[日経賞]菊花賞馬2頭の対決が実現!アスクビクターモアvsタイトルホルダー、最強ステイヤーの称号はどちらへ? - 重賞プレビュー

菊花賞馬vs菊花賞馬の最強ステイヤー対決!
勝つのはどっちの菊花賞馬か?

25日の土曜中山メインは日経賞が行われます。
関東で行われる天皇賞春の前哨戦ですが、前週に阪神大賞典があるので有力なステイヤーが集まりにくいレースでもあります。ただ、昨年は後に天皇賞春・宝塚記念を連勝するタイトルホルダーがここを勝って22年春の長距離路線の主役になりました。今年はどんなレースになるのか注目です。

今年は21年の菊花賞馬のタイトルホルダーと22年の菊花賞馬のアスクビクターモアの2頭が中心となりそうです。2頭とも積極的に先行するタイプの馬ですので、スタート後から位置取り、主導権争いで2頭のマッチレースが行われるのではないでしょうか。2500Mの長丁場ではありますが、スタート後から2頭のガチンコ勝負に目が離せません。

日経賞 注目馬紹介

アスクビクターモア - 勢いが止まらない明け4歳勢!ここを勝って同期のライバルが待つ天皇賞春へ。

2強のうちの1頭が昨年の菊花賞馬のアスクビクターモアです。

昨年の秋はセントライト記念2着を経て菊花賞勝利。道中2番手から残り600Mで先頭に立ち、ゴール前では2,3着馬に迫られながらも押し切りました。勝ちタイムは、菊花賞レコード。当時の阪神の馬場が高速馬場だったのは確かですが、前半1000Mを58秒7のHペースのなか2番手で進み、道中で1ハロン13秒台とペースが緩んだのは1度きりです。ラスト200Mこそ12秒9と脚がやや止まりましたが、非常に長い持続力のある脚を使って押し切りました。

この時2着だったのが有馬記念で2着に食い込み先日の阪神大賞典でも2着だったボルドグフーシュ、3着だったのが阪神大賞典を勝ったジャスティンパレス。そこからも、この馬の実力が押しはかれます。

相手はタイトルホルダー1頭のみと言って良いかもしれません。もし同馬に勝ち切ることができれば勢いそのままに天皇賞春も勝利して、現役最強ステイヤーの称号を得られるかおしれません。中山コースで3勝しているコース巧者でもありますので、大いに期待できるのではないでしょうか。

タイトルホルダー - 改めて現役最強ステイヤーであることを証明したい。

2強対決のもう1頭であるタイトルホルダーは、昨年のこのレースの勝ち馬です。

昨年の日経賞でも逃げて進み、ゴール前2着以下の馬に迫られながらも押し切りました。実績と経験を積んだ今年も期待したいのですが、昨年の凱旋門賞での厳しいレースで疲労がたまってしまったのか、続く有馬記念では見せ場が無く9着に敗れています。今回のレースは『タイトルホルダーが本調子に戻っているか?』が焦点になりそうですが、今回の斤量は59キロと、かなり厳しい斤量です。

加えて、

元々叩いた方がいいタイプでもあるので、今回は非常に厳しい条件になってしまいました。それでも実績は現役随一ですし、まだまだ楽しみな存在と言えるでしょう。
馬場を味方にして昨年と同様に押し切れるかどうか、注目しましょう。

ボッケリーニ - 昨年の2着馬。今年は逆転できるか?

2強対決と銘打ちましたが、タイトルホルダーの斤量が59キロということもあり、2強ですんなり決まるとは言い切れないのが今年の日経賞です。『2強対決は2強で決まらない』という格言もあるように、どちらかが崩れる可能性は十分にありそうです。そうなった時に浮上する馬も考慮する必要があるのではないでしょうか。

能力と実績から考えると、2強に割って入れそうな馬の一番手は昨年のこのレースで2着だったボッケリーニでしょう。

昨年の日経賞では勝ったタイトルホルダーにクビ差まで迫っての2着。
タイトルホルダーのその後を考えれば、クビ差まで迫った力は再評価されるべきでしょう。

ボッケリーニ自身は次に目黒記念を勝ち、秋初戦は京都大賞典で2着。
敗れた京都大賞典も、勝ったのがJCを勝ったヴェラアズールと考えると、相手が悪かったと言えます。

G1では力不足な結果に終わってしまいましたが、G2では力上位と言えますし、馬場が渋っても対応可能でしょう。G1馬2頭が力を出し切れない時は割って入れる可能性もあるのではないでしょうか。

ヒートオンビート - スタミナに定評あり。重賞クラスでも堅実派。

昨年の日経賞3着馬ヒートオンビートも、再評価が必要な1頭でしょう。
ボッケリーニにクビ差で続く3着。続く天皇賞春では勝ったタイトルホルダーから離されてしまった4着でしたが、重賞では変わらず堅実な走りを見せています。

重賞に挑むこと10度、2着が3回、3着が3回と、あと一歩のところまで来ています。
展開待ちではありますが、安定感から上位候補といえる1頭です。あとは相手との力関係がどうか、というところでしょうか。

ライラック - 昨年のエリザベス女王杯2着馬。斤量と馬場適性を味方につけられるか。

今年の日経賞は昨年の1~3着馬とアスクビクターモアが中心のメンバー構成ですが、その舞台で4歳牝馬のライラックがどのくらい戦えるか、という点にも注目でしょう。

紫苑Sでは3着でしたが、開幕週の馬場で内、前が有利だったので展開は不利だったと言えます。
続く秋華賞では馬が力んでいたのか、10着と惨敗。京都2歳Sでもそうでしたが、関西圏へと輸送するとテンションが上がったり、力んだりするので良くないようです。

続くエリザベス女王杯では渋った馬場を味方に2着同着と健闘しました。
スタミナ型の牝馬としてこのメンバー相手にどこまで戦えるかが鍵になります。血統的にも長距離重賞で結果を出しているオルフェーヴル産駒なので、ここでも結果を出す可能性十分と言えます。54キロの斤量も他馬と比べれば恵まれたと言えますし、明け4歳勢の勢いに乗って対牡馬でも好勝負を期待できるのではないでしょうか。

今年の日経賞はタイトルホルダーvsアスクビクターモアという菊花賞馬同士の対決が実現します。その2頭がどちらも先行馬ということもあって、スタートからゴールまで2頭が並んでガチンコ勝負になる可能性もありそうです。すんなり2強での決着か、2強の内1頭が崩れるのか──その点も興味が尽きません。タフなスタミナ比べが繰り広げられるのではないでしょうか。先週の阪神大賞典と同様に、アツいレースを期待しましょう。

写真:かぼす

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