードという血統。未勝利、1勝クラスと連勝していますが、前走の万両賞ではシンザン記念2着のペースセッティングを負かして勝利しました。ペースセッティングの実績を考えれば価値ある勝利と言えます。その万両賞では道中2番手を追走し、迫るペースセッティングを抑えました。1400Mのやや遅めの流れでも折り合えたので、立ち回りの巧さがある馬と言えるでしょう。

今回は左回りを克服できるかどうかが課題になりますが、一つ下の弟が京王杯2歳Sを勝ったキングエルメスですので、テラステラも左回りをこなせる可能性はありそうです。兄と同じく矢作厩舎所属で、坂井騎手とのコンビ。勢いそのままに、今回の重賞でも好走できるのではないでしょうか。

スプレモフレイバー - 先行激化の展開で後方からの末脚一閃なるか?

中京の馬場が芝を張り替えたことによって差し、追い込み馬が台頭するのではないか──と紹介しましたが、近走で速い上りを見せているのがスプレモフレイバーです。4走前の福島2歳Sから差し脚を伸ばすタイプに変わっていますが、不利を受けた朱竹賞以外の3戦で上がり最速を記録しています。

右回りでも左回りでも上がり最速を出しているのでコースを問わない末脚を持っていると言えるでしょう。先行馬が多い組み合わせですし、馬場のいい内をめぐって各馬が競って先行激化すれば、直線でまとめて交わす可能性が十分にある馬と言えるでしょう。

馬場の恩恵を味方につけ、豪快な差し脚に期待したいですね。

スーパーアグリ - 渋った馬場でも切れる脚。馬場と展開を味方に直線一気を狙う。

当日はどういう馬場になって、どの位置にポジションを取るべきなのかは判断がつきませんが、渋った馬場に対応できる馬を考えておくのは必須でしょう。渋った馬場で実績を残していて、尚且つ馬場と展開に合いそうな差し・追い込み馬がいれば理想的というところですが、その条件にピッタリなのがスーパーアグリです。

新馬戦では阪神芝1400Mで重馬場での勝利。2,3戦目は良馬場のスピード決着でしたが、4戦目の前走がやや重馬場でのレースとなりました。道中は最後方を進んで直線では内の馬群の中を進もうとしていましたが、伸びかけた時に進路が無くなってしまい3着という結果に。スムーズならもっと際どかったはずです。しかも休み明けプラス16キロでの走りですから、直線での切れは相当です。

叩き2走目で期待できますし、直線が長く、芝を張り替えて直線で伸びる今の中京で渋った馬場となれば、この馬にしてみれば絶好の条件が重なったと言えます。初の左回りを克服できれば馬場と展開に恵まれて上位に食い込もむ可能性も十分あるのではないでしょうか。

カルロヴェローチェ - 名手から名手へと受け継がれたバトン。短い距離なら地力上位。

ペースの展開を握るのはカルロヴェローチェでしょうか。

前走の白梅賞では逃げて先行すると、上り3ハロン34秒2の末脚でそのまま2着に2馬身半差をつける完勝でした。逃げて上り3ハロン34秒2でまとめられたので、後続にはどうすることもできません。マイペースで先行できればそのまま押し切れてしまえるだけの力があると言えるでしょう。

今回は他の先行勢に絡まれずに先行できるかが鍵になりますが、仮に渋った馬場になれば武豊騎手の馬場読みと判断がいきるのではないでしょうか。これまでの戦績からルメール騎手、福永騎手と騎乗してきているので、陣営の期待度の大きさを感じます。1勝クラスで2着に2馬身半差をつける完勝だったことからもここでは力上位で、重賞で戦える馬なのは確かでしょう。あとはうまく展開や馬場を味方につけられるか、というところではないでしょうか。

このレースの結果いかんでマイル路線に進んでいく馬、1200M路線に進んでいく馬がいるはずです。素質馬たちの分岐点にあたるのが、今回のファルコンSではないでしょうか。ここで好走した馬はもちろん、凡走した馬も将来的には注目でしょう。また、3歳世代のマイル路線もこのレースからそのレベルが判断できるのではないでしょうか。非常に難解なレースではありますが、各馬の未来を占うレースになるのは間違いありません。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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