[阪神大賞典]ボルドグフーシュvsジャスティンパレスvsディープボンド。そこに割って入る馬はいるのか? - 重賞プレビュー

19日の阪神メインは天皇賞春のトライアルの阪神大賞典が行われます。かつてはナリタブライアンとマヤノトップガンらが名勝負を繰り広げてきた一戦です。スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、ディープインパクトといった現役最強格の年明け初戦として使われるレースでもあり、この一戦を見たファンは、天皇賞・春への期待を盛り上げたものでした。12年の同レースではオルフェーヴルが3コーナーで外に逃避してしまいながら、盛り返してレースに復帰して2着まで押し上げるという伝説のレースもありました。

スピード競馬の流行によって近年では現役最強馬がこのレースに出てくることが少なくなりつつありますが、天皇賞・春を目指す馬が集まるのは以前と変わりません。今年の天皇賞春は3年ぶりに京都競馬場での開催で注目度も高まっています。その前哨戦である阪神大賞典は例年以上に注目のレースになるのではないでしょうか。

新たなライバル関係となるのか? 今年は2頭の4歳馬に視線が注がれる。

今年のメンバーで注目を集めるのがジャスティンパレスとボルドグフーシュの2頭でしょう。

2頭は3走前の神戸新聞杯から、菊花賞・有馬記念と同じレースを使ってきています。神戸新聞杯ではジャスティンパレスが勝ち、ボルドグフーシュが3着でしたが、菊花賞ではボルドグフーシュが2着、ジャスティンパレスが3着と逆転。有馬記念ではボルドグフーシュが2着、ジャスティンパレスは7着と、ボルドグフーシュが2度先着しています。

今回は4度目の対戦になるのですが、ジャスティンパレスはルメール騎手を迎えて巻き返しを図りますし、ボルドグフーシュは川田騎手を迎えてレースに挑みます。おそらく次の天皇賞春を見据えての騎乗になると思いますが、そうなると5回連続で2頭が同じレースに出走することになります。

これはもう新しいライバル関係の成立と言っていいでしょう。

古くはテンポイントとトウショウボーイ、90年代のスペシャルウィークとグラスワンダー、2000年代後半のウオッカとダイワスカーレット…。まだその域に達したとまでとは言いませんが、近年は久しく見ていないような2頭によるライバル関係にワクワクしているファンも多いのではないでしょうか。

阪神大賞典 注目馬紹介

ボルドグフーシュ - 現役最強ステイヤーへ。ここでは負けられない。

ライバル関係の2頭と書きましたが、現状ではボルドグフーシュの方が一歩リードでしょうか。菊花賞・有馬記念とG1で2着が2回という実績はここでは明らかに一枚上ですし、2200M以上の距離では6戦して2勝、2着2回、3着3回と素晴らしい成績を残しています。恐らくステイヤーとして、現役では1,2を争う馬でしょう。

道中は後方に位置し、勝負ところから長く良い脚を使って前に迫る…という脚質を確立したので、乗り変わりでも問題なく騎乗できるのではないでしょうか。

阪神芝3000Mは菊花賞と同じコース。コース実績と地力の高さ、加えて3月12日終了時点でリーディングの川田騎手を鞍上に向かえて死角はありません。

このまま、長距離界の主役になれるでしょうか?

ジャスティンパレス - ルメール騎手を迎え、逆転を目指す。

ボルドグフーシュのライバルというべき存在のジャスティンパレス。神戸新聞杯ではボルドグフーシュに0秒7差をつけていましたが、菊花賞では逆転され、有馬記念では差が開いてしまいました。

ただ、菊花賞ではレコード決着の中で2着のボルドグフーシュとは半馬身差の3着。4着以下は5馬身離していますので長距離適性やコース適性の高さは明らかです。

加えて今回はルメール騎手を迎えて逆転を狙います。インをうまく立ち回れる同馬ですのでルメール騎手にはピッタリでしょう。休み明けでも動ける馬ですし、積極的に動いて押し切る可能性もあるのではないでしょうか。

ディープボンド - 阪神大賞典3連覇を目指す。

今年の阪神大賞典は、4歳馬の2頭だけでなく『ディープボンドの阪神大賞典3連覇なるか?』という点も注目です。

平地の同一重賞3連覇という記録は、13年~15年の阪神大賞典を制したゴールドシップを思い出す方も多い事でしょう。レースの高い適性を持つのはもちろんですが、その能力を維持し続けるのは 大変なことです。

ディープボンドも3000M以上のレースでは5戦して2勝(阪神大賞典)2着2回(天皇賞春)4着1回(菊花賞)と非常に安定しています。今回も安定して上位に食い込むのではないでしょうか。あとは4歳馬の2頭相手にどのくらい戦えるか、という力比べとなりそうです。

過去2年で戦ってきた相手よりも今年の4歳馬2頭が強いのは確かですが、コース適性や馬場適性も加味すれば互角以上に戦えそうです。ベテランの底力を見せてほしいですね。

ブレークアップ - 転厩で心機一転。3000Mに対応できるかが争点。

長距離適性とコース実績から、上記3頭の決着になる可能性も高そうな今年の阪神大賞典。そこに割って入る馬がいるかどうかが焦点になるでしょう。

そうした意味では、昨年のアルゼンチン共和国杯を制したブレークアップは、天皇賞春へ向けてこのメンバー相手にどのくらい走れるかに注目です。

アルゼンチン共和国杯では離れた3番手の内目を進み直線で抜け出し勝利。ただ、2番手で進んでいたキングオブドラゴンが内にヨレて2着以下の馬が不利を受けたのに対し、勝ったブレークアップはそれほど不利を受けなかったという面もあります。

また、今回から栗東の吉岡厩舎に転厩して関西での初のレースと、かなり変化の大きい一戦で、いきなり結果を出せるのかという不安点があるのは確かです。

いずれは長距離重賞でも好走できるとは思いますが、それまでもう少し時間がかかるかもしれません。それでも、ボルドグフーシュ、ジャスティンパレスと同じ4歳馬。まだ伸びしろがかなりあると思いますし、4走前のジューンS(東京芝2400M 3勝クラス)では後にジャパンカップを勝ったヴェラアズールから0秒3差の2着という点を考えればこのメンバーで好走してもおかしくない下地はあるとも言えます。

まさに、試金石とも言える一戦です。

ゼーゲン - 遅咲きのステイヤーが名手と共に上位を狙う。

競馬の格言の一つに『長距離レースは騎手で買え』という言葉がありますが、長丁場でのレースでは通常のレースよりも騎手の占めるウエイトが大きいと言えます。

位置取りを考え、道中をロスなく回り、どこから仕掛けるか…といった騎手の判断が問われる場面が多い長距離レースは、名手の腕に期待したくなるのは必然でしょう。

人気のボルドグフーシュ、ジャスティンパレスに騎乗する川田騎手、ルメール騎手も名手ではありますが、長距離重賞と言えば武豊騎手というファンもいるでしょう。

今回騎乗するゼーゲンは8歳馬ながら前走で阪神芝3000Mを勝った遅咲きのステイヤー。初の重賞でこの相手はかなり厳しいですが、それだけに武豊騎手に期待する面が大きいと言えます。

前走の松籟Sでは3~4コーナーで外を回りつつ、長く良い脚を使って差し切りました。このメンバーに対して実績では劣るかもしれませんが、使った強みと体調の良さでどこ待て対抗できるかか鍵になるでしょう。

アイアンバローズ - 長距離重賞ならオルフェーヴル産駒。昨年の2着馬が今年も上位を狙う。

長距離重賞においては阪神大賞典でディープボンドが連覇するなど、個の力が取り挙げられる傾向にありますが、血統傾向ではオルフェーヴル産駒が長距離重賞で存在感を見せています。

今年のダイヤモンドSではミクソロジー、ヒュミドールとオルフェーヴル産駒でワンツー。ステイヤーズSでも22年の勝ち馬のシルヴァーソニックはオルフェーヴル産駒と、近年の長距離重賞ではオルフェーヴル産駒の活躍が目立ちます。

オルフェーヴル産駒のアイアンバローズも、その血の勢いに乗って好走する可能性はありそうです。

そもそも昨年の2着馬ですからコース適性と能力は証明済み。あとは4歳勢との力関係だけでしょう。

近走の成績は振るいませんが、馬場や展開で人気馬が力を発揮できなかった時に浮上してくるのはこの馬でしょう。実績ある条件で見直したいですね。

さて、今年は前年の菊花賞2,3着馬が出走してきて、天皇賞春の前哨戦に相応しいメンバーになりました。見どころも多く、好勝負も期待できるのではないでしょうか。

また、川田騎手、ルメール騎手、武豊騎手といった名手たちの駆け引きも楽しめるレースになりそうです。

このレースを経て、京都競馬場で行われる天皇賞春への期待感を膨らませられることを期待したいですね。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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