[大阪杯]ヴェルトライゼンデ、ヒシイグアス、スターズオンアース、ジェラルディーナ…。実力伯仲の中距離王者決定戦! - 重賞プレビュー

ドバイ組に引けを取らないハイレベル!?
春の中距離王者決定戦は実力伯仲の大混戦!

今週から4月に入り、春のG1シリーズが本格的に始まります。
春の陽気な天候の下、大レースが行われていくことにワクワクする競馬ファンも多いのではないでしょうか。

日曜阪神では古馬中距離王者決定戦の大阪杯が行われます。先週ドバイでのレースがあったのでそちらに向かった実力馬もいましたが、国内に残った実力馬の多くはこの大阪杯に出走してきています。イクイノックスやドウデュースは不在ですが、G1に相応しいメンバーが揃ったハイレベルなレースと言えるのではないでしょうか。

1着、2着馬が参戦する中山記念を振り返る。

中山記念 勝ちタイム 1分47秒1 (良)
前半1000M 1分0秒0 上り4ハロン 47秒1  3ハロン 35秒4

前半1000Mが1分0秒0と重賞にしては速くはないものの、息が入らない展開となりました。3ハロン目からラスト200Mまでずっと1ハロン11秒台という持続力勝負。ラスト200Mで12秒4と時計がかかったので底力も求められました。長くいい脚を使った馬が上位に来た印象で、内に入った4,5着馬が直線で詰まる不利はあったが、外を回りつつ上がり最速で伸びてきた勝ち馬の地力が一枚上だったレースと言えます。

勝ったヒシイグアスは昨年の宝塚記念の以来の競馬。
休み明けでありながら外々を回って完勝でした。ここでは力が一枚上だったというところでしょう。2着のラーグルフは3~4コーナーで勝ち馬の後ろをついていって直線でしぶとく脚を伸ばしました。上り3ハロンが勝ち馬より遅かったので勝ち切れなかったと思いますが、中山金杯と全く違う競馬で結果を出せたのは収穫でした。

勝ったヒシイグアスは、大阪杯でも有力な候補と言えます。
このレースを基準にして他の馬がどのくらいの着順だったかを考えることが、メンバー間の能力比較の軸になるでしょうか。

馬場状態は内有利か?

先週は雨の影響で3場とも渋った馬場での開催で、中京と中山は不良馬場での開催でしたが、阪神だけが重馬場での開催でした。雨量が少なかったのもあると思いますが、馬場がそれほど悪化しなかった他の理由もあります。改めて阪神の芝コースの管理についておさらいしておきましょう。

京都競馬場の改修工事によって、2021年、2022年の阪神開催の日数が多くなりました。10月から年末までの3か月間の開催があったにもかかわらず、中5週で2月の阪神開催が始まった際にはかなり速い馬場で行わています。年末の開催後に芝の張替えを行うことによって良好な馬場状態になったことで、速い時計が出る馬場で開催が実現しているそうです。

しかも、今年から冬の芝の張替えを行った中京とは違って、阪神では昨年も冬の芝の張替えを行っていましたので、一年を通して昨年よりもいい馬場状態で開催が進んでいきました。通常よりも早く芝の張替えが終わったのでその分芝の根付きが良くなり、雨が降っても良好な馬場状態のキープにつながったようです。暖かい気候も後押しして、今週はかなり速い馬場状態で行われると推測します。
内の馬場がそれほど悪化していないことから内を通る馬が有利になるのではないでしょうか。

大阪杯 注目馬紹介

ヴェルトライゼンデ - 悲願のG1制覇へ。コントレイル世代はいまだ健在。

2,3歳時はコントレイルにG1制覇を阻まれていたヴェルトライゼンデ。
その後屈腱炎になり長期休養となりましたが、1年4か月後に復帰初戦の鳴尾記念を勝利しています。
この時に負かしたのが後にエリザベス女王杯を勝ち、有馬記念でも3着に入るジェラルディーナですから、価値ある勝利でした。

2走前のジャパンカップでは0秒1差の3着でしたが、まだまだG1の舞台でも戦えることを示しましています。
前走の日経新春杯では59キロを背負いながらも完勝と、G2レベルでは明らかに力上位であることを証明。あとは『G1の舞台で勝ち切れるかどうか?』というところでしょうか。

今回はリーディングジョッキーである川田騎手を迎えたのが非常に大きいです。
コース相性のいい彼の存在が、G1勝利まで足りなかった何かを埋めてくれる存在になるかもしれません。

また、昨年のJCではヴェラアズール、チャンピオンズカップではジュンライトボルト、東京大賞典ではウシュバテソーロが勝利。今年になってもサウジカップではパンサラッサ、ドバイワールドカップでウシュバテソーロと、国内外のG1でコントレイル世代と呼ばれた現6歳世代が結果を残しています。

コントレイルと戦ってきたヴェルトライゼンデがこのレースを勝てば、レベルが低いと言われてきた6歳世代の評価を覆すことになるでしょう。このレースで悲願のG1制覇を成し遂げ、世代の強さを証明できるでしょうか。

ジャックドール - 逃げる武豊騎手がレースを支配するか? 

レースの展開を考えるならジャックドールの存在は無視できません。

昨年の金鯱賞では1分57秒2のレコード勝ちと、高速決着では定評のある快速馬。
今週の阪神開催が速い時計が出る馬場であるならば、中心視すべき存在でしょう。

メンバーを見てもこの馬がハナを切る可能性が高いですし、陣営も逃げ宣言をしていることから、レースの前半は同馬が引っ張っていく可能性が高いでしょう。スタート後に主導権を握ってしまえば、あとは武豊騎手とキタサンブラックが17年大阪杯で見せたように、後続を完封してしまうかもしれません。ジャックドール自身も逃げながらもレースの後半に切れる脚を使える『ため逃げ』タイプの馬ですので、とにかくすんなりと先手を取れることが勝利への大きなポイントなのは間違いありません。陣営の逃げ宣言はその布石とも言えるでしょうか。

ヒシイグアス - 苦難を乗り越え、絶好の舞台でG1制覇へ。

メンバーが揃った中山記念を完勝したヒシイグアスの地力の高さも注目です。

一昨年の天皇賞秋からの4戦で、5,2,4,2着とG1でも能力の高さを示しています。
阪神コースでは昨年の宝塚記念で、レコード決着の2着ですから、コース相性が非常に高いと言えます。
また、昨年はパンサラッサがレースの前半から飛ばして逃げていきましたが、今年もジャックドールが逃げる展開になる可能性が高いので、昨年の宝塚記念の2着の経験がいきてくるのではないでしょうか。

1000M通過57秒6のHペースでも道中6番手を取れるほど追走スピードがありますので、今回も同じだけ走れるのであれば、追走は可能でしょう。日経賞のタイトルホルダーの強さを考えれば宝塚記念で2馬身差まで迫った力は本物です。今回はいかに自分の力を出し切れるか、が焦点になるでしょうか。

昨年の宝塚記念後に熱中症で生死をさまよった同馬。
中山記念を快勝して上積みも十分、べストのコースと体調で期待したいですね。

スターズオンアース - 二冠牝馬の地力やいかに。牡馬相手でも互角以上の走りを見せつけられるか。

昨年の桜花賞、オークスを制した2冠牝馬のスターズオンアース。今回、ルメール騎手とのコンビを組む注目の存在です。

同じ阪神芝2000Mで行われた前走の秋華賞では出遅れて後方からになりましたが、直線で内を捌いて追い上げ、0秒1差の3着に食い込みました。スタートさえ決まっていたのならもっと際どい勝負になったのは間違いありません。現4歳牝馬を代表する能力の持ち主であるのは確かです。

今回は牡馬との戦いになる点が焦点になります。昨年の秋華賞馬のスタニングローズが今年の中山記念で0秒2差の5着でしたが、ルメール騎手の手腕を含めて期待したい存在です。

マリアエレーナ - 持ちタイムはメンバー屈指。スムーズに走って巻き返しを狙う。

レースの展開はジャックドールが逃げて、2番手以降が少し離れて追走する形になるでしょうか。そうして馬群がやや縦長になるなかで、内目の2,3番手の位置を取れる馬が絶好のポジションになるのではないでしょうか。今回2番枠に入ったマリアエレーナが、その位置を取れるのではないかと推測します。

前走の金鯱賞ではさらに内にいたアラタに良いポジションを取られ位置が下がってしまい、その後は内で大渋滞に巻き込まれて抜け出せないまま終わってしまいました。ただ、今回は内が大渋滞になることはないでしょうし、スムーズに走れれば内々を回って直線で突き抜けた小倉記念のような走りができるのではないでしょうか。

持ちタイムはジャックドールに次いで2位。
阪神芝2000Mでも昨年のマーメイドSで1分58秒6の時計で走っています。

大阪杯は比較的内枠が有利な結果が出ていますし、阪神の馬場は内がそこまで悪くなっていない点、ジャックドールが逃げて縦長の展開になることを考えれば、巻き返す可能性のある馬と言えるのではないでしょうか。

ジェラルディーナ - 昨年からの上昇度はトップクラス! 名牝の娘が名牝に。

昨年のエリザベス女王杯を勝ち、有馬記念で3着だったジェラルディーナも有力馬の1頭です。

クラシックには縁がありませんでしたが、今は調教師となった福永元騎手がじっくりと競馬を教え込んで徐々に力をつけてきました。22年の鳴尾記念で2着に入って2000Mの距離を克服すると、同年秋のオールカマーを勝ち、続くエリザベス女王杯を制しました。年末の有馬記念でも牡馬の一線級を相手に3着と健闘しましたので、ますます今年の活躍が期待されます。

個人的にはもう少し距離が長い方がいいと思いますが、1番枠に入ったことでロスなく立ち回れればある程度位置が取れて勝負ところに入れるのではないでしょうか。有馬記念のメンバーを考えればここでは力上位ですし、馬の充実ぶりには目を見張るものがあります。このレースを勝って母同様に押しも押されもせぬ名牝となることを期待するファンも多いはずです。

ここで取り上げた以外にも、重賞2勝のノースブリッジや昨年の覇者ポタジェ、昨年のマイルCSで2着のダノンザキッドもいるというハイレベルな今年の大阪杯。良馬場であれば1分58秒台の高速決着になる可能性が高く、素晴らしいレースになるのは間違いないでしょう。春の暖かな天候の下でワクワクするようなレースを期待したいですね。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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